2015年2月26日木曜日

Vineがそろそろブレイクしそうですけど、どうします?




日本において、ここ3カ月間でユーザー数が3倍に増加


TwitterのVineチームが2月25日に来日し、そう明かしたそうです。来日の目的は「ユーザーがどのような活動を行っているのか、どのような使い方をしているのか調べ、プラットフォームに反映させるため」だそうです。
6秒動画の「Vine」、日本のユーザーが3カ月で3倍増の謎、実態調査のためにVineチームが初来日

日本でユーザー数が急激にのびたのは、それは10代の利用が爆発的に増えているから。もうダンソン「呪いをかけてみた」、ラッスンゴレライものがどんどん投稿されています。

もちろん、けみお君や大関れいかさんのような有名人の影響もあるでしょう。けみお君はタレントになっていますし、大関れいかさん森永乳業のキャンペーンに起用されたりしています。
今週火曜日の日テレ『今夜くらべてみました』に出演。番組の中で、Vine動画を作っていました。タレントの所属事務所の関係があるから公開しないだろうなと思っていたら、公開されていました。


10代20代以外では、ほとんど認知されていないVine


こういう風に説明すると、子供向けの悪ふざけでしょ、と思われてしまいそうです。

私は仕事でソーシャルメディアの使い方を聞かれると、B to C企業ならほぼ必ず「Vineも〜」と言い続けていますが、興味を持たれたことがありません。企業の役職者はTwitterでさえ、「何が面白いのかわからない」とおっしゃる方がほとんどです。
Facebookなら多くの方がご自身もやられているので、面白さを理解できる。だけどそれは仕事などのリアルなつながりがベースで、「アクティブユーザーの多くは中高年ですから」と言ってムッとさせています(笑) 


実は今まで「Vineも〜」と言って「やっぱり」という肯定的な返事が帰って来たのは、一度だけ。外国政府の広報関係者でした。1年以上前のことです。同意していただけたのは理由があって、たぶん成功例をご存知だからではないでしょうか。
オバマ大統領が2013年にVineで白血病の少年にメッセージを送ったことが、世界中でニュースになりました。


Vineを有効に使いこなしているオバマ大統領


1歳の時に白血病を発症し、闘病生活を続けているある少年の夢は『バットマンになること』。

そんな少年の夢を叶えるため、ボランティア団体が企画し、サンフランシスコ市長や警察/行政機関まで巻き込み、サンフランシスコをゴッサムシティに変え、少年がバットキッドとして悪党を倒し、街を救うという大プロジェクトが立ち上がりました。
白血病の少年が「バットキッド」に、夢をかなえて大活躍

多くの著名人や市民が少年に応援メッセージを送る中、オバマ大統領もメッセージを送ったのです。


これがもしYouTubeだったら、どうでしょう。ホワイトハウスのアカウントですから、仰々しいオープニング映像が付きそうですね。Vineなら個人的なメッセージに感じられて、人間味があって短くて印象に残ります。
オバマ大統領はアメリカのサッカーチームなどにも、応援メッセージを送っています。

政府関係のコミュニケーションとしては、間違いなく秀逸です。Vineのアカウントを持っている国なんて他にはないかもしれません。The White Houseは今も更新が続いています。ミシェル・オバマさんまで出ていますが、上手いなと思った投稿をご紹介します。



昨年6月に行われたWhite House Maker Faireの様子です。フェアの様子はいくつか投稿されています。3Dプリンターが出力しているところなどもあって、きっとニュースには出てこないレアな映像で、力の入れ具合が力まずに伝わってきます。


スマホが普及すればするほど、Vineが強くなる


コミュニケーションの変遷を考えると、ターゲットの年齢性別に関係なく、動画が早い。スマホが多くなればなるほど、Vineのようなフォーマットが強くなる。
YouTubeはスマホで見るには最適だとは言えない。Facebook動画やGoogle+の動画も、画面が遷移してしまいますし、見るにも、そしてなによりアップロードするのにも重い。
さらにVineは、TwitterやFacebookへの共有が簡単です。共有されたものを見る手軽さは、なにものにも代え難いです。

スマホで撮ることが編集になって、そのままアップロードできるのですから、作る人にとっても、圧倒的な手軽さです。

Vine動画の作り方は、本当に簡単。上に貼った『今夜くらべてみました』での動画は、大関さんが撮影・編集しているプロセスも流していました。大関れいかさんの制作パターンは、数パターンしかなさそうですから、それに当てはめているだけとも言えるでしょう。
それでも面白ければいいということですよね。


そうは言っても企業が使いこなすには、ハードルが高い?


Vineに力を入れている企業をご紹介しましょう。
まずNIKI。フットボールのアカウントを持っています。


そしてバーバリー。


どちらも手間ひまかかっていそうですね。たぶんパソコンで編集したものを、インポートしているのだと思います。
日本ではどうでしょう。 大塚製薬が、面白いことをしています。


『知ったつもりにならないで リアルに体験した方がいい 日本の100』というオロナイン軟膏のキャンペーンをやっていて、そのキャンペーンページに出ている日本の100が、ぜんぶVineなんです。ウェブページの作り方としては、画期的だと思います。
大塚はポカリスウェットでもVineを使ったキャンペーンをしていました。

ただ他の日本企業はというと… NTTドコモやユニクロなどもVineを使っていましたが、去年の半ばで投稿が途絶えています。どうしてでしょうか。


クオリティ基準の上げ過ぎと、共有しない費用対効果の悪さ


ユニクロが去年投稿しているTシャツを作るためのアプリを、6秒で紹介しています。


端的に伝わってくると思うのですが、 19 Likes 4 Revines 2,291 Loopsにしかなっていません。これってCM用を編集した動画だと思います。テレビやYouTubeなど、どこでも見ることができる素材を圧縮して見せたところで、ほとんど価値はありません。
それに、どうもVineの中でしか使われていないようです。Vineの中でユニクロを探してくれる確率は、どう考えてもとても低い。TwitterやFacebook、そしてもちろん自社サイトでもVine動画を貼付けてこそ、意味があるのだと思います。

NTTドコモは、凝ったVine用オリジナルを作って投稿していたみたいです。いやぁ、それはさすがに。


スマホなら、気楽なコミュニケーションで喜んでもらわないと



これは楽天イーグルスの投稿です。


なんと紅白試合の様子をVineにしています。昨年までは特殊効果使ったり、笑わせるような動画を投稿されていましたが、こちらの紅白試合がもっともユーザーの反応がいいみたいです。
そりゃあファンが喜ぶのは、現地に行っていないと見ることができない映像ではないではないでしょうか。キャンプの様子なども、いいかもしれません。


そして私がもっとも上手いなぁと思っているアカウントは、新江ノ島水族館です。
展示している魚やイベントの様子を動画にしています。外の映像は風の音が入ったりしていますが、まったく問題なし。ユーザーの反応だって、とてもいいみたいです。



一番いいのは広報担当者が、こうやって撮影して投稿すること。新江ノ島水族館は週に1度以上は投稿しているようですから、大変ですけど。




すべての業種で、こういうことって可能だと思います。YouTube用に作るよりは、はるかに楽ですし。YouTubeはやはり10代に人気ですが、そのうちインタビューすると長いとか重いとか言われてしまうかもしれません。

そのあたり、棲み分けでしょうか。いぜれにせよ、ひとつのフォーマットやSNSで必要十分な反応が得られるなんて風には、考えない方が無難です。




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