2014年6月12日木曜日

Googleは見ている。あら、どこを見てる?

先に書いた「YouTubeと音楽プロモーションのトレンドと著作権」では、主題じゃないですけど、YouToube(= Google)は音を聴いていることが前提です。契約している音楽かどうかを、チェックして対処しているはずですから。
それでは画像はどうでしょうか。


◎Googleマップのストリートビューで、ぼかしているもの、いないもの


Googleは、Googleマップの[プライバシーとセキュリティ]で、「ストリートビューは一般的に立ち入れる場所で撮影しています」「顔やナンバープレートはぼかし処理されます」と書いています。


さらに、問題がある場合は、特定の画像の追加ぼかし処理を依頼する/公開に適さない画像を報告することができますと書いてあります。


ストリートビューカーで撮影された画像は、たぶん自動でつながれ、顔やナンバープレートも機械的に検出され、ぼかしがかけられているのでしょう。
そのアルゴリズムは、どうなっているのでしょうね。今のところ、それほど精度が高くないようですが、基準がわからなくて、なかなか面白いです。


渋谷駅前から、公園通りをストリートビューで上がってみました。
(いずれも昨年6月の撮影になっています。以下はすべて画面のスクリーンショットです。@Google Map)

ハチ公前スクランブル交差点


JR駅の看板、本田選手のミンティアの広告だと思いますが、ぼかしのかかっている本田選手と、かかっていない本田選手がいます。謎です(笑)
その上にソフトバンクの香川選手は、ぼかしがかかっています。
それにしても原寸では、巨大な顔。プライバシーの問題はないですよね。肖像権とかCM契約上の期限などへの配慮なんでしょうか。

それからもうひとつ。109MENSのビジョンに「問題」と書かれています。なんでしょう(笑)


ZARAのビルボード









KFC/カーネルサンダースのロゴ









韓国のバンドFTISLANDのビルボードカー









EXILEのビルボードカー

消されている人といない人の差が、わからないですよね。サングラスしているから、本人特定されない、プライバシーの配慮をする必要がないとか(笑) ふたりは完全に見えちゃってますし。


ユナイテッドアローズ BEAUTY & YOUTHのイラスト


これは処理されてないんですよね。カーネルサンダースとの差が不明です。






スターバックスコーヒーのロゴ

スタバは駅前Q-Frontのお店のロゴも、ぼかしが入っていました。お店からすれば、ロゴをぼかさないでくれと言いたいところでしょうけど、「ぼかすな」という申請はできないようです。


◎Google + で共有するときにも、画像をチェックしている


この「YouTubeと音楽プロモーションのトレンドと著作権」を、Google + で共有するときのこと。
こちらの画像なら、Google +にそのまま表示できました。


でも、この画像だと引用されません。



差はなんでしょうか。どちらもYouTube動画からのスクリーンショットです。
差は、YouTubeの再生ボタンが入っているかどうかでした。スクリーンショットを撮って使うこと自体、著作権上は微妙だと思いますが、引用元をはっきりさせていれば、メジャーなウェブマガジン等でも行なわれています。


Googleのロゴでやってみましょう。


この段階でいったん公開して、Google +に共有しようとすると、使った画像を選べるようになっていて、ページの上から画像を送りながら選択するのですが、一番最後がこちら。YouTubeの再生ボタンが入っているもの、そしてGoogleのロゴは弾かれてしまいます。




大したことじゃないですが、Google関連の画像をちゃんと識別しているのですね。関連の画像に関しては、かなりの精度かもしれません。
どなたかOGPタグを使って、ウェブページでやってみていただけると、発見があるかもしれません。


[Google使用許諾]というページがあり、そこにはこう書かれています。

Google では、Google ブランドの評判を守ることに力を注いでおり、Google の「ブランド」(商標、ロゴ、ウェブページ、スクリーンショット、および識別力を有するその他の要素を含む法律用語)がどのように使用されるかに多大な注意を払っています。いずれのブランドも改変、編集、または虚偽表示することは一切認められません。

またページ内の[Google のロゴまたはスクリーンショット]という項目があるのですが、ロゴに関してはホリデーロゴのことしか書いてありません。
さらに[その他のブランド]というタブがあり、YouTubeを調べようとクリックすると、ページが存在しません(笑)


