2015年3月13日金曜日

Apple Watchが、ゴールドを出す戦略性について


来月下旬に発売が決まったというApple Watch。テック系ネットメディアでは、Apple Watchは優れものという評判から、どうもApple Watch Editionの値段やイエローゴールドやローズゴールドを出すことに納得いかない、大バカ発見器じゃないかといった、ネガティブな方向にシフトしているようです。
Techcrunch
18金のApple Watchは理想的な大馬鹿者発見器

私は長年のAppleファンですが、Apple Watchを買いたいとは、まったく思いません。時計的なものを手首に付けること自体、好きではありませんし、ウェアラブル端末としてのApple Watchにも興味がほとんど持てません。それに、いまだにiPhone5を使ってるぐらいですし。
でも、ゴールドを出すということを知ったときに、上手い戦略だなぁと思っていました。


あながち中国マーケットだけが、ターゲットじゃないと思う


Apple Watchは、価格帯順だと[Apple Watch Sport][Apple Watch][Apple Watch Edition]という3つのカテゴリーから、いくつものモデルが登場するといいます。ギークなら[Apple Watch]に飛びつきそうですし、RUNが趣味の人やウェルネスに関心がある人なら[Apple Watch Sport]に興味を持つでしょう。

じゃあ[Apple Watch Edition]は誰が買うのとなると、最安のモデルが128万円から最高額モデルは218万円ぐらいにもなるそうですし、出来ることは何も変わらないそうですから、そりゃあちょっと想像できません。 それで、大バカ発見器だのラグジュアリーを理解してないということになるのだと思います。中国市場がメインターゲットなんだという予想されるのも、ごく自然でしょう。


私も中国での販売がメインなんだろうなと思いますが、それ以外の国ではそれほど売れなくてもいいとAppleは考えてるんじゃないの。なんて想像しています。

iPhoneが登場した時は、ケータイ電話の代わりというよりも、それまでにない市場を創造しましたし、さまざまな秩序も組み替えてしまいました。今、電車の中でもどこでもゲームをする人をどこでも見ることが出来るのは、スマホがプラットフォームになっているから。任天堂が赤字になったのも専用機が売れないからだそうですが、だとすればその発端は、iPhoneの登場でしょう。

Apple WatchはiPhoneと連携して使うものなので、iPhoneより売れることは想像しにくい。でもスマートウォッチを売ること自体が目的ではなく、Apple Watchを出すことによってプラットフォームとしての幅を広げたい。今までに届かなかった層を取り込みたいと考えているのではないでしょうか。
そういうことなら、iPhone以外のスマホを使っている人や、Appleファンではない人たちを取り込むための戦略ツールだと思えます。特に世界の富裕層を取り込めたとしたら、とんでもないメリットがあるでしょう。


iPhone 5sで最も品薄だったゴールドモデル


出荷台数でどうかは分かりませんが、iPhone 5sの入荷待ち、発売から約1ヶ月の時点でゴールドモデルは、約1ヶ月だったんですよね。
Gizmode
auとドコモもiPhone 5sの入荷待ち日数を公開。ゴールドはどちらも約1ヶ月待ちみたい 

iPhone 5にはなかったゴールドが5sに登場した希少性が理由かもしれないですが、ゴールドが人気でした。

Appleが5sで最初に流したCM


廉価版iPhone 5cのcは、カラフルを意味しているそうです。カラーだけで見た場合、iPhone 5からs、そしてcへの展開は、Apple Watchとほぼ同じですよね。
そう、似たようなカラー展開は2年前に経験済みです。


Apple Watchのゴールドは、特許!?


WIREDが、Financial Timesの記事を引用して、“18金と比べて2~4倍硬く、3Dプリントに似た製法で複雑な部品をつくることができるという「金金属基複合材料」の特許”だと書いています。金とセラミックスからなる複合材料なんだそうです。
ほとんど理解できませんが、Apple Watchは特別な金を使っているということだけは分かりました。
WIRED
Apple Watchに採用された「アップルの黄金」特許とは

Appleは、Apple Watch Editionのゴールドをアピールする動画を公開しています。


他社は真似できないゴールドだってことですね。
だからってApple Watch Editionのゴールドモデルが、安いのか高いのか妥当なのかはまったく分かりませんが、プレミアム感は満点です。こういう話題もこれから広がっていきそうです。


日本では、Apple Watch Editionを特別な場所でしか販売しない?


