2013年10月30日水曜日

Googleハミングバード導入で、誰も言っていないこと

画像:ハミングバードイラスト

もしかしたら、どなたかが言っているかもしれません(笑) 
ただ「ハミングバードの導入は、9月26日にGoogleが発表した」「導入は、その1ヵ月前」「検索結果の90%に影響を与えるそうだ」「根本的なアルゴリズムの変更」「会話型検索に強い」「SEO専門家たちは、Googleの発表まで誰も気がついていなかった」「これからもそんなに変わらないかもしれない」「従来通り、いいコンテンツを作っていけばいい」「コンテンツ イズ キング」というのが、大方の解釈と流れ。

専門家でもなんでもないので、そこにケチをつけるつもりはありませんが、単純に利用者としたら、どんな風に便利になるの? というところが興味の対象ですし。企業の担当者やウェブ制作サイドとすれば、どこに向けてサイトづくりをすればいいのということですよね。

私はハミングバードのことを最初に知った時、ざっくりと、スマホのなどのモバイルデバイス対応、音声入力対応だろうなと社内で言っていました。


キチンとしたハミングバードの概要を知りたい方は、こちらを。たぶん最も速く記事にされたブログだと思います。
海外SEO情報ブログ-ハミングバード(Hummingbird)、Googleが新しい検索アルゴリズムを導入



▷本当にハミングバードは会話型検索に強いのか


Googleから発表されている例だけを鵜呑みにするわけにはいかないので、実際にいろいろとやってみました。その中のひとつを動画にしています。
Webデザイナーが「鼻血が出た」が適切なんじゃないかと言い出しました。単純だけど、ありそうでしょう(笑) 




鼻血が出てどうして止めるのがいいのか、注意することはないのか、なにかの病気だったりしないのか、という複数の目的で検索してみました。
トップは、薬剤師の方のサイト。止め方 →血液検査が必要な場合 →治療ということが端的にまとめられていて役立ちそうです。二番目に表示されたのは、goo ヘルスケアですが、簡単すぎて困ります。
ところが三番目の日本成人病予防協会のサイト。脱脂綿の詰め方が詳しく書いてあったり、出血しているときに頭を低くするのは間違いだと書いてあったりして、こちらの方が役立ちそうです。さらにそこから下位は、まとめサイトが出てきたりして、“ネタとしての鼻血”になっていました(笑) 
この順位は、どうなんでしょう。Google検索の目標が役立つことなら、順位自体が疑問なところです。スマホでなら、そんなに何ページも移動するでしょうか。


ハミングバードの導入で、順位が変わったのかどうかはわかりません。ただ「鼻血」というキーワードだけで検索した場合、1位はWikiでしたので、会話型で検索した方が少しは役立つ結果が出たと言えるのかもしれません。



じゃあ、止め方はわかりました。とりあえず脱脂綿が必要です。買いに行きましょう。

Googleマップで「近くのドラッグストア」と音声入力しました。位置情報が必要なので、ログインしての使用です。するとなんと位置情報は正しく表示されているのに、cicagoのdrug storeがズラッと出てきました(笑) 
しょうがないので、Googleで音声入力でやってみました。その結果は、これ。私がやるとこんなのが出てきました。Youtubeに使っているのは、Webデザイナーがやった検索結果です。

画像:スマホで音声入力「近くのドラッグストア」の結果画面


一位はアインズ&トルペ原宿クエスト店。調べたら、Perfect Beautyがお店のコンセプトでした(笑) それでも脱脂綿は売ってるかもしれません。
二位はコンドマニア原宿店。見たとたん、もう爆笑で。脱脂綿は扱ってないと思います(笑) それにしても私の検索結果は、どうしてこんなことになっているのでしょう。何か私がいけないことでもしているような(笑) 
あ、もしかしてコンドマニアをご存じないですか。じゃあ、リンクさせておきます。

そもそも原宿、表参道の店を表示するのが不思議です。


試しにSiriで、同じようにやってみました。

画像:siriで音声入力「近くのドラッグストア」の結果画面


Siriの方が頭いい! まともな検索結果です。あれ、場所の表記が宇田川町36-1のすぐそばになっている。この検索をしたのが25日の台風の時だったのですが、影響あるのでしょうか。

結局は渋谷駅前になるのですが、渋谷駅周辺のドラッグストアも、コスメに特化しているようなお店が多いです。そうすると脱脂綿があるのかどうか…
ハミングバード以前の課題として、役に立つ検索結果を得るためには、何度も検索していく必要があります。


もしかすると地域の医療情報を扱うサイトや医療機関なら、それぞれに対応するリンクを貼っておくと実際に便利ですし、順位が上がるかもしれません。検証してみないと、なんとも言えませんが。それぐらいがヒントかもしれません。