使っていて不都合があるわけではありませんが、すでに大量の画像の中に含まれるものを検出する能力を持っているのだなというところが、今回の記事のポイントです。

これから検索に影響が出てくる可能性だって、なくはないかもです。




◎エリック・シュミット会長初の著書『第五の権力』には、こう書いてある


初の著書といっても共著ですし、書いてあることはGoogleが予測している未来について。しかも、つながりっぱなしの世界のリスクについての警告的にも受け取れる内容。




「アイデンティティ、報道、プライバシーの未来」という章の「“グーグルグラス”で安心を身につける!?」という節には、こんな恐ろしいことが書かれています。

宗教警察やおとり捜査官が公共の場を見回るような国では、周りの状況をすばやく察知し、正確に判断できるかが、市民に取っての死活問題になる。そこでウェアラブル技術の開発者は、目立たない腕時計を設計し、政府の工作員を発見した人が、周囲の人に警告のパルスを送れるようにする。

グーグルグラスは市民より、監視する国家の方が大量に買えるんだから、両者に買わせるつもりなのかもしれません(笑) 
顔認証技術と、そこからの検索技術は、すでに実用化寸前の精度だと言いたいのでしょう。現実には、すでにシカゴでは顔認証分析を使って列車強盗が逮捕され、裁判を受けているといいいますし。
顔認証分析、はじめて列車強盗を逮捕する


もしそうだとすれば、ストリートビューはますます不思議で、なかなか笑えます。




サブタイトルは「Googleには見えている未来」ということですが、こういうことが見えているなら、もう少しリスクを減らす方向に技術を使えないものかと思ってしまいます。
大方の未来学者にとっても、そんなに異論のない内容でしょうね。



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2014年6月3日火曜日

YouTubeと音楽プロモーションのトレンドと著作権




知り合いの女性から「友だちの披露宴でフラッシュモブをやることになってて、それで私も踊るから、毎晩練習してるけど大変」という話を聞きました。
それは、大変。なんでも言い出したのが新婦で、最後に本人も登場して踊るんだそうです(笑)

そう、フラッシュモブで踊る、披露宴でのサプライズが増えているみたいです。



◎披露宴サプライズは、One Direction 『What makes you beautiful』が定番?



こちらは下のリンクから、YouTubeに飛んでご覧ください。















これは新郎側からのウェディングソングということでしょうね。

突然こんなことが始まったら、驚きますよね。
披露宴でフラッシュモブの企画運営を請け負う会社も増えていて、リンクの動画もそういう会社が公開したものです。

だけど、著作権は大丈夫なんでしょうか。YouTubeにはけっこうあがっていますが、心配になります。実はブログに上の動画、One Direction の「What makes you beautiful」を使った披露宴の動画を貼付けて再生しようとすると、再生できないようになっています。YouTube上なら、見ることができる。そういうところで、回避しているんでしょうね。
ああ、メンドクサイ(笑)



◎『アナと雪の女王』から「とびら開けて」の口パクが流行中!



『アナと雪の女王』といえば映画は大ヒット、挿入歌では「Let It Go」が大ヒット中ですが、なぜだかYouTubeには、世界中から口パクの「とびら開けて」が続々と公開されています。




カップルや仲のいい夫婦ばかりで、少しムッとしますけれども(笑)

それにしてもディズニーは、いったいどうしたんでしょう。『アナと雪の女王』以前は、そんなにオープンにしていた印象がないのですが。
東京ディズニーランドは、地元の商店などの「ディズニーランドのお帰りは、○○へ」という看板やのぼりなども認めず、テキ屋の「ミツキーまんじゅう」さえ排除しました。
日本へ初めて、商標権や著作権、そしてイメージの徹底したマネジメントを持ち込んだ企業だと思います。

『アナと雪の女王』は、音楽に関してはかなりのオープン戦略。『アナと雪の女王』は、映画だけじゃなく、シンデレラ城のプロジェクションマッピングにまで登場するとか。周辺のコンテンツも含めて、これだけ大ヒットしている重要な要因のひとつでしょう。



◎ファレル・ウィリアムス 『happy』ダンスカバーは、日本でも流行の兆し


ヨーロッパから中東からアジアから、世界中から信じられないほどの本数のダンスカバー動画が公開されています。日本では10本、20本程度だったのですが、このところ急に増えてきたようです。これからも続々と登場するかもしれません。

