2014年4月17日木曜日

無料でホームページ作ってプロモートもしちゃう方法と、その課題

1ヵ月以上前ですが、Google + の限定公開で「今度帰国したときに、ホームページをどうやって作ればいいか教えてください」という投稿のお知らせが来ました。
その人は同じ合気道の団体で、ニューヨーク在住。ニューヨークで合気道道場を開いたばかりです。試運転段階でしょうか。

帰国したときに道場で、ざっとしゃべったのですが、数分程度。ちゃんと伝えるなら、ブログの記事にしてしまえと思って、書くことにしました。本人の了解をとりましたが、もちろん彼ひとりのためじゃなくて、小規模なお店などでも使える内容で書いてみます。

タイトル画像:無料でホームページ作ってプロモートもしちゃう方法と、その課題


◎すぐ簡単に作るためには、JimdoかWixを使う



お金があるなら、制作会社に依頼します。うちも制作会社です。
さらにデザインができたりHtmlなどの知識があるなら、ホスティング会社と契約して、自分で作ります。でもお金も知識もないとなれば、JimdoかWixがおすすめです。両サービスとも、アメリカで利用できるはずです。
両方ともテンプレートを使って作成していくスタイルで、画像やテキストを入れて行けば形にはなります。ホスティングが無料でセットされています。またPC用に作れば、自動的にスマホにも対応します。


画像:JIMDOロゴ







Jimdo
Jimdoは、ドイツで創業されたサービス。日本ではKDDI ウェブコミュニケーションズと協業しています。だから、日本語版でもほとんど問題はありません。
無料版ではJimdoの広告が入りますが、そんなに目立ちません。無料版のドメインは◯◯◯◯.Jimdo.comになります。独自ドメインを使う場合は、有料版を使います。JimdoProは、年額¥11,340です。


JimdoProの年額¥11,340を払いたくなければ、「みんなのビジネスオンライン」というGoogleとKDDIが日本の中小企業や個人経営の店舗などを対象にしたサービスがあります。なんと独自ドメインの取得とJimdoProと同じものが1年間無料で使えます。
アメリカにはないサービスだと思いますが、一応(笑)


画像:Wixロゴ






Wix

イスラエル発のサービスです。Wixの何がいいかというと、Jimdoと比較すると圧倒的にテンプレートのデザインがいい。Jimdoの無料プランだと、どのテンプレートもセンスがなく、古い感じがしてしまいます。有料プランは、選べばそれなりのものもあります。
ただWixは、英語の不得意な人が利用するには、難しいところが随所にあるかと思います。ですので、私は自分でWixを触ったことがありません(笑) 有料プランの料金も、ドル表示ですから。
無料プランのドメインは、◯◯◯◯(ユーザー名).wix.com/△△△△△(サイト名)になります。独自ドメインを使うなら、有料プランになります。




スマホに自動適応する欠点

両サービスともに、PC用に作ったものが、自動的にスマホ用にも最適化されて表示されます。このBloggerもそうですが、スマホで見ると余白とか画像の大きさが変わっていて愕然とします。長文で書いているブログなので、PCで読んでいただくことを前提に、スマホでの崩れは諦めています。
でもお店や道場の場合、スマホでチェックするときは、簡単に見たい読みたいと誰しも思うでしょう。いくら語られても、チェックしたいのは営業時間だけなら邪魔なだけ。必要情報になかなか辿り着かないと、あっという間に離脱されかねません。
最適化といいながら、崩れだけならまだしも、ナビゲーションが貧弱なのは致命的です。これからはスマホ優先で作った方がいいと思うのですが、無料のサービスが対応するのは、まだ先かもしれません。GoogleがやっているBloggerだって、ヒドいものですから。




◎画像をどうやって作るか



どんなサービスを使っても、画像が必要になってきます。デザインができて、デザイン用のアプリケーションを持っている人なら問題ないですが、そうじゃない人が悩むところを書いておきます。




ロゴをどうするか

5万円ほどのお金をかけてクラウドソーシングを使う方法や、無料のロゴ制作サービスを使うという手もあります。
でもクラウドソーシングを使うには、それなりのデザインの知識が必要です。ないと、自分のセンスを信じて選ぶことになりますが、問題はセンス以前のところ。ウェブサイトに使うのは、それなりの大きさで表示できます。でもスマホで表示すると、ほとんどのロゴは潰れます。つまり本来は、イメージを崩さないようにスマホ用のものを作る必要があります。
そんな対応は相応の費用と細かな打ち合わせが必要になるので、あきらめてください。
ご自分のパソコンに入っている太めのフォントをgif画像にして、ロゴ代わりにすれば十分だと思います。