同じゴールドといっても、iPhone 5sはシャンパンゴールド。白っぽくて、上品です。Apple Watch Editionはイエローゴールドやローズゴールドで、公開されている写真を見るとギラギラしています。中華圏ではともかく、日本では色としてどのぐらい受け入れられるでしょうか。

そんなことを思っていたら、DOVER STREET MARKET GINZAがこんなツイートをしていました。
ドーバーストリートマーケットとは、コムデギャルソンの川久保玲さんがプロデュースするセレクトショップで、ロンドンとニューヨークと銀座にしかありません(北京にもありますが、セレクトショップではないようです)。

銀座は六階建てで、コムデギャルソンの全ラインのほか、国内のブランドや海外のハイブランドが多数入っています。セレクトショップといっても、川久保玲さんをリスペクトするデザイナーたちが参加しているので、ドーバーにしかない限定商品が数多く並んでいます。
こんなショップはどこにもないので伝わらないと思いますが、私が数回入ってみた経験だと「いったいどんな人が買うんだろ?」という商品がほとんど。値段もデザインも日常的に着られる服ではありません。Appleより長くギャルソンファンをしている私が、転けそうになるほどの緊張感ですから(笑)



ウェブサイトでも、WHAT'S NEWに大きく出ています。
DOVER STREET MARKET GINZA

私はそうか、Apple Watch Editionはドーバーで売るんだな。そういうことなら、やっぱり、それほど数量を売るつもりはなさそうだと思いました。
きっとドーバーストリートマーケット銀座は、トム·ブラウンやルイ·ヴィトン、セリーヌ、サンローラン、ミュウミュウなどの巨大なハイブランドにとっても、従来の顧客とは異なる層にアピールする場所。通常のデザインや売り方とは異なるクリエイションを見せるショールーム的存在なのだと思います。銀座なので、ほど近いところに、直営店などがあるのですから。もちろんAppleだって、Apple Store銀座があります。

巨大なハイブランドは、ドーバーで飛んだデザインを見せてイメージを上げて、直営店などで売れ筋を売る。それが方程式なのだとすれば、Apple Watch Editionも似たことを狙っているのかもしれません。
ドーバーストリートマーケット銀座をショールームのように使い、他のカテゴリーのApple WatchをApple Storeやネットで販売するのがメインなのかも。あくまで、想像でしかないですが。

どこで売るのか、検索してみました。すると“高価な、Apple WATCHや、Apple EditionをApple Storeで青いTシャツで、立ちっぱなしで販売するという偉業は、さすがのAppleも敬遠した。”と書いているサイトがありました。
KandaNewsNetwork
2015年4月10日には、東京伊勢丹にApple WATCHを見に行こう!

こちらのサイトによると、「Apple Watchのお求めは世界の有名百貨店で!」ということのようです。日本では伊勢丹新宿本店以外に出てきません。
こんな風にも書いてあります。

Appleのライバルは、少なくともApple WATCHの場合は、GoogleやSAMSUNGやLGやSONYやMicrosoftではなく、TAG HEUERやOMEGA、BREITLING、ROLEXなどの時計ブランドなのである。そこの市場だけではなく、Appleが、テクノロジーをベースとした時計ブランドの戦略で考えれば、帽子のCHANELや旅行カバンのLOUIS VUITTONや馬具のHERMES、万年筆のMontblancが時計を販売するのと同様に、コンピュータや電話を作っていたAppleというブランドが時計をだしただけという解釈もできるのではないだろうか?
ブランド戦略なのは間違いないと思いますが、時計ブランドというよりも、従来の商品カテゴリーにとらわれない、むしろカテゴリーを破壊するための商品がApple Watch。
そしてその中でもApple Watch Editionは戦略商品なので、従来のファン層ではない人たちにアピールするために、特別な特許ゴールドを使っているのではないでしょうか。


そう、とても買えない私が想像してみました。
いやどうせセレブリティ以外に、売る気はなさそうです(笑)




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2015年3月6日金曜日

スマホ対応したら、どの程度順位が上がるのか、まずそこ


2月下旬、「Googleがスマホ対応しているかどうかをモバイル検索のランキング要因として使用することを発表。4月21日からの導入予定」という話題が出て以来、さまざまなウェブ系のサイトで、どうするのかという記事が出ています。
最初に出されたのは、たぶんこちら。
海外SEO情報ブログ

昨年11月19日、Googleが「モバイル版の検索結果に [スマホ対応] というラベルをつける」と公表した日、帰宅する電車の中で[モバイルフレンドリーテスト]をさんざんやって、すぐブログに書きました。
Googleの[モバイルフレンドリーテスト]をやりまくって理解したこと

この時は、Googleのいうモバイルフレンドリーは常識的なところだよな。むしろこの内容は甘いんじゃないの、ぐらいに。
それが、4月21日前後からモバイル検索に反映させるとのこと。素早いですね。


「モバイルフレンドリー」だったサイトにも、問題検出のお知らせが


うちで管理させていただいているサイトに2月上旬「モバイル ユーザビリティ上の問題が検出されました」というお知らせが来ていました。

リニューアルさせていただいて、予算の都合上、モバイル対応は最低限のところしかしていませんでした。当初、[モバイルフレンドリーテスト]では、モバイルフレンドリーですと出ていたのです。その後、Googlebotが対応していないところを見つけたということですね。さすがです(笑) 
ただスマホ検索すると、 [スマホ対応] ラベルは付いています。

「モバイル ユーザビリティ上の問題が検出されました」というお知らせが来た時も、そして4月21日ごろから順位に反映するそうですよということも、その都度、クライアントに伝えています。
その都度、どう思うかを聞かれました。制作会社としては、売り上げが上がった方がいいので、もちろん対応する方がいい。でも、その予算がない。
いや、あるない以前に、あまりモバイルを重要視されていないのです。