最近海外では、学校がプロモーションのために作っていたりします。



貧困家庭の子供たちを救うための学校のようです。楽しげで力強い。
ただ踊りたいから踊ってみましたという作品がほとんどだったところから、観光目的やこんな風に学校のPRまで、多様化しています。



こちらは、日本もの。Happy from Harajukuです。



著名な方々が、大勢出ています。


そして最近出たのが、なんと阿波踊りバージョン。



5月14日の公開になっています。タイトルがTokushima Japanですし、出てくるメッセージからして海外向け。観光に来てくださいねということなんでしょうね。
最後に画面上にVisit JapanのURLが出てくるので、あ、観光庁がやっているんだなということが分かります。それにしてもリンクの導線がまったくなく、作っただけで放ったらかしのお役所仕事ですね。せめて、ここにリンクさせないと。
訪日観光の三つの価値イメージ映像

しかし観光庁が使っているぐらいだから『Happy』の関係権利者の許諾を得ているということなんでしょう。

追記 Tokushima Japanの動画は「国土交通省 観光庁から著作権侵害の申し立てがあったため、削除されました」と出るようになりました。もしかすると、誰かがVisit Japanの動画をダウンロードし、音だけ『Happy』に差し替えて公開したのかもしれません。
うかつなことにアカウントを確認していなかったので、今となっては確認のしようがありませんが。Tokushima Japanは、完全に「訪日観光の三つの価値イメージ映像」と同じで、それより長い素材を使っていました。Visit Japanにそんなに長い阿波踊りの映像は出てこないのですが…



Happy from Harajukuの制作会社のFacebookには、こんな投稿が出ていました。

画像:フェイスブックの投稿


何日かで解除されたようですが、著作権侵害ということはレコード会社かどこかの権利者が、YouTubeに抗議したのでしょうか。



ちなみにYouTubeでは[著作権センター]というページがあり、著作権侵害などの申し立て等がフォームから簡単に行なえるようになっています。
虚偽の通報をした場合、法的な問題だけではなく、アカウントが停止されるそうです。Googleのアカウントですから、停止されるとかなりのダメージです。

画像:YouTube著作権センターのスクリーンショット



『Happy』のレコード会社は、ソニー。YouTube(というよりGoogleでしょう)はソニーミュージック、ワーナーミュージック、ユニバーサルミュージックの3大メジャーレコード会社とは、ライセンス契約を結んでいて、YouTubeクリエーターがある楽曲のカバーをアップロードした場合、そこに広告を出せるとか、いろいろ権利者がマネタイズでき、クリエーターも潤う仕組みのようです。
ただ詳しいアナウンスはないようですし、3大メジャーの曲であればなんでも大丈夫かというとそんなことはないみたいです。

たとえば『Happy』の公式MVはYouTube上では見ることが出来ますが、ブログ会社やウェブマガジン等によって貼付けても再生できるものと、再生できないものを区別しているようです。BloggerはGoogleなので当然可能。

だと思ったらダメでした(笑) 実はOne Directionも、SMEソニーなんです。
どこのブログが良くて、どこのブログがダメなのか。そんなことどこにも書いてないですし、曲によっては、YouTube上でも「お住まいの国では再生が許可されていません」なんてメッセージが出ることもありますし、詳しいことはまったく不明です。

YouTubeがソニーなどとコンテンツ契約を結んだのは、Googleに買収される以前、2006年のことです。それ以降、私の知る限り、詳しい情報は出ていません。



◎ファレルは、カバーされることで大ヒットメーカーになった


たぶんファレルが世界的に知られるようになったのは、ダフトパンクの『Get Lucky ft. Pharrell Williams』。この『Get Lucky』が、ありとあらゆるジャンルのミュージシャンや一般からカバーされ、YouTubeで公開されていました。
私もこんな記事を書きました。
ダフトパンクの新譜を買うまでと、ソーシャルメディアの関係


