2015年3月6日金曜日

スマホ対応したら、どの程度順位が上がるのか、まずそこ


2月下旬、「Googleがスマホ対応しているかどうかをモバイル検索のランキング要因として使用することを発表。4月21日からの導入予定」という話題が出て以来、さまざまなウェブ系のサイトで、どうするのかという記事が出ています。
最初に出されたのは、たぶんこちら。
海外SEO情報ブログ

昨年11月19日、Googleが「モバイル版の検索結果に [スマホ対応] というラベルをつける」と公表した日、帰宅する電車の中で[モバイルフレンドリーテスト]をさんざんやって、すぐブログに書きました。
Googleの[モバイルフレンドリーテスト]をやりまくって理解したこと

この時は、Googleのいうモバイルフレンドリーは常識的なところだよな。むしろこの内容は甘いんじゃないの、ぐらいに。
それが、4月21日前後からモバイル検索に反映させるとのこと。素早いですね。


「モバイルフレンドリー」だったサイトにも、問題検出のお知らせが


うちで管理させていただいているサイトに2月上旬「モバイル ユーザビリティ上の問題が検出されました」というお知らせが来ていました。

リニューアルさせていただいて、予算の都合上、モバイル対応は最低限のところしかしていませんでした。当初、[モバイルフレンドリーテスト]では、モバイルフレンドリーですと出ていたのです。その後、Googlebotが対応していないところを見つけたということですね。さすがです(笑) 
ただスマホ検索すると、 [スマホ対応] ラベルは付いています。

「モバイル ユーザビリティ上の問題が検出されました」というお知らせが来た時も、そして4月21日ごろから順位に反映するそうですよということも、その都度、クライアントに伝えています。
その都度、どう思うかを聞かれました。制作会社としては、売り上げが上がった方がいいので、もちろん対応する方がいい。でも、その予算がない。
いや、あるない以前に、あまりモバイルを重要視されていないのです。

正直に、 [スマホ対応] ラベルは付いているのだし、最適化したところで、どれで順位が上がるかというと疑問だとお話させていただきました。しばらくして、対応具合がどうランキングに影響するかは不明ですが。

それよりもどういうターゲットで、どういうワードで検索されるかを想定しないと、最適化する意味があまりない。
レスポンシブデザインにして、PCで作っているコンテンツのすべてをスマホで見せたところで、誰も見ないし、たいがいはナビゲーションがユーザーフレンドリーではなくなります。Googleの基準よりも、まずアクセスしてくれる人を大切にしないと。

とまあ、そんな風に書いていると長くなるので、私が思うポイントだけを書いておきます。


ECサイトなら、今すぐに [スマホ対応] すべき


アクセス数だけではなく、今後ますますスマホからの購入が増えるのは間違いないでしょう。ECサイトでは、キーワードを考えることも大切ですが、どんなワードで流入されるかが分かりません。
長時間スマホをいじっている人は、スマホの中で暇つぶしから買い物まで、完結してしまう可能性が高いはずです。

ジェイアール東日本企画から、第一回交通モバイル調査の結果が発表されています。
もちろんJR東日本のハウスエージェンシーですし、交通広告に接触した人が対象ですから、強いバイアスはあると思います。それでも「交通広告接触後に、3割の人が車内で検索、2割がSNSで拡散、商品を購入」というのですから、驚きです。
2015.2.26 交通広告はトレンド情報、モバイルは詳細情報

特に20代男性は、40.7%が「実際に商品を購入した」となっています。


もちろんモバイルで購入したとは限りませんが、情報を調べようと検索したときに出てこなければ機会を失います。ECサイトなら、否応なく対応が必要です。対応はGoogleの指摘通りにやればいいだけです。
それが最低の基準だと思います。


社名やブランド名での検索がほとんどなら、部分的な対応でもOK


すべてのページを対応させるのが、もちろんいい。でも予算が厳しく、あまり振り分けられないのであれば、一部だけの対応でもいいのではないでしょうか。
ECサイトではない、社名やブランド名が知られている、B to Bなどで、スマホから検索される時のキーワードがほぼ特定される場合、Googleが何を言って来ても、必ずしもすべてのページを対応させる必要はないと思います。

たとえば採用活動に力を入れている場合は、PCで出しているリクルート関連の情報を、スマホ用にコンパクトに再編集するなどすればいいのではないでしょうか。レスポンシブではなく、アクセスして来たデバイスによって振り分ければいいだけです。


モバイル ユーザビリティよりも上位に表示される要因もある?


Googleは、ランキング要因に使うと言っているだけです。対応したからといって、一位になるわけではありません。モバイル ユーザビリティとランキングは必要十分条件の関係ではなく、他の要因が強く影響を及ぼすことも考えられます。
現状で見てみましょう。

スマホのGoogle検索で、オーガニックで[表参道 パンケーキ]を検索してみました。結果は下の画像の左側です。


一位は「レインボーパンケーキ」のGoogleマップ/プレイスの情報ですね。Googleプレイスに関しては、何度も書いていますので、そちらをお読みください。
リアル店舗が、Googleの仕組みを知らなかったら困っていた実例

二番目以降には、まとめ、グルメサイト、情報サイトと続きます。6番目にやっと「カフェ・カイラ」が入ります。
そして一位の「レインボーパンケーキ」には詳細まで付いていて、タップすると右の画像のようになります。電話・経路検索・ウェブサイトまで出て来て、口コミ、やっとその下に二番目以降の検索結果が表示されます。口コミは、Googleプレイスです。

仮に、どこのパンケーキ店に行こうと、あらかじめ決めずに原宿駅などに降り立って検索したとしたら、「レインボーパンケーキ」が圧倒的に有利です。

この結果が4月21日以降、どう変わるでしょうか。
私の予想では、「カフェ・カイラ表参道店」が下位にポンと追いやられるぐらいだと思います。「カフェ・カイラ表参道店」はこの時点で [スマホ対応] ラベルが付いていません。
一位は「レインボーパンケーキ」はどうでしょうか。Googleマップ/プレイスの情報が有利なのは、変わりなさそうです。
まとめ、グルメサイト、情報サイトもスマホ対応という要因では、変わらなさそうです。


スマホファーストは、ユーザーファーストの再編集が必要に


Googleの考えるモバイルフレンドリーは、こういうことです。
検索結果をもっとモバイル フレンドリーに

今の段階では、Googleの忠告に従ってモバイル対応しておけば、モバイル検索での順位が下がることはなさそうです。でも上がるのは、きっと別の要因。
また検索ランキングではなく、本当にユーザーのニーズに合致しているかどうか、使われるシーンに向けて作られているかどうかということだって、とても重要です。

上に書いたジェイアール東日本企画の調査結果を信頼するなら、スマホで何でも完結する人が急増しているように思えます。空き時間の奪い合いは、とんでもないことになっているようです。どうせ対応するならPCメインの従来の発想ではなく、スマホファーストで考えるのが当たり前のタイミングだと思います。



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