写真をどうするか

よく「写真が重要だから、一眼レフを使おう」とアドバイスする方がいます。確かにぼかしや光量、レンズの多様性を考えるなら、その通りですが、実際にはセンスと知識と場数と、それなりの時間が必要です。もちろんかなりのお金も。道具があるイコールできる、ではありません。車の運転を考えれば、そうですよね。
だから今あるデジカメやスマホを使う。センスに左右されにくいのは、アップを心がけること。そして光の方向に注意することです。
こんな記事も書いています。
『SNSで使える生写真の撮り方』


写真で注意するのは、人の顔。プライバシーの問題もありますし、顔認証されてしまうようなサイズでの使用は基本的に避けた方が無難です。
色調を変えたり、トリミングするのはPCにデフォルトでついているアプリケーションで十分だと思いますが、一部をぼかしたりするのはできません。
プロなら画像ソフトはPhotoshopですけど、高いし高機能過ぎて難しいと思います。
当然Photoshopの機能そのままではないですけど、処理の美しさは製品版に匹敵するほどの、なんとオンライン上に無料で使えるPhotoshop Onlineツールというのがあります。

試してみました。
この写真、ネコの上と向かって右側に余計なものが写っていますが、邪魔です。これを消してみます。
画像:ネコの写真元

この写真を、Photoshop Onlineツールにアップロードします。アップロードしたら、左のメニューにある[Touchup]を選択。これがスタンプのような機能みたいです。緑の丸に赤丸の画像をコピーして重ねられます。重ね方の方法が乗算のようですが、詳しくは分かりません。

画像:Photoshop Onlineツールを使っている画面
こうやって、だいたい消すことができました。この写真なら、こんな手間をかけずにトリミングしてしまえばいいのですが、人物の顔が入っている写真を使いたいときには[Touchup]機能を使って顔をぼかしたり、はっきり読めると差障りのある文字を簡単にボカすこともできます。

画像:修正したネコの写真


これで数分程度です。製品版なら完ぺきに同化させることができますが、そこまでやるのはものすごく時間がかかりそうです。顔のぼかしぐらいなら、1分かからないかも。
また赤目修正や汚れを消したり、ホワイトバランスや色調の変更、絵画風のエフェクトなどなら、Photoshop Onlineツールで十分。かなり綺麗です。





◎SEO対策について


SEOというのは、Googleなどの検索エンジンに表示してもらうためのもの。出来れば、上位にということですけど、これが難しい。実はシンプルで簡単なんですけど、どう考えるかと、実行するのが難しいかもしれません。




どんなキーワードで検索されるかを想像してみる

合気道の道場ですけど、合気道というキーワードで検索されるかというと、そうでもないかも。日本でなら[地名 + 合気道]がもっとも多いと思いますが、アメリカではどうでしょう。[地名 + 護身術]かもしれませんし、[地名 + 武道]や[地名 + 日本文化]だって考えられます。お店なんかの場合も同じですね。知名度や競合の状況、サービスの特異性の度合いで変わってきます。地名は、歩いてくるのか、電車や車なのかで変わってきます。

本人に聞くと「空手の道場は周囲にいくつかあるが、合気道の道場はない」とのことだったので、ここでは[地名 + 合気道]をメインにしておきます。


検索エンジンへの設定をする


メインになる、検索する人が多そうだというキーワードを考えたら、それをウェブサイトのタイトルに入れ込みます。検索されたときに、基本は一致度が高いものが上位に表示されますが、サイトのタイトルが最も影響度が高いと考えていいと思います。

下の画像はJimdoの設定画面です。見本で入れてみました。
地区も何もダミーで、アメリカでなら当然英語ですから(笑)


画像:Jimdoの設定画面に入力したところ

[説明]に入れた文章は、下にGoogleで検索されたときにどういう風に見えるかがプレビューされます。メインとして考えるキーワード(と、その組み合わせ)も含めて、[ダグ]のところに打ち込みます。


その他、画像のところにこんな画面が出てきます。検索エンジンのロボットは「テキスト」を読みますが、「画像」は読めません。だから[代替テキスト]を入れて、読んでもらえるようにします。