カバーで最も知られたもののひとつが、これでしょう。なぜかロシアの警察が歌っています(笑) テレビに出演したものやスタジアムで歌っているものまであります。




サックスものも、いくつかあります。



歌なしなので、ファレルの知名度に貢献したかどうかは不明です。
だけど『Get Lucky』を有名にしたのは間違いないし、テクノ・エレクトロニカやファンクに興味のない人、普段情報さえ届かない人たちにまで広く知らしめる効果があったのは、間違いないと思います。



著作権でガチガチに縛るより、こうやっていろんな意味でのカバーが広がることでレコード会社もアーティストも潤う時代になっているのかもしれません。それに、カバーした映像をアップロードする人たちも大きなメリットがあるのは、間違いないでしょうね。
削除依頼を出すよりも、使ってもらえるネタ・素材を提供するというスタンスが良さそうです。


クリエイティブ・コモンズも知的所有権法や著作権法が障害になるような、法的問題を回避することが基本的な目的になっていますが、今回取り上げたようなダイナミズムはなさそうです。
今回取り上げているのは、面白がってカバーされることが原動力。ですよね、きっと。


逆に、無条件に使わせない、あるいは隠すということをすると逆効果かもです。
視点がちがいますけど、過去にこんな記事を書いています。
「OPEN」とストライサンド効果


あたらしく、こんな記事も書きました。
YouTube周辺の著作権をめぐる、やっかいで危険な徴候 2014年11月11日




2014年5月29日木曜日

ワールドカップ2014、渋谷では前哨戦が始まっている

ワールドカップ ブラジル大会の、予選は6月中旬から。日本代表 vs コスタリカ代表の前哨戦は6月2日。渋谷の街では、今週半ばになって、夜にはサムライブルーのTシャツを着た人を見かけるようになった程度です。

でもワールドカップに関連する企業プロモーションは、かなり熱を帯びてきましたよ。



◎マクドナルドは、5月27日からワールドカップメニューを投入


さすがにFIFAワールドカップ公式ハンバーガーということで、渋谷にある五店舗はワールドカップシフト。特に渋谷店と東映プラザ店は外壁や階段などまでワールドカップ仕様です。日本、ブラジルをはじめ、出場8ヵ国をイメージしたバーガーやサイドメニューを続々投入するようです。
マクドナルド ワールドカップキャンペーン

画像:ワールドカップキャンペーンの告知をするマクドナルド丸井店


画像:ワールドカップキャンペーンの告知をするマクドナルド東映プラザ店
27日から投入と書きましたが、2店舗では25日から先行発売が告知されていました。
渋谷店は、店頭や離れたスクランブル交差点で呼び込みもやっています。渋谷店だけのようですが、27日28日は特別価格のセットも出していました。ワゴンやマイクも使っていましたので、この場所では珍しく、かなりの力の入れ方です。

私としては、アメリカでブルーはダイエット食品やサプリメントに使う色。日本でも、やはり同様のメッセージを含んでいると思いますが、その影響が気になります。結果を知りたいところです。



アディダスは、109との連携プレイで攻める


アディダスは、ブラジルのファッションブランドとコラボして、ワールカップ記念コレクションを出しています。

画像:アディダスオリジナルスサイトのスクリーンショット

アディダス直営店は全面、SOCCER SHOP「KAMO」やSPORTS SHOP「GALLERY-2」はファサードが、all in or nothingのビジュアル。

画像:アディダスパフォーマンスショップ渋谷all in or nothingのディスプレイ


そして[adidas presents SHIBUYA GIRL'S ELEVEN CUP@109]という名称で、109とコラボしています。
「サッカー日本代表ユニフォームの女の子らしいかわいい着こなし」をテーマに渋谷109のショップ店員70人がコーディネート提案し、一般応募による投票で、渋谷のサポーター日本代表「シブヤガールズイレブン(SHIBUYA GIRL'S ELEVEN)を任命する。
画像:wwd japanシブヤガールズイレブン中間発表のスクリーンショット

アディダスは、この企画に参加する11ブランドとコラボした日本代表レプリカTシャツを発表。自社とコラボしたブランドで販売するということですから、ものすごい熱の入れ方です。今までワールドカッププロモーションで届かなかった層、もしかするとアディダスに興味なかった人たちにまで、波及するような勢いです。

27日に、109前のスペースで、このイベントをしていました。
「アディダスパフォーマンスセンター渋谷」と「109」は、横断歩道が隔てているだけの位置関係です。朝会場を設営している様子。そしてイベントが始まる前の投票や呼び込みをしている風景を、会場の左側から見たのがこちら。

画像:109シブヤガールズイレブン中間発表の会場設営


画像:109シブヤガールズイレブン中間発表前

このコラボは、とても強力に思えます。



キリンは、公園通りまるごとプロモーション?