正直に、 [スマホ対応] ラベルは付いているのだし、最適化したところで、どれで順位が上がるかというと疑問だとお話させていただきました。しばらくして、対応具合がどうランキングに影響するかは不明ですが。

それよりもどういうターゲットで、どういうワードで検索されるかを想定しないと、最適化する意味があまりない。
レスポンシブデザインにして、PCで作っているコンテンツのすべてをスマホで見せたところで、誰も見ないし、たいがいはナビゲーションがユーザーフレンドリーではなくなります。Googleの基準よりも、まずアクセスしてくれる人を大切にしないと。

とまあ、そんな風に書いていると長くなるので、私が思うポイントだけを書いておきます。


ECサイトなら、今すぐに [スマホ対応] すべき


アクセス数だけではなく、今後ますますスマホからの購入が増えるのは間違いないでしょう。ECサイトでは、キーワードを考えることも大切ですが、どんなワードで流入されるかが分かりません。
長時間スマホをいじっている人は、スマホの中で暇つぶしから買い物まで、完結してしまう可能性が高いはずです。

ジェイアール東日本企画から、第一回交通モバイル調査の結果が発表されています。
もちろんJR東日本のハウスエージェンシーですし、交通広告に接触した人が対象ですから、強いバイアスはあると思います。それでも「交通広告接触後に、3割の人が車内で検索、2割がSNSで拡散、商品を購入」というのですから、驚きです。
2015.2.26 交通広告はトレンド情報、モバイルは詳細情報

特に20代男性は、40.7%が「実際に商品を購入した」となっています。


もちろんモバイルで購入したとは限りませんが、情報を調べようと検索したときに出てこなければ機会を失います。ECサイトなら、否応なく対応が必要です。対応はGoogleの指摘通りにやればいいだけです。
それが最低の基準だと思います。


社名やブランド名での検索がほとんどなら、部分的な対応でもOK


すべてのページを対応させるのが、もちろんいい。でも予算が厳しく、あまり振り分けられないのであれば、一部だけの対応でもいいのではないでしょうか。
ECサイトではない、社名やブランド名が知られている、B to Bなどで、スマホから検索される時のキーワードがほぼ特定される場合、Googleが何を言って来ても、必ずしもすべてのページを対応させる必要はないと思います。

たとえば採用活動に力を入れている場合は、PCで出しているリクルート関連の情報を、スマホ用にコンパクトに再編集するなどすればいいのではないでしょうか。レスポンシブではなく、アクセスして来たデバイスによって振り分ければいいだけです。


モバイル ユーザビリティよりも上位に表示される要因もある?


Googleは、ランキング要因に使うと言っているだけです。対応したからといって、一位になるわけではありません。モバイル ユーザビリティとランキングは必要十分条件の関係ではなく、他の要因が強く影響を及ぼすことも考えられます。
現状で見てみましょう。

スマホのGoogle検索で、オーガニックで[表参道 パンケーキ]を検索してみました。結果は下の画像の左側です。


一位は「レインボーパンケーキ」のGoogleマップ/プレイスの情報ですね。Googleプレイスに関しては、何度も書いていますので、そちらをお読みください。
リアル店舗が、Googleの仕組みを知らなかったら困っていた実例

二番目以降には、まとめ、グルメサイト、情報サイトと続きます。6番目にやっと「カフェ・カイラ」が入ります。
そして一位の「レインボーパンケーキ」には詳細まで付いていて、タップすると右の画像のようになります。電話・経路検索・ウェブサイトまで出て来て、口コミ、やっとその下に二番目以降の検索結果が表示されます。口コミは、Googleプレイスです。

仮に、どこのパンケーキ店に行こうと、あらかじめ決めずに原宿駅などに降り立って検索したとしたら、「レインボーパンケーキ」が圧倒的に有利です。

この結果が4月21日以降、どう変わるでしょうか。
私の予想では、「カフェ・カイラ表参道店」が下位にポンと追いやられるぐらいだと思います。「カフェ・カイラ表参道店」はこの時点で [スマホ対応] ラベルが付いていません。
一位は「レインボーパンケーキ」はどうでしょうか。Googleマップ/プレイスの情報が有利なのは、変わりなさそうです。
まとめ、グルメサイト、情報サイトもスマホ対応という要因では、変わらなさそうです。


スマホファーストは、ユーザーファーストの再編集が必要に


Googleの考えるモバイルフレンドリーは、こういうことです。
検索結果をもっとモバイル フレンドリーに

今の段階では、Googleの忠告に従ってモバイル対応しておけば、モバイル検索での順位が下がることはなさそうです。でも上がるのは、きっと別の要因。
また検索ランキングではなく、本当にユーザーのニーズに合致しているかどうか、使われるシーンに向けて作られているかどうかということだって、とても重要です。

上に書いたジェイアール東日本企画の調査結果を信頼するなら、スマホで何でも完結する人が急増しているように思えます。空き時間の奪い合いは、とんでもないことになっているようです。どうせ対応するならPCメインの従来の発想ではなく、スマホファーストで考えるのが当たり前のタイミングだと思います。



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2015年2月26日木曜日

Vineがそろそろブレイクしそうですけど、どうします?