画像:画像に情報を入れる画面



その他のSEOについて

検索されたワードと、一致度の高いサイトが有利だと言っても[タイトル]や[説明][タグ]に書かれているだけで、内容と一致していなければ、スパムサイトだとGoogleは判定します。適正な内容だと判断されるには、キーワードについての文章が、それなりのボリュームで書かれている必要があります。
これもスマホで表示された場合は、長文だとSEO的には良くても、読んでくれる人にはマイナスです。きっと、このブログのように(笑) すべてに対応できるわけではありませんので、どこかで割り切りましょう。

そしてそれよりも重要なのは、更新されているということ。更新されていないサイトは「死んでいる」ものだと判断されますし、頻繁に更新されていると有利なようです。
だから最初から、更新できる要素をあらかじめ作って置くことが賢明です。
後述しますが、更新する写真などやテキストは、ベースになる素材としてSNSでも展開できます。




◎完成したら、すぐやること


Google Analyticsに登録する

 Google Analyticsはアクセス解析するためのものですが、めんどくさければアクセス解析しなくていいです。でもGoogle Analyticsは、まずGoogleにURLを登録するものなので、必ずそこまではやってください。
Google Analyticsだけじゃなく、Googleのサービスを利用するには、とにかく[Googleアカウント]が必要です。Googleアカウントって、G-mailのあれです。アンドロイドを使っている人なら、必ず持ってます。調べてください。
そのあとの流れは、それぞれのサイトに詳しく書いてあります。




Google プレイスに登録する

 道場やお店のサイトなら、必ずGoogle プレイスに登録してください。Google Map上でも表示されるようになりますし、逆に登録していないと様々なデメリットが出てきます。スマホでの検索だと、なおさらです。

通常のGoogle検索でも、Google プレイスに登録されているものは、まとまって上位に表示されたりします。

公共の体育館でやっているような道場でも、ケータイ電話から登録できます。確認には電話か、あるいはGoogle からのハガキが届く場所が必要です。
いままで何度も書いていますので、読んでください。
リアル店舗が、Googleの仕組みを知らなかったら困っていた実例

Google ローカルは、SNSであるGoogle +の中の一部です。いろんな口コミサイトがありますが、常にステマや誹謗中傷のリスクがあります。
Google ローカルはGoogle +のプロフィールに紐づいたサービスなので、Googleには「誰が書いているのか」常に分かっています。誰でも、書いた人のプロフィールの[クチコミ]を見れば、分かってしまいます。 またGoogle検索でも、次第にGoogle ローカルとそのクチコミを重要視する度合いを高めるんじゃないかと、私は予想しています。




◎SNSで呼び込みをする



いまだに世の中にはウェブサイトを作れば、それで読んでもらえる見てもらえると思っている方が少なくありません。
開設したばかりだと、人通りのない道にお店を作ったようなものです。SEOは、電話帳に登録した程度だと思った方が無難です。今はすべてがオーバーストアで、コミュニケーションの手段やツールも増える一方。オーバーメディアという言葉はないですが、そう言いたくなります。

広告は、お金をふんだんに投入して全メディアをジャックするようなプロモーションが増えていますが、駅前に看板を出そうが、見てくれているとは限りません。
先週、ウィンダーinゼリーが、渋谷の駅前や109に巨大な広告を出していて、テレビCMも流していますが、どれだけの人が認知しているでしょうか。

画像:画像に情報を入れる画面

ネット広告などの、これまで効果のあったものでも、どんどん届かなくなっています。SNSだって同様ですが、お金を掛けないなら、導線を増やして行くしかありません。何百万何千万も掛けた駅周辺の看板より、もしかしたらティッシュ配りや呼び込みの方が効果あるかもしれません。


何を発信すればいい


SEOの最後のところで「頻繁に更新されている方がいい」という趣旨のことを書いていますが、ウェブサイトで更新しながらSNSでも発信する!? そんなこと無理だと多くの人が思うでしょう。だから同じソースを使います。
つまり、同じネタで書き方や写真を変えて発信して行きます。 そのネタとは、基本はディテール。商品なら、商品のセールストークをウェブサイトやそれぞれのSNSで出しわける。アクセスしてくれた人が、ウェブサイトと各SNSを回遊してくれるようになることを想像して、発信する内容を考えます。