パルコPart2だったところに、出来たばかりキリン一番搾りガーデン。オープンした16日の時点では、ワールドカップ仕様の商品が描かれているぐらいでした。
また公園通りは、こんなフラッグで占められていました。

画像:キリン一番搾りガーデンの壁面
画像:キリン一番搾りガーデン 公園通りのフラッグ


ところが今週26日の夜からだと思うのですが、サムライブルーカラーのライトで飾り付けられていてビックリ。

画像:キリン一番搾りガーデンのイルミネーション
画像:キリン一番搾りガーデンのイルミネーションとライトアップ

街路樹がライトアップされ、ボール状や植え込みにもイルミネーションが飾り付けられています。

これがどこまで行くのかと思うと、公園通りをずーっと下って行って、その入口まで。

画像:キリン一番搾りガーデンのイルミネーション公園通り
画像:キリン一番搾りガーデンのイルミネーション公園通り入口


たぶん公園通りのイルミネーションも、キリンのプロモーションでしょうね。公園通りまるごと、[キリン一番搾りガーデン]への誘導路になっているみたいです。



来月、予選が始まったら、さらに加熱しそうですね。




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2014年5月22日木曜日

平たい顔族の、『陰翳礼賛』の行方

以前にも書いていますが、
印刷物、あるいはサイト上で大きく使う写真は、いわば整形美人。背景などをセッティングし、ライティングして、さらには合成や修正までする。うちでも通常の撮影の仕事では、素材となる写真を部分ごとに何枚も撮って、合成するのが当たり前になってきました。 
SNSで認められる写真力って、どんなの? 

この合成をするとき、もっとも気をつかっているもののひとつに影があります。ところが最近、ある大手企業のポスターを見て愕然としました。Photshopのドロップシャドー機能をそのまま使ったような影でした。
陰って、実際はものすごく複雑です。スタジオでライティングされたものでも、屋外で自然光でも、さまざまな光の反射が重なってゆらぎを持っています。
だからそれを合成で再現するには、かなり細かな作業が必要だと思っているのですが、オーバースペックなのでしょうか。

もしかすると、光と影の感覚が変化してきているのかもしれません。


写真:鎌倉鶴岡八幡宮の松明



谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』は、日本の建築様式から


昭和8年に書かれた谷崎潤一郎のエッセーは、こんな風に始まります。
今日、普請道楽の人が純日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気や瓦斯(ガス)や水道等の取附け片に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、じぶんで家を建てた経験のない者でも、待合料理屋旅館等の座敷へ這入ってみれば常に気が付くことであろう。
昭和8年の純日本風家屋とは、どんなものでしょう。とにかく和風と文明の利器との調和に悩んでいた、腐心されていた時代なんでしょう。
実用一辺倒の西洋紙と温かみを感じさせる唐紙や和紙、電燈や燭台、食器などについて語ったあと、「建築のこと」という見出しになります。

われわれの国の伽藍では建物の上にまず大きな甍を伏せて、その庇(ひさし)が作り出す深い廣い蔭の中へ全体の構造を取り込んでしまう。寺院のみならず、宮殿でも、庶民の住宅でも、外から見て最も眼立つものは、或る場合には瓦葺き、或る場合には茅葺きの大きな屋根と、その庇の下にたゞよう濃い闇である。時とすると、白昼といえども軒から下には洞穴のような闇が繞っていて戸口も扉も壁も柱も殆ど見えないことすらある。

日本人とて暗い部屋よりは明るい部屋を便利としたに違いないが、是非なくあゝなったのでもあろう。が、美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを餘儀なくされたわれわれの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。事実、日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生れているので、それ以外に何もない。西洋人が日本座敷を見てその簡素なのに驚き、たゞ灰色の壁があるばかりで何の装飾もないと云う風に感じるのは、彼等としてはいかさま尤もであるけれども、それは陰翳の謎を解しないからである。 