日本において、ここ3カ月間でユーザー数が3倍に増加


TwitterのVineチームが2月25日に来日し、そう明かしたそうです。来日の目的は「ユーザーがどのような活動を行っているのか、どのような使い方をしているのか調べ、プラットフォームに反映させるため」だそうです。
6秒動画の「Vine」、日本のユーザーが3カ月で3倍増の謎、実態調査のためにVineチームが初来日

日本でユーザー数が急激にのびたのは、それは10代の利用が爆発的に増えているから。もうダンソン「呪いをかけてみた」、ラッスンゴレライものがどんどん投稿されています。

もちろん、けみお君や大関れいかさんのような有名人の影響もあるでしょう。けみお君はタレントになっていますし、大関れいかさん森永乳業のキャンペーンに起用されたりしています。
今週火曜日の日テレ『今夜くらべてみました』に出演。番組の中で、Vine動画を作っていました。タレントの所属事務所の関係があるから公開しないだろうなと思っていたら、公開されていました。


10代20代以外では、ほとんど認知されていないVine


こういう風に説明すると、子供向けの悪ふざけでしょ、と思われてしまいそうです。

私は仕事でソーシャルメディアの使い方を聞かれると、B to C企業ならほぼ必ず「Vineも〜」と言い続けていますが、興味を持たれたことがありません。企業の役職者はTwitterでさえ、「何が面白いのかわからない」とおっしゃる方がほとんどです。
Facebookなら多くの方がご自身もやられているので、面白さを理解できる。だけどそれは仕事などのリアルなつながりがベースで、「アクティブユーザーの多くは中高年ですから」と言ってムッとさせています(笑) 


実は今まで「Vineも〜」と言って「やっぱり」という肯定的な返事が帰って来たのは、一度だけ。外国政府の広報関係者でした。1年以上前のことです。同意していただけたのは理由があって、たぶん成功例をご存知だからではないでしょうか。
オバマ大統領が2013年にVineで白血病の少年にメッセージを送ったことが、世界中でニュースになりました。


Vineを有効に使いこなしているオバマ大統領


1歳の時に白血病を発症し、闘病生活を続けているある少年の夢は『バットマンになること』。

そんな少年の夢を叶えるため、ボランティア団体が企画し、サンフランシスコ市長や警察/行政機関まで巻き込み、サンフランシスコをゴッサムシティに変え、少年がバットキッドとして悪党を倒し、街を救うという大プロジェクトが立ち上がりました。
白血病の少年が「バットキッド」に、夢をかなえて大活躍

多くの著名人や市民が少年に応援メッセージを送る中、オバマ大統領もメッセージを送ったのです。


これがもしYouTubeだったら、どうでしょう。ホワイトハウスのアカウントですから、仰々しいオープニング映像が付きそうですね。Vineなら個人的なメッセージに感じられて、人間味があって短くて印象に残ります。
オバマ大統領はアメリカのサッカーチームなどにも、応援メッセージを送っています。

政府関係のコミュニケーションとしては、間違いなく秀逸です。Vineのアカウントを持っている国なんて他にはないかもしれません。The White Houseは今も更新が続いています。ミシェル・オバマさんまで出ていますが、上手いなと思った投稿をご紹介します。



昨年6月に行われたWhite House Maker Faireの様子です。フェアの様子はいくつか投稿されています。3Dプリンターが出力しているところなどもあって、きっとニュースには出てこないレアな映像で、力の入れ具合が力まずに伝わってきます。


スマホが普及すればするほど、Vineが強くなる


コミュニケーションの変遷を考えると、ターゲットの年齢性別に関係なく、動画が早い。スマホが多くなればなるほど、Vineのようなフォーマットが強くなる。
YouTubeはスマホで見るには最適だとは言えない。Facebook動画やGoogle+の動画も、画面が遷移してしまいますし、見るにも、そしてなによりアップロードするのにも重い。
さらにVineは、TwitterやFacebookへの共有が簡単です。共有されたものを見る手軽さは、なにものにも代え難いです。

スマホで撮ることが編集になって、そのままアップロードできるのですから、作る人にとっても、圧倒的な手軽さです。

Vine動画の作り方は、本当に簡単。上に貼った『今夜くらべてみました』での動画は、大関さんが撮影・編集しているプロセスも流していました。大関れいかさんの制作パターンは、数パターンしかなさそうですから、それに当てはめているだけとも言えるでしょう。
それでも面白ければいいということですよね。


そうは言っても企業が使いこなすには、ハードルが高い?


