2013年12月14日土曜日

コンビニ「いれたてコーヒー」急増の行方

今週、渋谷公園通りに新しいビルが建ち、1階にファミリーマートがオープンしてた。外からでも、おでんを目玉にしたPOPが目立ってました。
前を通りがかったとき、入口近くのコーヒーマシーンが見えて、ちょっと意外な感じが。というのもこのあたりのコンビニでは見かけたことがありません。とりあえずカフェチェーンは周囲にいくらでもありますし、坪単価的に採算か取れるのかどうか。なんともわかりませんけど、ファミマでコーヒーを買ったことがなかったので入ってみました。



通常Sサイズが120円。オープンキャンペーンで50円引き!


へ〜、カフェラテまであるんだ。でもコンビニではブラックしか買わないので、Sサイズにしようと値段を見ると120円。これは強気だなぁと思いながら、レジで小銭を出すと「70円です」と言われビックリ。「今、50円引きになってます。Mサイズが今なら100円です」とも教えてもらいましたが、少ししか飲まないので私はSです。

画像:ファミリーマートで販売されているコーヒーのイメージ

飲んでみると、コクはそこそこで苦みもある。これは、いいかも。
今まで飲んだことのあるコンビニコーヒーだと、味はそこそこでも、苦みやコクはなかったり。フタの部分がプラスチック臭がするものあったりします。
今までは、セブンイレブンのコーヒーが一番いいと思っていました。Sサイズは100円ですし、なんといっても淹れたているときの香りがよく、飲むときにも豊かな香りを感じます。スタバやタリーズのコーヒーよりもいいかもしれません。


2013年度のコンビニコーヒーは、7億杯


11月末の日経新聞によると、国内コーヒーの消費量も過去最高を更新する勢いだそうです。この記事は登録が必要だったり、有料会員が読めるものなのでこれ以上、引用しませんが、100円台という価格が支持され、喫茶店の減少やカフェのない街ではカフェ代わりになっているという趣旨のことが書いてあります。

じゃあ、都心ではどうなんでしょうか。オフィス街では昼時に買っている人が、行列を作るほどなんだそうです。お昼休みに買って会社に戻る。公園で飲むとか、そんな需要はけっこうありそうです。
でも渋谷みたいな街では、どうなんでしょうか。周辺の競合になりそうな店を入れたマップを作ってみました。

画像:公園通りを中心にコーヒーの飲める主な店をマップに

新しくできたファミマは、マップのほぼ中央。公園通り沿いのややロゴを大きめに入れたところです。
すぐそばにサンマルクカフェがあり、たぶん200m以内に、テイクアウトできる店だけでもエクセシオール、モスバーガー、フレッシュネスバーガー、スターバックス、ドトールと競合が揃っています。ビルの中には、テイクアウトできませんがカフェがいくらでもあります。
価格を比較してみましょうか。基本はSサイズ、ワンサイズしかないところはその価格。

  • ファミリーマート Sサイズ 120円
  • サンマルクカフェ Sサイズ 190円(ブラック)
  • モスバーガー         220円 
  • フレッシュネス  Sサイズ 300円    
  • スターバックス  ショート  300円(ドリップコーヒー)
  • ドトール     Sサイズ 200円  

価格では、圧倒的にファミリーマートですね。ただ他は店内でも飲めるので、同列には扱えません。それでも私自身は、ここのファミリーマートのコーヒーを利用する機会が多くなりそうだと思っています。


ニーズは、コーヒーを飲みたい気分 × リラックスしたい時間の長さ?


なぜって、利用しているシチュエーションがまったく違うから。お昼を食べて、あるいは出先から戻って来て、コーヒーチェーン店に入ることはけっこうありますが、その利用時間は10分、長くて15分ぐらい。しかも渋谷にあるコーヒーチェーン店やファストフード店は、いつだって混んでいますし、長居する人がほとんどです。だから一ちょっとだけ休憩したいという使い方には、不向きなんです。
打ち合わせなどでスターバックスに誰かと一緒に行って、1時間近くいるならスターバックスラテを飲みます。でも、ほんの少しの時間休みたいというときには、店内がどれだけ雰囲気のある内装でも結局休まらないし、お金ももったいないです。

実際、某コーヒーチェーン店に入ると、コーヒーをトレイに乗せたまま席が開くのをじーっと待っていたり、座っても店内が騒がし過ぎて、がっかりして出てくることがあります。
それなら会社に持って帰って飲むか、公園で飲んでいた方が良さそうです。