つまりは、日本の建築様式が「陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用」 という見立てです。

「暗がりの中にある金色の光」という見出しでは、こんなことが書かれています。
奥の奥の部屋へ行くと、もう全く外の光りが届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、幾間を隔てた遠い遠い庭の明りの穂先を捉えて、ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。その照り返しは、夕暮れの地平線のように、あたりの闇へ実に弱々しい金色の明りを投げているのであるが、私は黄金と云うものがあれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う。 
さらには暗い能の舞台で、金銀が豊富に使ってある絢爛な衣装は、日本人特有のあかみがかった褐色の肌を引き立たせる。また当時の女性の化粧について、蝋燭や蘭燈のゆらめきでなければ魅力を解し得ないと書かれています。
文庫本の解説で吉行淳之介も、花柳界の女性について、こう書いています。
私が最も厭な気分になるのは、真白に塗った顔から覗く歯が黄色くみえることである。(中略)「陰翳礼賛」を途中まで読んだときに、気がついた。芸者のあの化粧は、わが国の照明がまだ燭台とか行燈によって部屋が仄暗かったときのものにちがいない、ということだ。


国内外で高い評価を得ている文豪の随筆も、また文豪の解説も、書かれている内容は、それほどのものかと思います(笑) 美術的には、常識を語っているようです。たとえば日本の色は、黒のバリエーションが豊富ですし。
ただ当時の風俗とその感覚を知るには、とても役立ちます。
今なら吉行淳之介さんは、テレビに出るような人たちについて、女優ライトで肌の質感を飛ばしてしまい、平面的に見えることとか。ボトックスや整形で表情がなくなっていることを嘆くでしょうか。

ゆらぎのある柔らかな光、隅々まで行き届かない光がもたらせていた陰影の美が、明るい照明でおかしくなってきた。それをなんとかしてきたのが、ライティングなどの撮影や映像技術。
ところが現代は、ハイビジョンや液晶モニターによってなのか、これまで同様の技術では陰影が無段階のようなやわらかなグラデーションではなく、のっぺりゴツゴツした階調になっているように思えます。



世界的照明デザイナーがフランスで教えられ、再考した『新・陰翳礼賛』


照明デザイナー・石井幹子さんが、2008年に書かれた『新・陰翳礼賛』という本もあります。

石井さんといえば、東京タワ-、東京駅レンガ駅舎、レインボ-ブリッジ、白川郷、姫路城などなど日本を代表するライトアップの多くを手がけられていて、その“作品”を目にしたことがない人は少ないでしょう。日本にライトアップという概念を持ち込んだのは、石井さんかもしれません。
横浜や京都の照明プロジェクトは、彼女からの持ち込み。いまでこそ京都の寺社仏閣は美しくライトアップされていますが、計画書を持って行っても京都市役所は取り合ってもくれない。そこで自ら照明機材を積み込んだキャラバンを編成し、直接お寺などに掛け合い、実際にライトアップを見せることで夜間照明の魅力を実感してもらったそうです。

スクリーンショット:MOTOKO ISHII LIGHTING DESIGN の東京タワー画像

石井さんの半生は、そんな「あかり」の美しさの追求。ところが石井さんに谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』を薦めたのは、フランス人照明デザイナー。『陰翳礼賛』は翻訳され、「フランスの知識人で日本文化に関心のある人は、ほとんどと言って良いくらい『陰翳礼賛』を読んでいる」と書いています。
石井さん自身、50代で和の明かりの豊かさに気づきます。

光と闇という対比の中で捉える欧米の照明とは違った、光から闇に至る中間領域の中にある、柔らかな「あかり」の存在であった。この「あかり」は、日本の文化の中で育ってきた独自のものであると、私は考えている。


でも(当時の)日本では、こんな状況。
圧倒的に多いのは、蛍光灯の大きな器具が天井の中心を占めているものである。下から建物を見上げると、白い光がたくさん見える。
高度成長期の明るければ、それが文明だという価値観だったのかもしれません。北欧ではペンダントで「上方に柔らかい拡散光が天井に大きく広がり、下方に程良い直射光がテーブルの中心からほぼ全体に広がっていた」と書かれていますから、日本の照明の使い方は直接光主体で、単純だったのでしょう。