Vineに力を入れている企業をご紹介しましょう。
まずNIKI。フットボールのアカウントを持っています。


そしてバーバリー。


どちらも手間ひまかかっていそうですね。たぶんパソコンで編集したものを、インポートしているのだと思います。
日本ではどうでしょう。 大塚製薬が、面白いことをしています。


『知ったつもりにならないで リアルに体験した方がいい 日本の100』というオロナイン軟膏のキャンペーンをやっていて、そのキャンペーンページに出ている日本の100が、ぜんぶVineなんです。ウェブページの作り方としては、画期的だと思います。
大塚はポカリスウェットでもVineを使ったキャンペーンをしていました。

ただ他の日本企業はというと… NTTドコモやユニクロなどもVineを使っていましたが、去年の半ばで投稿が途絶えています。どうしてでしょうか。


クオリティ基準の上げ過ぎと、共有しない費用対効果の悪さ


ユニクロが去年投稿しているTシャツを作るためのアプリを、6秒で紹介しています。


端的に伝わってくると思うのですが、 19 Likes 4 Revines 2,291 Loopsにしかなっていません。これってCM用を編集した動画だと思います。テレビやYouTubeなど、どこでも見ることができる素材を圧縮して見せたところで、ほとんど価値はありません。
それに、どうもVineの中でしか使われていないようです。Vineの中でユニクロを探してくれる確率は、どう考えてもとても低い。TwitterやFacebook、そしてもちろん自社サイトでもVine動画を貼付けてこそ、意味があるのだと思います。

NTTドコモは、凝ったVine用オリジナルを作って投稿していたみたいです。いやぁ、それはさすがに。


スマホなら、気楽なコミュニケーションで喜んでもらわないと



これは楽天イーグルスの投稿です。


なんと紅白試合の様子をVineにしています。昨年までは特殊効果使ったり、笑わせるような動画を投稿されていましたが、こちらの紅白試合がもっともユーザーの反応がいいみたいです。
そりゃあファンが喜ぶのは、現地に行っていないと見ることができない映像ではないではないでしょうか。キャンプの様子なども、いいかもしれません。


そして私がもっとも上手いなぁと思っているアカウントは、新江ノ島水族館です。
展示している魚やイベントの様子を動画にしています。外の映像は風の音が入ったりしていますが、まったく問題なし。ユーザーの反応だって、とてもいいみたいです。



一番いいのは広報担当者が、こうやって撮影して投稿すること。新江ノ島水族館は週に1度以上は投稿しているようですから、大変ですけど。




すべての業種で、こういうことって可能だと思います。YouTube用に作るよりは、はるかに楽ですし。YouTubeはやはり10代に人気ですが、そのうちインタビューすると長いとか重いとか言われてしまうかもしれません。

そのあたり、棲み分けでしょうか。いぜれにせよ、ひとつのフォーマットやSNSで必要十分な反応が得られるなんて風には、考えない方が無難です。




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2015年2月19日木曜日

話題の[ブルーボトルコーヒー vs ゴリラコーヒー] 対照的なアプローチと拡散の流れ

画像:ゴリラコーヒー入り口付近

話題になっているオープンしたばかりの[ゴリラコーヒー]と[ブルーボトルコーヒー]ですが、そのプロモーション手法やソーシャルメディアでの拡散の流れが面白いなぁと思って見ていました。
そう書いてもゴリラコーヒー/ブルーボトルコーヒーってなんのことだよ、と思われる方が多いでしょう。
そう、フード業界など職業的関心は別ですが、個人的に利用したり話題にしているクラスタが大きく異なっているようです。だから現在のところは、トレンドになりそうな入り口付近。

簡単にご説明します。


ブルックリン発、ガツンとくるコーヒーが飲めるハイエンドコーヒーショップ“ゴリラコーヒー” が渋谷に日本初上陸

画像:ゴリラコーヒーほぼ全景
ゴリラコーヒー公式サイトのブログから抜粋すると、「ブルックリン在住のクリエイターをはじめ、 地域の人々からも愛されているコーヒーが楽しめるほか、 アメリカンテイストあふれるオリジナルメニューが味わえます」ということです。
その日本上陸第一号店は、渋谷。昨年12月26日にプレオープン、そして1月17日にグランドオープン。運営はジャーナルスタンダードなどで知られるベイクルーズ。
シンプルなコーヒーのお値段は270円



シアトル系に続くサードウェーブのシンボル的存在。コーヒー界のアップルとも呼ばれる”ブルーボトルコーヒー”が清澄白河に初出店


ブルーボトルコーヒー公式サイトには、情報が多くありません。日経トレンディの創業者インタビューによると、「すべてコーヒーを丁寧に一杯一杯抽出し、フードも店内のキッチンで作っている」「70%が認定オーガニックコーヒー豆」ということです。
店名は「清澄白川ロースタリー&カフェ」で、焙煎所と一緒になっています。オープン日には、3時間待ちにもなったとか。運営はブルーボトルコーヒージャパン合同会社。ブレンドが450円、シングルオリジンが550円


その他オープンになっている情報を含めて基本的なところをまとめると、こういうことかと思います。

ブルーボトルコーヒー vs ゴリラコーヒー比較表


店舗数からすれば8倍ですから、ブルーボトルコーヒーが圧倒していますが、チェーン店として考えればかなり小さい。それなのになぜ、注目されるのかといえば、ベースにあるのはアメリカの食に対するうねりのようです。