もしかすると、ファミリーマート周辺のショップで働いている人たちも、同じようなことを感じているかもしれません。オフィス街ではないので、飲食している人たちは、ここで働いている人たちではなく、ほとんどが買いものや遊びに来ている人たち。
休憩のときにはコンビニでコーヒーを買い、バックヤードで飲んでいた方が気分転換できる、なんて需要があるかもしれません。
そう考えると勝算は、ありそうですね。



今まで私がコンビニコーヒーを飲んでいるシチュエーションは、完全に土日。合気道の道場に行くときです。車で行くので、コンビニによってコーヒーを買って飲みながら運転していることがけっこうあります。やはり運動する前に、休みの日の精神状態を、ちょっとはシャキっとさせたいんでしょうか。
車で飲むわけですから、もちろんフタをしてます。このときに、最初に書いたようなプラスチック臭のするコンビニチェーンもあるんですよね(笑) だからフタをせず、駐車場で飲んだりもするのですが、これからの季節は、ちょっと厳しいです。
今までコーヒーを販売しているファミリーマートに出会ったことがなかったので、多少遠回りになってもセブンイレブンに行ってました。香りだけで、気持ちのモードを切り替えられます。


私のいずれの理由も、そんなにメジャーではないかもしれませんが、コンビニコーヒーが7億杯も出るのなら、ニッチな需要も大切ですよね。


コンビニコーヒーがコーヒーチェーンに並び、さらに拡大する?


日経トレンディが選ぶ『2013年ヒット商品ベスト30』の第一位は、「半沢直樹」「あまちゃん」を抑えて、なんと「コンビニコーヒー」。売れ行き・新規性・影響力の3要素でヒットを評価すると、コンビニコーヒーがトップになるんだそうです。確かに他業界への影響だって、大きいでしょうしね。
コーヒーチェーン店やファストフードが、食われているんでしょうか?

画像:タリーズの閉店後の様子


Business Media 誠に掲載されている朝日大学マーケティング研究所の調査によると、「コンビニコーヒーを買うようになって、利用が減ったコーヒーはありますか」という問いに、40%弱の人たちが自販機やコンビニの缶コーヒーが減ったと回答しているそうです。

考えてみると、そりゃあそうですよね。缶コーヒーと価格も同じですし。
ただここに掲載されている情報だけだと、アイスコーヒー、ホットコーヒーがわけられていませんが、冷たいか熱いかで代替になる飲料は、もっとあるかもしれません。


株式会社マーシュという調査会社の『コンビニコーヒーに関するアンケート』では、「外出先で飲みたくなったとき、カフェ・コーヒーチェーン店とコンビニが横並びに並んでいたとしたら、どちらのコーヒーを購入しますか」という趣旨の問いに、なんとほぼ同数、若干コンビニで買うと答えた人が上回る結果が出ています。

また「今後、コンビニコーヒーの利用が増えると思う」と答えた人に、その理由を自由記述で聞いた結果が載っているのですが、やはり車なら駐車場があるとか、駅前じゃなくてもどこにでもあることの利便性、気軽さが大きいようです。個食の需要と同じことのようです。



コーヒーが飲みたいという欲求だけなら、テイクアウト。おいしさが同程度なら、価格と利便性の選択。
時間がある。落ち着いて飲みたい。あるいは複数で利用ということになると、必然的にコーヒーチェーンやカフェに。
コーヒーチェーンやファストフードが実験すべきは、テイクアウトのコーヒーを値下げですけど。もしかすると場所・雰囲気に支払うお金より、利便性を優先する需要が上回りつつあるのかもしれません。そうだとするならコーヒーチェーンやファストフードが、値下げしたところで、あまり意味はなさそうですね。


コンビニコーヒー側は、これ以上、やれることはなさそうです。ただ絶好調だといわれるセブンイレブンのマシンは、佐藤可士和さんのデザインが質感とアンバランスで、なにより表示が分かりづらく、どこの店でも説明がベタベタ貼られていて、なかなか笑えます。
#セブンカフェの様子 が各店舗の工夫いっぱいで面白い

カフェならセガフレード・ザネッティのようにサイズ表記がD:Demitasse/P:Piccolo/C:Classico/G:Grandeのように二度見しても迷うような表記でも、まだ許されるかもしれないです。私は一番小さいのを、と言いますが(笑) コンビニコーヒーのマシンは、利便性を最大にして欲しいです。



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