石井さんの特徴は、ライトアップばかりではなく、早くから代替エネルギーを積極的に取り入れてきたこと。レンボーブリッジの主塔には太陽光パネルが取りつけられ、イルミネーションの4割は太陽光発電でまかなわれているそうです。
東日本大震災より8年も前ですから、かなり先駆的です。「ただ明るければいい」という発想とは、かなり異なります。


東日本大震災のあと、電力不足で、都心部でも照明が抑えられていました。輪番停電は真っ暗ですので困りましたが、私にとって照明の抑制された都心の風景は、「暗いなぁ」という感じはありませんでした。利便性も、同様でした。
今では、すっかり元に戻っています。




日本人は闇遊びの達人だったという、『「闇学」入門 』


そして今年、「日本の文化は闇と切り離せない」という本が出ました。

たとえば富士山信仰。庶民の富士登山は室町時代に始まり、ご来光を見るために夜に登っていた。闇が広がる山を登り、その最後にご来光を見ると、世界が一気に変わって、新しい世界の始まりを強烈に感じられるといいます。目に見えるように、想像できますね。
こういう習慣は、世界にはないそうです。

確か女人禁制で、始めて富士山に登った江戸時代の女性は、ちょんまげを結い、男装していたとか。それも、夜間に登ったから可能だったのかもしれないですね。


この本では「明るいところと暗いところでは、全然違う視細胞を使ってものを見ている」と書かれています。

暗いところでは桿体という超高感度でわずかな光もとらえるが色を識別できない視細胞が働いて、モノクロでものを見る。これを暗所視という。
実際、夜目というのは全体視力そのものだ。明所視の際に働く錐体は、網膜の中心部分に集まっていて、一方、暗所視の際に働く桿体は、網膜の周辺部分に広がっている。だから、暗順応した状態では、本来ピントを合わせるべき真ん中のものが見えにくく、周辺のものの方が見えやすい。

これって日本の色は黒のバリエーションが豊富だったり、全体を見るような日本画の回遊性と通じる話かもしれません。

そして「ただ暗いだけで五感が敏感になる」と書かれているのですが、夜道などを考えるとうなづけます。心理的な要素だけではないということでしょうか。
そう考えると、味をおいしく感じるとか、視覚以外の感覚とも連動しているのかも。色の感覚が、他の感覚と連動する、置き換えられて増幅されるなんていうこともあるかもしれません。「暗い」は遠いとか深いとかいう視覚的な要素だけではなく、寒い・重い・濃いなどの他の五感ともつながっていそうです。

つまり、色をただ色として視覚が認知しているのではないのでしょう。



またこの本では「日本の闇は優しい」と書かれています。どういうことでしょうか。

多くの宗教が砂漠で生まれた。砂漠の闇夜は星明かりも力強く、すべての星が自分に向かってくる感じがする。善悪がハッキリしている。
それに対して、日本は闇に溶け込むことができる。
そもそも狭い国土で平地が少なく、その平地でさえ岩や砂漠ではなく、樹々が生茂っていたり、家屋が密集していたりしますから、さまざまなものに反射した光がやわらかな光を作る。やわらかな闇を作っているということなんだと思います。

一神教VS多神教の視点で、日本の多様性やあいまいさを解説する論が花盛りですが、光と闇で考えるのは画期的です。





モニター漬けの生活で、視覚がどう変わるのか


パソコン、スマホ、テレビ、デジタルサイネージ。今や電車の中でも職場でも、家や遊びの場でもモニターに接している時間が圧倒的です。画素数はどんどん増えていますが、使われ方はどうでしょうか。

インターネットの世界では、1994年ネットスケープ社からほとんどのパソコンモニターでほぼ同様に再現されるようにと「Webセーフカラー」216色が提案されました。
またここ3年ほどは「フラットデザイン」と呼ばれる、シャドウやグラデーションを使わないペタンとした色の使い方が流行しています。これはデータの受信と端末で表示される時間を短くできるというメリットも大きいです。
そして多くの人がパソコンからスマホへとシフトしている今、小さい画面で「フラットデザイン」以外を用いるのはなかなか難しいと思います。



写真では、どうでしょうか。『陰翳礼賛』の解説のところで書いている女優ライトではありませんが、階調を飛ばさないと小さなモニターでは美しく見えにくいかと思います。平面的で、あまり人間ぽくはないですけどね。