アメリカのコーヒーに代表される価値観の変化


コーヒーだけならサードウェーブ。サードウェーブにはいろいろ解釈があるようですが、第二次世界大戦後のコーヒーの大衆化、シアトル系チェーンの隆盛に続く3番目の波として「豆の産地にこだわり、生産者の顔が見える」「淹れ方にもこだわり、ハンドドリップや水だしをする」という新しいコーヒーカルチャーが支持されはじめたと考えればいいのではないでしょうか。

おいしさだけではなく、言い方を変えると安全性を求めるトレーサビリティ、そしてフェアトレード、エシカルなど新しい価値観ともリンクしているでしょう。またサブプライム・リーマンショック以降のインディペンデントへの流れの象徴的な捉え方として、あたらしいコーヒーショップが位置づけられているようです。


※『ヒップな生活革命』では、ブルックリンのインディペンデントコーヒーショップやポートランドなどアメリカ各地で起こっている変化が紹介されています。
※『2035年の世界』では、サードウェーブのフェアトレード志向や脱チェーンの動きが紹介されています。




ギーク向けから火をつけたブルーボトルコーヒー日本上陸


昨年の6月、WIREDのVol.12号は『コーヒーとチョコレート』という特集でした。私はこの雑誌で初めてブルーボトルコーヒーのことを知りました。表紙は創業者です。

 

たぶん“コーヒー界のアップル”という言い方は、WIREDが最初だと思います。読んでいてどこがアップルなんだろうと思いながらも、TwitterやInstagram、WordPressの創業者などテック業界の大物たちから巨額出資を集めていることに驚きましたし、コーヒー業界に様々なイノベーションが起こっていることも新鮮でした。

WIREDは未来のトレンドを標榜している雑誌ですが、コーヒー業界を取り上げるなら、こういう切り口になるだろうなと思える内容でしたので、さほど違和感はありません。ただその後の展開を見ていると、密接な関係にあるようです。
ブルーボトルコーヒー石渡康嗣 × WIRED編集部が語る「いかにして”コーヒー界のアップル”は生まれたか」というトークイベントを開催したり、Vol.12のブルーボトルコーヒー部分がウェブで公開されています。もしかするとFacebookのファンページも、WIREDが運用しているのかもしれません。

ともあれ、日本におけるブルーボトルコーヒーの話題はここから始まり、方向付けられました。
他では、週刊アスキーPLUSが何度も取り上げていますし、テレビ東京「ガイヤの夜明け」やYahoo!ニュース、BLOGSなどでも扱われています。そうなるとITやウェブ業界、テック好きからビジネスパーソン向けトレンドの印象になりますね。
週刊アスキーPLUSのあたらしい記事では、日本での“コーヒー界のアップル”評に対して、地元オークランドでは聞かない評価だと書いています。



ファッションメディア中心のパブリシティを仕掛けたゴリラコーヒー


私自身はブルーボトルコーヒーに行ったことはありません。わざわざブルーボトルコーヒーのために清澄白河まで行こうなんて、考えもしません。でもゴリラコーヒーは工事中から頻繁に見ていましたし、プレオープンしているときに入ってみました。
ブルーボトルコーヒーはいかにもテック業界の人たちが好みそうな、シンプルな造りです。内装などもアップルではなくGoogleと言っても、なるほどなとなりそうです。でもゴリラコーヒーは何から何まで強烈。工事が始まる前、coming soonというポスターだけがベタベタと貼り出されたときから、いったい何ができるんだと目を引きました。
工事中もまったく外を隠すことなく、開けっぴろげです。

画像:工事中のゴリラコーヒー

電飾が取り付けられている様子も、アメリカのスタッフがやってきてトレーニングしている様子も、通行人にぜんぶ見せています。カッコイイ良かったですし、気になって仕方がありません(笑)
ソーシャルメディアでも投稿する人が出てきます。ツイッターでは、10月14日に写真付きで投稿する人が出てきました。

プレオープン前からネットメディアでは、ファッション系を中心にグルメサイトでも取り上げられました。ファッション系は大手ポータルサイトをはじめ、ELLEやSPURなどのツイッターアカウントも積極的に投稿していましたので、雑誌でも取り上げられていたのではないでしょうか。このあたりはベイクルーズならではだなぁと見ていました。
またグルメサイトも大手だけではなく、スイーツ系サイトでも扱っていました。その発信頻度からすると、完全にプロモーションだと思われます。


両店とも、アプローチする方法も対象もかなり違いますね。その結果どうなったでしょうか。



ゴリラコーヒーは女性客が圧倒的


私が行ったのは1月14日。たまたま通りがかって、プレオープン中に入りました。Google+に投稿しています。
画像:ゴリラコーヒーに関するG+の投稿

どうして女子高校生だと思ったかというと、2階はほぼ満員で私以外は女性ばかり。しかもその多くが勉強していたのです。1階席はというと、ベビーカーのママが大勢。年齢層だと10代20代の女性ばかりだと言っていいでしょう。
私の投稿を見た知り合いから「行ってみたいんだよね」と言われましたが、「おっさんだけで行くのは、やめた方がいい」とアドバイスしておきました。かなり辛いです(笑)