 鍋を扱っているなら、その素材を語ってもいいし、どれだけ保つものなのか。買い替え時の徴候は? デザインの美しさやオススメの料理など、写真はマストでテキストを短めに。
合気道の道場なら、稽古した技のことや入門した人や大会、道着や帯、袴など、やはり写真は必ず使いながら、軽く語ります。 バズることを狙って関係のないことで話題になるより、地道に発信していくことが王道だと私は思います。
JimdoもWixも、ソーシャルとの連携は簡単です。




各SNS別のスタンス


画像:フェイスブックロゴ

フェイスブックでは、すでに企業ページの投稿が[いいね!]をしてくれたファンにさえ、表示されなくなっています。広告を使うしか、ほとんどリーチしないと言っていいでしょう。
Facebookページリーチ激減り、ただ乗り終了のお知らせ

じゃあ使わなくていいんじゃないかと言うと、そうでもない。年齢が高めの人やSNSをあまり使っていない人は、フェイスブックだけを使っているケースが多いです。ウェブサイトやメールの署名等からのリンク先として、必要です。 また個人事業主の方などで地域密着型の場合、フェイスブックページを使わず、個人のアカウントでPRするという方法なら、アリです。


画像:Google +ロゴ








Google +は、日本ではまだまだ過疎地帯です(笑) ただコミュニティは盛んで、FBより有益だったり面白いと思います。
Google +を使うのは、上に書いたようにGoogleのサービスを使うため。プロモーションで使う効果はほとんどなく、FBと同じものでいいと思います。ただ企業/団体はGoogle +を使うことになりますが、個人のアカウントは、Google検索など様々なところでプロフィールとして使われます。個人では、プロモーション以外の投稿が必須です。
どんな趣味趣向の人がやっているのかが伝われば、安心感につながるでしょう。
※もちろん、やらかしてマイナスにしてしまう人もいますが(笑)


画像:ツイッターロゴ








プロモーションするなら、間違いなくソーシャルメディアの中で、最重要です。実際、意味のある内容でバズる可能性があるのは、ツイッターだけかもしれません。
詳しくは、このへんから読んでみてください。
ツイッターで、トレンドに乗るとはこういうこと (1)



画像:Youtubeロゴ








ウェブサイトやSNSに動画を投稿するのであれば、Youtubeにもアップするのがお得です。Googleのサービスだからか、通常の検索で上位に表示されやすいと思います。
動画自体はスマートフォンで撮ったものそのままでもいいですし、手持ちのパソコンにあらかじめ入っている動画編集ソフトでタイトルぐらいをいれるのは簡単です。
ウェブサイトや他のSNSへのリンクをお忘れなく。当社の場合では、Youtubeから来た人のサイト滞在時間は、だんとつに長いです。











LINEがアメリカにあるのかどうか知りませんが、一応書いておきます(笑) 
日本でLINEを個人以外のアカウントで使用するのは、無理があると思います。費用的に大企業じゃないと無理ですし、また基本がクローズドのサービスなので、新たなつながりを作るのは不可能に近いかもしれません。LINEに参入する以前に、“誰でも知っている会社”であるか、大々的に宣伝するか、どちらかしか可能性はないでしょう。
また小さなお店が個人アカウントを使って、実際に顔見知りのお客さんとLINEでつながるのは、けっこう危険かと思います。ほぼリアルタイムの対応をしなければ意味がないですし。それにアドレスに入っている、つまりLINEをやっているやっていない関係なく、お客さまの個人情報を吸い取られることになります。




ざーっと書いてみましたが、これを専業でもない個人が全部やるのは大変です。
出来るところから始めて、ご参考にしてみてください。

複数の合気道道場のウェブサイトに関与していますが、体験や入門者数の差は、やっているかやっていないかで、歴然と違います。


バナー:ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です


2014年4月9日水曜日

スマホシフトの、冗談みたいな誤解

日曜日、うちの奥様が買いものから帰ってきて冷蔵庫に食料品を入れながら、とてもお怒りです。
話を要約すると、こういうことでした。

◯スーパーに、食料品を買いに行った。
◯入口で「アプリをダウンロードすると、5%OFFになります」と言っている。
◯スマホを渡すと、DLしてくれる。そこに何人も並んでる。
◯自分のスマホを渡すと、操作してから「この機種はDLできません」と言われた。
◯店内の放送でもずっと「アプリをダウンロードすると〜」とアナウンスしてる。
◯レジで「スマホ持ってない人は、来るなってことね!」と怒ってる人がいる。