▷進んでいく方向は、メタ認知能力の獲得


「鼻血が出た」と検索しているのがお母さんで、鼻血を出しているのが子供ならどうでしょうか。Googleにはわかりませんけど、薬局や病院なら、対応した人が見るだけで、すぐにわかります。
鼻血が出ているのが大人で、顔のあちこちに擦り傷があったり、内出血があったらどうでしょう。事故にあったか、殴られたか。もしかしたら骨折しているかもしれない。破傷風に感染してるかもしれないから、検査も必要だ。人間ならそう考えて、適切な振り分けなり対応するかもしれません。

目を中心に、語感で感じるさまざまな情報があるからだし、メタ認知能力があるからです。メタ認知能力って、思考することを思考するというような、ややこしい説明がされますが、たとえばこういうことです。

熱があってお腹が痛いから、病院に行きました。医者は、症状を聞き、データベースを検索しました。すると熱がある時の風邪に対応した薬のセットがいくつか出てきました。このところ風邪が流行ってるし症状は軽そうなので、その中でもっとも効き目が穏やかな、Aセットを処方しました。
流れ作業的な、まさに単純な検索です。

一方別の医者は、お腹が痛いと言っているけれども、痛そうな顔をしていない。どこがお腹のどこが痛いのかと聞くと、動かなければ痛くない。歩いたりして足を動かすと痛いということを、患者本人も聞かれて初めて認識。医者はいくつかの仮説を元にCTを撮ることに。すると病名は、なんと結核。病巣が脊髄の周囲に入り込んでいたために神経を圧迫して腹痛として症状が出ていたということがわかった。
症状の形容詞だけで判断せず、メタ認知があったということですね。


学校の先生が、2ヵ月間も結核だとわからず、周囲にうつしていたというニュースが最近ありましたね。医者にかかっても、医者たちは結核自体が少なく、まさかと思ったということでした。
メタ認知のメタとは、高次のという意味。メタ認知の構成要素は独立したものではなく、相互に関係し合って働いているそうです。


画像:脳のイラスト


後者の医者の方が優秀なのは当然ですが、果たしてハミングバードはどうなんでしょう。Googleは日々の膨大な検索結果を蓄積しているのですから、他にはないレベルのビッグデータを持っています。会話型検索に強い、文脈を理解した検索を志向しているということは、メタ認知能力を獲得したいということ。



ハミングバードが、それほど賢くない理由


メタ認知能力の獲得が可能なのかどうか、そんなこと私にはわかりません(笑) 
今のところハミングバードの結果に、大した変化がないと思えるのは、きっと進化の途中だから。

ひとつ前の記事、『USERS』を読んで、ユーザーってなんだと考えてみたを書いていて、たしか電子版を最初にやった新聞は、日経だよなと思って、確認のために検索しました。
「日本経済新聞が電子版を出した日」で検索してみると、これがもう、まったく役に立ちません。トップは、日本経済新聞利用案内です。以下ずーっと日経の関連するサイトです。
検索した文脈どころか、こんな単純な文章を端折って解釈しています。

画像:「日本経済新聞が電子版を出した日」の検索結果

8番目にやっと関連するニュースが並びますが、これもまた関係ありません。
その次に出てきた、料金設定をなげくブログに創刊日が出ていました。でもこれが正しい日なのかどうか。スマホだったら、このページまで行っていたかどうかも怪しいです。
実は最初からそうしていたのですが、Wikiで「日本経済新聞電子版」を検索しました。そしたら、1発です。もちろんWikiが正しいかという疑いもありますが、ネット上の情報では日本経済新聞の公式発表の次ぐらいの信憑性があるでしょう。

人間は、今までの経験から検索方法を思いついて、それでほとんど満足できる結果が返ってきます。だけどWiki内で検索されてしまうと、Googleとしては困りますよね。


単純に考えれば、今のところハミングバードも賢くないけれども、利用する側も文章や音声入力で会話的な検索をそんなに検索していない。だからケーススタディの総数が少なく、まだまだ学べていないので、賢くないということではないでしょうか。


▷モバイルデバイスのその先へ


Google Glassは来年発売予定だそうです。Google Glassってなんだって? じゃあ、動画を見てください。


検索の様子が出ています。
ok glassで起動して、take pictureで写真を撮り、Googleと言えば検索ができるそうです。そう、ほとんどが音声。ただネットとはテザリングで通信するから、スマホが必要だそうです。だけど、この動画のシチュエーション、私にとっては検索が必要な場面だと思えませんし、Google Glassを欲しいとも思いません。
どうせスマホを持っているのなら、検索が必要になればスマホでいいですよね。