オープン後の現在ではカップルや若い男性も多くなって来ているようですが、Twitterで検索すると、注文したメニュー写真が多く、また自撮りを含めた投稿もあり、キャピキャピしているので、やはり主流は若い女性だと思われます。
またゴリラということで遊んだ投稿も見かけられます。織田信成さんもツイートしています。

入って感心したのは、とにかくイメージ作りが徹底しています。2階は窓際がぐるっと黒いカウンター席になっているのですが、コンセントまで赤。ネーミングやロゴ、内装まで含めて、クリエイティブへの強いこだわりを感じます。



ブルーボトルコーヒーは、行列や待ち時間に関する投稿が圧倒的


Twitterでは、オープン当初はコーヒーやドリップしているところなどの写真もありますが、それよりも外観を含めた行列を撮影した投稿が多いように見受けられました。
東京旅行ガイドのTime Out Tokyoがツイートしていました。


近くに他の目的で行った人や近くに住んでいる人たちも、行列の写真を投稿しています。その他ではまだ行っていない人たちが、ビジネス系やテック系のサイトに掲載された記事をツイートしています。
日経新聞では「若者が並んだ」と書かれていますが、Time Out Tokyoの写真などを見る限りでは、それほど若そうには見えません。

行っていない人たちはネガティブな意見も多く、そのことも相まってブルーボトルコーヒーの話題性を高めているようです。



リーチしている層がハッキリしていることのメリット・デメリット


日経トレンディが選ぶ2013年ヒット商品では、コンビニコーヒーが1位でした。また最近ではセブンイレブンがドーナッツの販売をはじめ、話題になったばかり。
そんな中、アメリカ発の新しいコーヒーショップがどう展開するのでしょう。


ブルーボトルコーヒーは何といっても、まず値段が高い。ブレンド450円、シングルオリジン550円ですから、おいしいコーヒーという以外にどんなユーザー体験があるのでしょう。“コーヒー界のアップル”がキャッチコピーになると、そこが求められます。
“スタバはもう古い”というポジションも、価格差以上の価値を持てるでしょうか。
価格比較をしているブロガーの方がいらっしゃいました。
清澄白河「ブルーボトルコーヒー」メニューと価格比較★

このブログによると、スターバックスやタリーズの約4割増の値段。これまではビジネスパーソン向けのアプローチが主ですが、オフィス街で日常的にリピートされる価格帯ではなく、観光地的な利用のされ方になるのではないでしょうか。
清澄白河のあとが青山、代官山への出店になるのも、うなづけます。



ゴリラコーヒーは、コーヒーが270円からですので、近くにあるドトール系のエクセルシオールカフェより安い。正直、驚きました。たぶん主力のコーヒーではなく、フード、そしてコーヒー関連グッズやアパレルで採算性を高める戦略ではないでしょうか。
となれば若い女性中心の訴求は、適切だと思えます。

強烈なイメージ付けは、ある種テーマパークの中のコーヒーショップのようなもの。家賃からしても、成り立つ街は少なそうです。また朝7時半からという営業時間を考えると、周辺で仕事をしている人たちにも訴求しておかないと。もしかすると渋谷店で大きく成功すれば、ファッションビルなどでスタンド形式の営業展開があるのかもしれません。





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2015年2月12日木曜日

これからのユーザーサポートは、チャットが主流になる予感

画像:スマホでチャットをしようとしているところ



10代のコミュニケーションは、チャットがメイン?


昨年末、知り合いの高校三年生の女の子からメールが来ました。読むとチャットルームへのお誘い。リンクをクリックすると海外のサービスへ… 
いったい、どういうこと? アドレスを語ったスパム? と疑っていたところへ、またメールが。
「間違って送ってしまいました。すみません」という内容。そういうことだよねと納得しながらも、どうしてこの時期にあえてチャットをしているのかが不思議でした。しかもLINEとかではなく、わざわざ海外のサービスを使う意味って、どういうことだろう。
いろいろと聞きたいことはありますが、受験生なので、邪魔しちゃいけないと我慢。

そのときに思ったのは、この子たちの年代にとって、リアルタイムで会話する広義のチャットはごく日常的なことなんだろう。クローズドで、リアルタイムで、声に出さなくてもスマホで会話できるチャットの優位性は高いはず。
むしろ電話やメール、それにSNSもあまり日常的ではないのかもしれません。親がいるSNSなんて、開けっぴろげにやりたくないでしょう。

仕事でやっているツイッターアカウントでも10代や20代とのやりとりは、ほぼチャットのようなスピードになってしまいます。
それでも私自身は、個人的なチャットをした経験はありません。複数社が関与するウェブ関連の仕事では、スタッフや関係者がチャットで打ち合わせすることはごく普通です。でも仕事以外でLINEやFacebookメッセンジャー、Googleハングアウトだって使いたくありません。

