10代のコミュニケーションは、チャットがメイン?
昨年末、知り合いの高校三年生の女の子からメールが来ました。読むとチャットルームへのお誘い。リンクをクリックすると海外のサービスへ…
いったい、どういうこと? アドレスを語ったスパム? と疑っていたところへ、またメールが。
「間違って送ってしまいました。すみません」という内容。そういうことだよねと納得しながらも、どうしてこの時期にあえてチャットをしているのかが不思議でした。しかもLINEとかではなく、わざわざ海外のサービスを使う意味って、どういうことだろう。
いろいろと聞きたいことはありますが、受験生なので、邪魔しちゃいけないと我慢。
そのときに思ったのは、この子たちの年代にとって、リアルタイムで会話する広義のチャットはごく日常的なことなんだろう。クローズドで、リアルタイムで、声に出さなくてもスマホで会話できるチャットの優位性は高いはず。
むしろ電話やメール、それにSNSもあまり日常的ではないのかもしれません。親がいるSNSなんて、開けっぴろげにやりたくないでしょう。
仕事でやっているツイッターアカウントでも10代や20代とのやりとりは、ほぼチャットのようなスピードになってしまいます。
それでも私自身は、個人的なチャットをした経験はありません。複数社が関与するウェブ関連の仕事では、スタッフや関係者がチャットで打ち合わせすることはごく普通です。でも仕事以外でLINEやFacebookメッセンジャー、Googleハングアウトだって使いたくありません。
やはり世代によるのでしょうか。
「89世代ブロガー」がチャットサポートを激奨
そんなことを思っていたら、今日G+でこんな記事を知りました。
freeeのチャットがヤバい!個人事業主が確定申告の書類作成するならこれでしょ
クラウド会計ソフトのチャットによる相談機能が助けられたと書かれています。この方は1989年生まれですから、20代半ば。きっとチャットに何の抵抗ないでしょう。
読んでいて、これは凄いなあ。ソフトそのものについての相談じゃないのに、チャットで答えてくれるんだと感心しました。会計全般のコンサルみたいなものです。個人事業主なら、使ってみたくなるでしょう。
この記事にはとても共感しました。というのは、私も似たようなことを考えていたのです。税理士事務所との連携のため、うちでもある大手会計ソフトを使っているのですが、ここのユーザーサポートも丁寧です。いや、丁寧すぎるんです。
先日、紙のマニュアルに詳しくはpdf参照と書いてあったので、初めてその製品のウェブサイト内を検索しました。ところがまったくヒットしない。サイトマップを見てみても、なさそうだ。しょうがないので、どこにあるのかとサポートにメールしました。
手取り足取りのサポートを望むか、リアルタイムさを求めるか
返事が返ってきたのですが、これが丁寧な言葉遣い。必要なのは書類は、ソフト内に格納されていたのです。私にとってはかなり意外です。珍しいなと思いました。
通常、パソコンやネット関連の取り扱い説明書等はウェブページになっているか、あるいはウェブページからダウンロードするものだという先入観があったのです。
それならウェブサイトに必要なマニュアル等は、ここにあると書いておいてくれればサポートの方を煩わせなくても済むのに。
あるいはチャットを用意してくれていれば、あっさり終わるのにと思いました。
2時間ほどで返信されてきましたが、それまで作業はストップです。こちらの特異な事情もあります。このソフトはWindows版しかないのですが、うちではMacにインストールして使っているため、使用するには起動ディスクを切り替えて再起動が必要なのです。やるときは集中してやるので、それでも問題ないのですが、問い合わせして作業が中断すると面倒くさいことになります。
サポートはどうだったかとメールが届きます。チャットを用意して欲しいと書こうかと思いましたが、特異な事情があるし、たぶんユーザーの多くはチャットを望まないでしょう。やめておきました。
このソフトの説明は、なんでも懇切丁寧です。ところが自分で探そうとする人には、いろいろと不備があるようにさえ思えるので、そういう設計思想でサポート戦略かと想像したりしています。
究極の質問的な内容がありますが、どういう人に薦めるかによって違ってきますので、答えようがありません。
こういう指向性が世代によってどう違うのか、私には確信がありませんが、チャットサポートが便利なのは間違いないでしょう。
ソフトバンクは昨年末から、ウェブサイト内のサポートチャットを開始
大手企業でチャットサポートをしているケースを私はあまり聞いたことがありませんが、ソフトバンクは自社サイト内のサポートチャットを始めています。
お客さまの「困った」にすばやく対応!サポートチャット開始
こんなことが書いてあります。
オペレーターが塞がっているときは、チャットへの誘導が表示されないとのこと。電話して、そのままお待ちくださいというアナウンスが流れて延々と待たされるより、はるかにいいですね。
またこのページでは、パソコンとスマホ利用の際の流れが書いてありますが、考えてみればスマホからの閲覧中こそ、チャットによるサポートが便利ですね。今後どんなサイトでも、ますますスマホからのアクセスが増えるでしょうから、重要度が増すことは確実です。
どころかアメリカでは、リアルタイムビデオチャットが流行り始めているという記事
先月のTechcrunchに、こんな記事が出ています。
カスタマサポートはビデオチャットが何と言っても便利、そのプラットホームLiveNinjaらに続々投資が降り注ぐ
投資うんぬん以前に、ここ。
Kindle Fire HDX上のボタンによる、ちょいと受けねらいの、Amazon Maydayサポートは、すでにおなじみだ。そしてあれ以降、多くのスタートアップが真似をしようとしてきた。銀行や金融サービス、保険、不動産、小売などのサービスは、ビデオを利用するライブの人的サポートが役に立つことが多い。そうですよねぇ、Amazonがやって話題になるとまるでデファクトスタンダードのように流行することって多いですから、サポートの世界では日本でもやり始めるところが増えるかもしれません。
ただ日本ではビデオチャットによるサポートまでは、なかなか行かないように思います。自撮り・セルフィーが流行し始めたとはいえ、サポートで顔を出すのは、する側にとってもされる側にとってもストレスが大きいでしょう。流行るにしても前段階としてアバターがあるかもしれません。
可能性としては、ファイナンシャル・プランナーと契約している個人の人に対してのサービスとしてビデオチャットによるサポートならありでしょう。契約している顧客と顔をつきあわせてやる打ち合わせの代用に、機会を増やすためにという方向なら、すぐにでも出てきそうです。
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