WIREDに、こんな記事がありました。
Mercedes-Benz社は、同社のクルマを「Google Glass」と統合しようとしている。
画像:WIREDのページ「Mercedes-Benz社は、同社のクルマをGoogle Glassと…

そう、クルマのナビとしてならアリですね。ところが、この記事の最後には
※英政府は2013年8月、運転中のGoogle Glass装着を禁止。米国ウェストヴァージニア州でも、同様の内容の法案が提出されている(日本語版記事)。
と書かれている。それはそうかも。メガネの一部に地図が出てくるなんて、かなり危険でしょう。


何が言いたいかというと、Google Glass、私は欲しくないですが、それなりに売れるでしょう。ギークな人たちは、飛びつくと思います。特に新しもの好きでもない一般的な人たちは、どうでしょうか。
Google Glassだけじゃなくて、ウェアラブルなデバイスは次々出てきます。すでに時計は、サムスンのGalaxy Gear、ソニーのSmartWatchが製品化され、アップルもiWatchの投入が噂されています。この先も服だったり、あるいはネックレスとか手袋型とか、どんどん出てくるでしょう。モバイル(携帯できるもの)からウェアラブル(身につけて持ち運ぶもの)へ。
これらの入力は、ほぼ音声だけで行なえるようになるはずです。

製品供給側はともかく、使う人が広がるかどうか。メルセデスのGoogle Glassがナシだったとしても、従来のカーナビがネットにつながり音声入力で操作できる製品はとっくに出ています。問題は、価格と音声認識の正確性。パナソニック、パイオニアなどが先行しているようですが、クラリオンはGoogleの位置情報やスマホで培った音声入力・変換システムを活用した製品を今月発売しました。
少なくとも音声入力のカーナビは、一気に普及しそうな気配です。ウェアラブルなデバイスの普及はなんともわかりませんが、音声入力の分野でもAppleとGoogleになりそうです。Googleとしては、ここで先行するしかないというわけです。

特にギークじゃなくても新しもの好きじゃなくても、どうしたって音声入力をする機会は広がる。どうしたって普及していくだろうというのが、私の推測です。

Googleはユビキタス社会の到来を予想し、その中で検索の覇権を握り続けるために、役に立つ検索エンジンであるこために、進化し続けようとしている。そのために、現在は音声入力の優位性が核となる戦略なんだろうと思います。だから会話型検索を進化させるしかない。長々と書いて来たのは、そういうことです。



▷ハミングバードに対応したサイトづくりとは


はぁ、長かった。
いや、ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございます。それでハミングバードに最適化するには、どうすんだよという声が聞こえて来そうです。
そんなことも、私は知りません(笑)
ハミングバード導入でどう変化したかを誰も検証できていないんだし、ハミングバード自体がそんなに賢くない。まだまだメタ認知とは程遠いというのが、私の考えなんですから。


ハミングバードが進化してくると、どうなるか。推測で考えてみます。
とりあえず最初の例だと、薬局の側が脱脂綿を扱っていることを検索で上位にヒットさせるためにはどうするか。
脱脂綿そのもののスペックを書いていてもしょうがないので、「鼻血をとめるための脱脂綿の使い方」というようなコンテンツを作りしかありません。もちろん渋谷駅前のドラッグストアが、仮に脱脂綿を売りたいと考えたとしても、鼻血コンテンツを作りはしないでしょう(笑) 


今回、医療系でずっと来てるので、こんな文章でオーガニック検索(ログインしていない検索)をしてみました。
パターンA「痛くなくて歯を抜かない歯列矯正をしてくれる歯科」
小さなお子さんを持つ親とか、結婚式を目前にこんな検索をする人がいそうじゃないですか。結果は、
1位.鹿児島の矯正歯科 
タイトルに「歯を抜かない矯正歯科」と入っていいる
2位.愛知県の矯正歯科 
Descriptionに「大切な永久歯を抜かないで歯並びをきれいにする」が入っています。
3位.YOMIURI ONLINEの発言小町
「顎関節症で40代からの歯列矯正について」というトピックスです。
意図を推測していれば、YOMIURI ONLINEが出ないと思うのですが…


エリアを限定しましょう。
渋谷と入れました。
パターンB「痛くなくて歯を抜かない歯列矯正をしてくれる渋谷の歯科」
1位.青森県八戸市 歯医者口コミランキング
2位.東京都日野市 歯医者口コミランキング
1位2位とも、まったく意図なんて考えられていません。
3位.渋谷の歯列矯正専門歯科
20ほどの矯正器具を解説してあってボリュームはあるものの、痛くない・抜かないとは無関係ですね。
ハミングバードは本当に今のところ、バカかもしれません(笑)