やはり世代によるのでしょうか。


「89世代ブロガー」がチャットサポートを激奨


そんなことを思っていたら、今日G+でこんな記事を知りました。
freeeのチャットがヤバい!個人事業主が確定申告の書類作成するならこれでしょ

クラウド会計ソフトのチャットによる相談機能が助けられたと書かれています。この方は1989年生まれですから、20代半ば。きっとチャットに何の抵抗ないでしょう。
読んでいて、これは凄いなあ。ソフトそのものについての相談じゃないのに、チャットで答えてくれるんだと感心しました。会計全般のコンサルみたいなものです。個人事業主なら、使ってみたくなるでしょう。

この記事にはとても共感しました。というのは、私も似たようなことを考えていたのです。税理士事務所との連携のため、うちでもある大手会計ソフトを使っているのですが、ここのユーザーサポートも丁寧です。いや、丁寧すぎるんです。
先日、紙のマニュアルに詳しくはpdf参照と書いてあったので、初めてその製品のウェブサイト内を検索しました。ところがまったくヒットしない。サイトマップを見てみても、なさそうだ。しょうがないので、どこにあるのかとサポートにメールしました。


手取り足取りのサポートを望むか、リアルタイムさを求めるか


返事が返ってきたのですが、これが丁寧な言葉遣い。必要なのは書類は、ソフト内に格納されていたのです。私にとってはかなり意外です。珍しいなと思いました。
通常、パソコンやネット関連の取り扱い説明書等はウェブページになっているか、あるいはウェブページからダウンロードするものだという先入観があったのです。
それならウェブサイトに必要なマニュアル等は、ここにあると書いておいてくれればサポートの方を煩わせなくても済むのに。
あるいはチャットを用意してくれていれば、あっさり終わるのにと思いました。

2時間ほどで返信されてきましたが、それまで作業はストップです。こちらの特異な事情もあります。このソフトはWindows版しかないのですが、うちではMacにインストールして使っているため、使用するには起動ディスクを切り替えて再起動が必要なのです。やるときは集中してやるので、それでも問題ないのですが、問い合わせして作業が中断すると面倒くさいことになります。


サポートはどうだったかとメールが届きます。チャットを用意して欲しいと書こうかと思いましたが、特異な事情があるし、たぶんユーザーの多くはチャットを望まないでしょう。やめておきました。
このソフトの説明は、なんでも懇切丁寧です。ところが自分で探そうとする人には、いろいろと不備があるようにさえ思えるので、そういう設計思想でサポート戦略かと想像したりしています。


究極の質問的な内容がありますが、どういう人に薦めるかによって違ってきますので、答えようがありません。

サポートの人たちがどういう環境で仕事しているのか、それなりに知っているので、できれば電話は避けたい。メールはタイムラグがある。チャットならお互いに気楽なのに、と思いました。
こういう指向性が世代によってどう違うのか、私には確信がありませんが、チャットサポートが便利なのは間違いないでしょう。


ソフトバンクは昨年末から、ウェブサイト内のサポートチャットを開始


大手企業でチャットサポートをしているケースを私はあまり聞いたことがありませんが、ソフトバンクは自社サイト内のサポートチャットを始めています。
お客さまの「困った」にすばやく対応!サポートチャット開始

こんなことが書いてあります。


オペレーターが塞がっているときは、チャットへの誘導が表示されないとのこと。電話して、そのままお待ちくださいというアナウンスが流れて延々と待たされるより、はるかにいいですね。
またこのページでは、パソコンとスマホ利用の際の流れが書いてありますが、考えてみればスマホからの閲覧中こそ、チャットによるサポートが便利ですね。今後どんなサイトでも、ますますスマホからのアクセスが増えるでしょうから、重要度が増すことは確実です。



どころかアメリカでは、リアルタイムビデオチャットが流行り始めているという記事


先月のTechcrunchに、こんな記事が出ています。
カスタマサポートはビデオチャットが何と言っても便利、そのプラットホームLiveNinjaらに続々投資が降り注ぐ

投資うんぬん以前に、ここ。
Kindle Fire HDX上のボタンによる、ちょいと受けねらいの、Amazon Maydayサポートは、すでにおなじみだ。そしてあれ以降、多くのスタートアップが真似をしようとしてきた。銀行や金融サービス、保険、不動産、小売などのサービスは、ビデオを利用するライブの人的サポートが役に立つことが多い。
そうですよねぇ、Amazonがやって話題になるとまるでデファクトスタンダードのように流行することって多いですから、サポートの世界では日本でもやり始めるところが増えるかもしれません。
ただ日本ではビデオチャットによるサポートまでは、なかなか行かないように思います。自撮り・セルフィーが流行し始めたとはいえ、サポートで顔を出すのは、する側にとってもされる側にとってもストレスが大きいでしょう。流行るにしても前段階としてアバターがあるかもしれません。

可能性としては、ファイナンシャル・プランナーと契約している個人の人に対してのサービスとしてビデオチャットによるサポートならありでしょう。契約している顧客と顔をつきあわせてやる打ち合わせの代用に、機会を増やすためにという方向なら、すぐにでも出てきそうです。



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