画像:App storeをiPhoneで表示させているところ

私はもうおかしくて。奥様のスマホは、私のススメでGoogleアカウントが取れないものにしています。当然、アプリも取れません。
メール、電話、写真、検索が出来ればいいのであれば、Googleアカウントは必要ありません。仕事ではGoogleの機能を使うこと、特にGoogleプレイスやGoogle +をススメている私ですけど、アンドロイドのトラブルの多くはプライバシー。初めてアンドロイドを使う人の多くがG-mailアドレスを聞かれて、わからない。というケースは、少なくないみたいです。
↓ けっこう前に書いています。今では、さらにやらかす人が多いので、確信しています(笑)
らくらくフォン化して、いいんじゃない

アプリに関してはiPhoneのApp Storeに比べて、Google Playは無法地帯に近いと言われたりします。
ランキング1位のAndroid向け有料ウイルス対策アプリ……実は詐欺でした



スーパーマーケットの、顧客は誰なのか


それにしても、このプロモーションは、かなり疑問です。
そのスーパーは、巨大チェーンではありません。スーパー単体の数字ではありませんけど、イオンとセブン&アイがそれぞれ5兆円4兆円超の売上で二強。それと比較すると、あとはどこも中小と言える規模です。
その中小の中でも、珍しい食材や商品を売っているセレクトショップ的なポジションで有名です。ワインやスイーツなどでは、かなり有名だと思います。それでいて、高くない。紀ノ国屋などの高級スーパーとは、比較になりません。
スーパーって、日常使い。だから常に安いことが求められますけど、ある巨大グループのスーパーは、グループが大規模開発したような施設には、ずいぶん前から入れてもらえないそうです。理由は、集客力がないからだと。
いや集客力はあると思いますが、中心的な要素は立地などでの利便性。ブランド力があって、「わざわざ来てくれる顧客がいる」という意味の集客力はないという評価だそうです。安さが絶対的ではないんですね。
西友は安さだけを打ち出したCMを続けていますが、安さがなければ、集客できないポジションなのでしょう。スーパーのポジションは、さまざまです。


話を聞いて、なにをやっているのか調べるために、iPhoneで検索してみました。
そしたらなんと、そのスーパーはスマホ用のサイトを作っていなくて、PC用と同じものを表示しています。もう見にくいなんてもんじゃありません。そんな会社が、スマホアプリをダウンロードさせようとしてるの!? 
しょうがないので、キーワードをプラスして検索してみました。

ピンポントで出てきました。わかったことは、
◯この土日だけ、ダウンロードしてくれた人に5%OFFのキャンペーンをしてる。
◯数店舗だけで実施している。
◯アプリは、お得な情報が届いたり、GPSで近くの店舗を表示させたりする

アプリは昨年リリースされていました。
Google Playで調べると、DL数は5,000〜10,000の間みたいです。レビューは、怪しいものだけ(笑) 通常、この手の企業アプリのレビューは厳しいことがかなり書かれます。
そうか、あまりダウンロードされてないから、消費税増税のタイミングで5%OFFで促進しようとしたわけね。数店舗で成功すれば、順次他店でも実施するということかもしれません。


普通に考えると、顧客層を考慮せず、スマホシフトに乗って、顧客の囲い込み。そして通販サイトへ誘導しようという意図なんでしょう。
でも、西友よりは高い。高くて珍しい食材を売っているということから、顧客は一般的なスーパーより年齢層が高い。そうすると小さな価格差ではブランドスイッチが起きにくい、と考えるのがセオリーでしょう。
しかもここで買いものをしている人たちを見ていると、ここのエコバッグを使っている人たちが、かなり多いです。たぶんロイヤリティも高い。


今年の2月、ビデオリサーチインタラクティブから「スマートフォン所有率は、2年前の2倍、過半数の54.0%に」という調査結果がでました。全国15~69歳のPCインターネットユーザーでのスマートフォンの個人所有率です。
プレスリリースにリンクしておきます。


この中の【スマートフォン、携帯電話/PHSの性・年齢別所有率】を見ると、10代20代ではスマホ所有が圧倒的。30代では男女ともに、6割強がスマホ。
ところが40代になると、女性では若干、携帯/PHSが多くなっています。50代女性になると5割強が携帯/PHSです。
もちろん首都圏だけで調べれば、もっとスマホ比率が高くなるでしょう。