じゃあ従来通り、キーワードでやってみます。
パターンC「渋谷 歯列矯正 痛くない 抜かない」でどうなるか。
1位.情報サイトの渋谷新南口にある一般からインプランと矯正もやる歯科ページ
Q&Aもあり、それなりに詳しいが痛くない/抜かないとは無関係
2位.渋谷と横浜にある矯正/審美歯科のウェブサイト
不正咬合のタイプ別矯正方法など、かなり詳しく書かれている。
3位.2位のサイトの下位ディレクトリーページ
4位.2位のサイトの別サイト
2位〜4位までを占める矯正/審美歯科の構造を見てなるほどと思いました。今回の趣旨ではないので省きます。


どうも痛くない抜かないはニッチなキーワードのようです。パターンAの1位.2位、それにパターンCの矯正/審美歯科も該当しますが、ここの場合は痛くない抜かない矯正もやっているというだけで、専門ではありません。

私は矯正って、子供が中心だと思っていたので、痛くないとか抜かないという言葉は、かなり使われていると想像していましたが、どうもそうではないようです。
試しに「渋谷 歯列矯正 目立たない」でやってみたところ、どこも目立たない装置、白いセラミック、裏から矯正、ブライダル矯正など、関連するコンテンツが詳しく書かれているサイトばかりが並びます。


それじゃあと「目立たない歯列矯正をしてくれる渋谷の歯科」でもやってみましたが、1位は同じものの、2位に全国矯正歯科検索サイトというのが入って来ます。
やっぱりハミングバードは、バカです(笑)



▷ニッチワードで、キチンとコンテンツを作っているところが有利に?


音声入力への対応ということなら、ハミングバードがどれだけ進化しても、それほど複雑な長いしゃべりはしないでしょうから、従来のSEO的な対応だと思います。
上の、目立たない歯列矯正というようなメジャーなキーワードの場合も同様だと思います。でもニッチなワードが重要度の高い検索をした場合、ハミングバードの進化に合わせて、どうコンテンツが書かれているかで順位が激変するのではないかという気がします。
この時に、口コミサイトはともかく、ランキングサイトやリンク集みたいなものは大幅に下がるはずです。


昨年、こんな記事を書きました。
仮装・コスプレの大ブレイク
そこに原宿では、30年も前から親子で参加するハロウィンパレードが行われています。とりあえず今年は、渋谷、六本木あたりが、若者のリアルなプラットフォームになったということでしょう。たぶん、来年以降は東京都心のいろんな街に、その後は徐々に全国に広がって行き、秋の仮装イベントとして定着するかもしれません。
と書いたのですが、今年はパレードを実施する場所も増え、この時期のメインプロモーションを仮装用の衣装にした小売店やEC、メイクやネイル、写真撮影、特別メニューまで、さまざまなサービスで、お店側が盛り上がりを見せています。

たぶんコスプレ、ということよりも子供やその親世代も含めると、軽い仮装という方向に広がっているでしょう。ハロウィンが盛り上がれば盛り上がるほど、ハロウィン販促を実施している企業やお店がこの時期に検索で有利になろうと思えば、ニッチなワード、たとえば「ハロウィンの仮装メイク」を受けつけていることを書いたコンテンツが必要になるのではないでしょうか。

川崎の美容院が、Newsでただ「ハロウィンの仮装メイク予約受付中!」と書くのと、「カワサキ ハロウィンのキッズパレード用仮装メイクを親子で予約受付中!」というコンテンツを作るのとでは、検索結果がまったく違ってくると思います。
あくまで予感でしかないですが。
いずれにせよ、何を求めているかを想像してコンテンツが作られていれば、アクセスした人だって、メイクの実例が載っていたり、親子でできるということが出ていれば、そそりますよね。


ニッチなキーワードは、検索されることが少ないからニッチなんですよね。でもハロウィンのようにメジャー化したら、どうか。歯列矯正で、抜かないというのが増えて来たら、どうか。
頻繁にGoogleアナリティクスをチェックしているような人なら、どういう検索ワードでサイトに来ているか、そのトレンドを見て、有望そうな組み合わせも推測できるかもしれません(Googleは検索キーワードの提供をやめていますが、他の検索エンジンから来ているワードはわかります)。

充実したコンテンツを作るなら、先に作っていた方がハミングバードに以前の話として有利。SEOでは、古いドメインの方が有利だという意見が一般的です。検証していても、更新されていないサイトはともかく、古くからあるサイトの方が有利に扱われていると感じます。
コンテンツも、たぶん同じ。descriptionに、このページには何が書いてあるのか、キーワードも含めてちゃんと書いていれば、Googleは認識してくれますから。


コメントを投稿