2014年2月13日木曜日

ツイッターで、トレンドに乗るとはこういうこと (1)


私はソーシャルメディアの中で、こと拡散する効果については、だんぜんTwitterが高いと思っています。かける労力によっても違うでしょうけど、Twitterの気軽な共有されやすさとバイラルに拡散していきやすさは、インフラとして他のSNSとは異なっています。

画像:Youtube「ソーシャルメディアの運用、むずかしいですか」のワンシーン




 
FacebookやGoogle +と比較すると、ビジネスっぽさや真面目さが希薄なので、軽く見る方やどう使うのかわからないという人も少なくありません。でも今やビジネスっぽい生真面目さは、ビジネスを仕掛けたいと強く望んでる人たちの間でしか通用せず、外へは広がっていきません。



「ツイートの拡散は実際に購買を促進させることができるのか?」


こんなタイトルの記事が、Twitter Japanの公式ブログで、先月公開されました。取り上げているのは、グリコが昨年11月11日に仕掛けた【みんなでTwitterギネス世界記録に挑戦!】 というキャンペーン。
画像:ポッキー「みんなでTwitterギネス世界記録に挑戦!」のツイート

グリコがこのキャンペーンをやりだしたのは、たぶん2011年から。11月11日を「ポッキー&プリッツの日」として制定し、2012年11月11日の24時間に「ポッキー」を含んだツイート数でギネス記録を作ろう(Most mentions of a brand name on Twitter in 24 hours)というキャンペーンを実施。184万3733ツイートを達成、世界記録に認定された。
昨年2013年は、それを上回る200万ツイートを目標に実施したところ、371万ツイートを突破したというもの。
Twitter社としては、世界記録という拡散力は当然として、実際にポッキーやプリッツは拡散の結果、売れたと言いたいところ。

調査から、2つの結論を述べています。
◎Twitterユーザーは、より多くポッキーを購入している。
◎ツイートに接触しただけのユーザーにおいても、購入率に上昇が見られる。

前者は「Twitterユーザーは、11月11日に前週平均より約4倍ポッキーを購入」。後者はキャンペーン前とキャンペーン後を比較。ポッキーを購入した人の割合は「ポッキーツイートをした人たちは1.7倍。ツイートを見ただけの人は2.2倍」というもの。
画像:ポッキー購入率

実際のところ、この解釈はけっこう強引で、「ポッキー&プリッツの日」は嵐の二宮くんを使ったテレビCMもバンバン打ってるし、ポッキーロケットを打ち上げようという特設サイトなども開設されていた。それらの要因をまったく考慮せず、Twitter周りだけで判断するのは、なかなか図太いです(笑)


「ポッキーツイート」は、どうして371万回を突破したのか


Twitter Japanの公式ブログに書いてありますけど、【みんなでTwitterギネス世界記録に挑戦!】は、プロモトレンドとプロモツイートを使ったもの。

プロモトレンドというのは、TwitterをPCで開いたとき、左側、おすすめユーザーの下に出てくるトレンドの枠。これの一番上に表示されます。
ここに表示されていれば、かなり見てもらえる、クリックしてもらえる確率が上がるでしょう。

画像:ツイッターのトレンド


そしてプロモツイートとは、自動的にツイートされるもの。通常、個人でも企業アカウントでもツイートしたからといって、フォロワーすべてに見てもらえるわけではありません。時間の経過とともに見た人のタイムラインを流れて、消えて行ってしまいます。だから、まったくその投稿を知らないフォロワーの方が多い。
でもプロモツイートは、その人がTwitterにアクセスしたときに、タイムラインの上部に現れます。100%フォロワーにリーチするというのがコンセプトなんだそうです。

だから、グリコさんがどれだけの広告費をTwitterに投入されたのかはわかりませんが、ギネス記録を更新する導火線になったのは間違いありません。でも広告はあくまでも導火線でリツイートだけじゃなく、面白がって自主的にツイートしてくれないと、371万ツイートも行くわけありません。
しかも11月11日はある意味、特異日でした。



「11月11日はポッキーの日じゃないぞ」というコラボレーションが発生


昨年の11月11日、実はTwitter上ではとんでもないことになっていました。私にはいったい何ごとなのか、そもそも「知らんがな」と言いたいツイートが飛び交い、大盛り上がり。

それによると、「いや違う、手越祐也の日だ!」「いや違う、あずにゃんの日だ!」「いや違う、丸山隆平の日だ!」「いや違う、鈴木達央の日だ!」「いや違う、ゾロの日だ!」「いや違う、日向縁の日だ!」「いや違う、田中れいなの日だ!」「いや違う、綾崎ハヤテの日だ!」なんだそうです。

それぞれのファンが対抗して投稿しています。

画像:11月11日のツイート1


それぞれがリツイート合戦を繰り広げてますけど、そのほとんどに「ポッキーの日」が入ってますから、ギネス記録更新に貢献しちゃってます。直接的にはポッキーはどうでもよくて、面白がれるネタを投入できるキッカケですよね。
極めつけは、こちらの投稿。プロの漫画家の方がツイートして、なんと15,000リツイート突破! グリコは、この方にポッキー10年分ぐらい贈呈した方がいいですね(笑)

画像:11月11日のツイート2

とまあ、11月11日はTwitter上がお祭りだったわけです。


私が特に注目していたのは、ここ。12日にGoogle + に投稿しています。「じゃがりこ」や「トッポ」も面白がってツイートされてたんです。トッポが好きなわけじゃなくても、ポッキーだらけになったタイムラインに、ちょっと違うことを出してやれ、みたいな遊び。ロッテが仕掛けていたのではないでしょうけど、やろうと思えばできます。

11月11日は、「麺」の日や「きりたんぽ」「もやし」「ピーナッツ」「美しいまつ毛」「靴下」の日もあるそうですけど、もし当社が運用していたら、画像まで作って確実にツイッター内トレンドに乗っかるところです(笑)

画像:11月11日のツイート3


このツイートは5000回以上リツイートされていますが、私の投稿は誰も+1してくれませんでした(笑) 
オリジナルじゃないからというだけじゃなく、ツイッターと実名が基本のSNSとでは、仕組みの違いはもちろん、ユーザー層もユーザーの意識も異なっていると思います。ツボが違います。



ポッキーのように大々的に広告費を投入できるわけでも、うまく特異日に合わせる商品やサービスなんてないし。そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。次回は、広告費を使わず、ツイッター内のトレンドに乗った事例や方法をご紹介します。



ツイッターで、トレンドに乗るとはこういうこと (2)に続く






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