このスーパーでは、中高年の客が多いはずです。当然、少なからず携帯/PHS所有と考えていいのではないでしょうか。
しかも、私の予想通りに少々の割引では動かない、高いロイヤリティを持っている人たちだとすると…

ブランドイメージ的にも売上的にも、マイナスしかなさそうです。


※この手のネットリサーチ、調査対象者を人口統計学的に調整したものではないですし、ネットで回答したものですからバイアス(偏り)があり過ぎです。ですから、あくまでも雰囲気でしかありません。
こんなので普及率出していいのかなと思うような調査では、「スマートフォンユーザーが6割超!, スマホを持つ妻の2人に1人がゲーム、ネットショッピングに利用」というものもあります。



アプリにまつわる誤解


あるクライアントで、ケータイサイトを止めてしまおうかという話が出たことがあります。実際、ケータイコンテンツへのアクセス数は、かなり低い。ケータイだとテキストはサクサク見れたとしても、画像でイメージを伝えるのは、けっこうしんどい。
続けるかどうかは、費用対効果の判断です。
そしてスマホサイトを充実させようかという話も出ました。これは、間違いなく必須です。普及率はいずれの年齢層でも、無視できません。この先も上昇していくのは間違いないように思えます。
実店舗の場合は、検索する人がかなり積極的な動機で行なっている確率が高いと思います。どんなキーワードで考えても、スマホだと検索結果に表示される量が少ない。なんども書いてますけど、Googleプレイスへの登録が有利なのはもちろんですし、コンテンツもスマホに特化したものにする必要があります。

そんな話をしていると、スマホサイトより、アプリを作った方が、ランニングコストで得じゃないかという意見が出ました。
私は「アプリはダウンロードしてもらうというハードルがありますけどね」と言いました。つまり広く知られているブランドであることが必要で、そのアプリをダウンロードをすることがステイタスであるとか面白いとか、あるいはお得さが際立っている、というような条件があります。

だから、あまりダウンロードされない。ダウンロードしてもらうために、割引などのプロモーションが必要になる。費用対効果としては、どうでしょう。


アプリの利用状況を調べてみました。あまりありませんが、ある調査結果には、こんなことが書いてありました。スマートフォン利用者のアプリダウンロード個数は5個以下が3割弱。「6~10個」がボリュームゾーン
この手のネットリサーチに登録しているのは、多くがネットの利用時間が長めの人たちだろうから、アプリの利用も高い方向に傾向が強いと考えるのが普通だと思います。それなのにボリュームゾーンが6〜10個だなんて、かなり意外でした。
だって、これで15個です。

画像:アプリのアイコン表示


この調査を信じるなら、SNSや写真加工など、多くの人が標準的に入れているであろうアプリ以外に、企業ものを入れてくれる確率は、かなり低そうです。



もしかするとスマホは、高い時計やDEAN & DELUCAの小さなトート並?


自分自身のことを考えると、スマホは電話とメール以外、いやメールさえも仕事が主体です。あとはテザリング用。仕事のSNSはスマホでチェックしますが、投稿するのはPC。入れているアプリは、ブラウザー以外では、Dropbox。画像加工ものも必要ないですし、遊びのものは入れても、何度か使ったらすぐ削除します。長く入れているのは、唯一「iDaft」だけです。
余計ですけど動画を貼っておきます。アホです(笑) 


企業ものでは、チェックして削除していないのはMAZDAの「MOTIONIST」だけ。Walk,  Run,  Driveの3つのモードで動きの質を計測するというものです。でも独自の計算式というものなので、公開もしていないし信憑性はありません。

それぐらいなので、個人的には仕事に関係なければ、スマホを持つ必然性を感じていないです。遊びや暇つぶしで使うには高価すぎますし、アポロ11号を上回る演算処理能力なんて使いこなせるはずもありません。


仕事ではスマホシフトは当然なので、スマホコンテンツ等を用意したり、様々な対応をするのは当然だと思っています。

でも個々人は、どうでしょう。使いこなしているなぁと思うのは、私の周囲ではおひとりぐらい。積極的に使っている人は、やらかしがちですから、あまり“こなして”いません(笑) 
ツールとして使いこなしているのと、セキュリティ面が万全で、コミュニケーションや創造性まで含めて使いこなすとなると、かなり難しいですよね。

普及率はどうあれ、今はまだ「持ってます」ということに価値がある段階かもしれません。



ネットショッピングは、金額で中高年が牽引。動画サイトもスマホシフトが鮮明に

こんな風に書いてくると、「スマホ、ぜんぜんダメじゃん」と言っているようなものだと誤解されそうなので、最後にスマホシフトの重要なところを最後に書いておきます。

日経新聞が昨年10月に、ネット消費、シニアが引っ張る 食品など比率トップという記事を出しています。
最近1年間にネットショッピングで使った金額は50代60代がグンと高くなっています。中でも「食料品」「IT関連製品」「医薬品・サプリメント」「レンタルサービス」では、60代の利用がトップになっているそうです。
ただこの調査では、端末はパソコンが中心の利用。スマホの所有率は全体の39%に対し、シニアは14%という低さ。
ネットショッピングもスマホからの利用は、今後、シニアが牽引する可能性大です。

もうひとつは、ニールセンが今年の2月、オンラインショッピング/動画サイトはスマホへシフトというニュースリリースを出しています。

それによれば、「20代はスマホからのネット利用者数がPCでの利用者数の約2倍」
「オンラインショッピング/動画サイトはスマホからの利用者がPCに並ぶ」ということですから、スマホシフトは間違いないのでしょう。


今年から来年にかけて「使っています」ということに、価値がシフトしそうです。
もちろん、今でもSNSは「使っています」なんですけど。




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2014年4月3日木曜日

いいなと思った動画 Vol.6

今回も企業ものです。いますぐ売ろうとするCMじゃなくて、Youtube動画です。



予告編が出ていたISETAN-TAN-TAN。ついに3月31日に公開されました。
AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』は、企業や団体のダンスカバーものとして新しいジャンルを切り開きました。ワールドオーダーのダンスカバーものも面白いです。
でも伊勢丹は、ダンスの完成度がすごい。作詞・作曲の矢野顕子さんも登場しています。

【公式】ISETAN-TAN-TAN PV


どれだけ練習したんでしょう。
世界各国の伊勢丹スタッフダンサー約500名が、真面目に踊ります!!
と書いてあります。 『恋するフォーチュンクッキー』の企業や自治体ものとは、練習の度合いがまったく違っていて、さすがに伊勢丹だと感心させられます。
でも、売り場に立っているのは、ほとんどがアパレルメーカーの人たちのはず。その人たちにまで、そんなに練習させたのかと思うと、ちょっと怖さも感じます(笑)





次はホンダの芝刈り機「Mean Mower」が、世界最高速を記録し、ギネスに認定されたという動画です。

Honda's Mean Mower - officially the world's fastest lawnmower!


とても芝刈り機とは思えないマシンデザイン! 映像は、さながらF1レースのようです。そもそもどうして芝刈り機が世界最高速に挑戦しなきゃいけないのか、理解に苦しみます(笑) でも、そこがホンダらしさですよね。






日本の動画が続きましたが、次はフランスのコーヒー豆メーカー、Carte Noire(カルト・ノワール)の動画。日本には入っていませんが、フランスでは大衆的なメーカーなんだそうです。フランスでコーヒーといえば、エスプレッソだといいますので、日本ではあまり需要がないんでしょうか。
ここの動画って、私はちょくちょくチェックしているのですが、それはなんといっても、独特のシズル感

VERT by Carte Noire : Tiramisu pistache au café sucré


コーヒー豆やインスタントコーヒーしか売っていなさそうなのに、なぜかデザート類の作リ方をいくつも動画にしています。
そのどれもが芸術的とも言える表現で、見とれてしまいます。内容・表現ともに、日本やアメリカのメーカーでは、ちょっと考えられないですね。






最後は、タマホーム。どうもYoutubeで動画を見るときに、最初に出てくるコマーシャル。あれ専用に、作られたみたいです。
タマホームといえば、私は「Burn(紫の炎)」の替え歌のイメージが強烈にこびりついていますので、かなり意外でした。

1more Baby応援団 TVCM 「ふたりめ会議」


考えると、かなりヘビーなテーマです。これで家づくりにつなげるというのは、企業のコミュニケーションとして深いですね。
高度成長期の会話っぽいかなという気もしてきますが、だからこそ他社とは違うスタンスを伝えてられるのかもしれません。トヨタがクルマの価値を問い直すようなコミュニケーションをしているのに似て、家って何なのという問いかけは響きそうです。





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