そんなことを考えていると、若い女性を中心に流行しているまつげと眼球の間にアイラインを引く「インサイドライン」だって、デカ目に見えるといっても外から見えにくい縁取り効果と、奥行き感を出す“影付け”なのでしょう。(危険な化粧法だそうですよ)


女性誌を見てみました。表紙だけですけど、やはり質感を飛ばしています。そして20代向けから40代向けまで、どれも明るいく柔らかな光を使っているのが共通しているように思えます。影はほとんどありません。

スクリーンショット:セブンネットでの女性誌サムネイル

違うのは、FUDGEが全身で自然光っぽい。Sweetがほぼ逆光。Ane Canがモノトーン。ぐらいですが、やはりふんわかしている。
海外誌の日本語版はモード系だからか、ふんわかしているものはなく、強いハードなトーンです。

これは、日本の今の気分なんでしょうか。ハイライトがなく、全体的に明るく、優しい雰囲気。
言い換えると、フラット、平板。ふんわりしたライティングだと、顔を立体的に見せるのは、やはり縁取り的メイクと髪の躍動感ぐらいということになるでしょうか。
まさかスマホ画面に合わせたわけではないでしょうが、小さな画面での表示に最適です。




明るさの流行は、ブルーライトにも原因がありそう


坪田一男という眼科医で日本抗加齢医学会理事をされている慶応大学の教授によれば、目にはカメラと時計という2つの機能があるそうです。
1879年にエジソンが電球を発明して「世界から夜が消えた」と言われたが、実は消えていなかった。電球にはブルーライトはほとんど入っていないため、電球の灯りをつけていても、時計としての目は“夜”と認識していたからだ。
ところが紫外線に近いブルーライトを多く含むLED照明やパソコン、スマートフォンなどが溢れる現代、24時間周期で体内リズム(=サーカディアンリズム)を刻む体内時計に大きな影響を与えるのがまさにブルーライトなんだそう。

ブルーライトを浴びていると、体内時計は昼間だと認識。ブルーライトをカットするメガネも出ているぐらいだから、目に悪いのかと思っていたら、目だけではなく人間の体内リズムを狂わせるとのことというからビックリしました。(網膜にもダメージを与えているそうです)

夜明るい環境で過ごしたマウスは8週間後に糖尿病一歩手間になったり、タイムシフトワーカーは乳癌のリスクが高くなるという研究結果も出ているそうです。

体内時計が昼だと認識し続けているのはどういう状況でしょうか。
サーカディアンリズムは内分泌・代謝系や自律神経にも、影響を及ぼすそうです。たとえば朝の比較的高血圧状態が続くとか、交感神経優位の時間が長いということも考えられそうです。

『新・陰翳礼賛』の中で、石井幹子さんはこう書かれています。
人間は、朝は高い照度を、そして昼を境にだんだんと照度を下げていくことを好む

もしかすると今の日本は、寝ないで「昼」がずっと続いているような躁的な状態なのかもしれません。暗くなるのを求めていないのかも。
四季が徐々に移り変わるから、豊かな自然を姿を楽しめるように、明るさだって徐々に変化するからいい。人間だって動物である以上、光によって行動を規定されているのが当たり前ですよね。


ましてや平たい顔族のDNAは、ライフスタイルが変わったところで、そう簡単に変化しないと思うのですが。
だって手足が長くなっても、顔は平たいままですし(笑)







顔は平たくても、いいものいろいろ生み出してるのが平たい顔族ですよね。



バナー:ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です


2014年5月14日水曜日

推奨してくれる顧客「アンバサダー」を見つける「究極の質問」のされ方

昨年、『アンバサダー・マーケティング』を読んで、推奨してくれる顧客ってなんだと考えてみたという記事を書きました。




この本では、広告はもう効かない。勝手にオススメしてくれる熱いアンバサダーを捜し出せと書いています。
スターバックスに関するブログを運営し、ツイッターでも情報発信をしている人。筋金入りのアップルファンとして、周囲にアップル製品をオススメし続ける元IBM社員。4台のレクサスを所有し、友人に自分の車を試乗させてあげたり、ディーラーを紹介したりすることで、14人の友人にレクサスを買わせてしまった人などが紹介されています。
どんなジャンルでも。いなくはないです。
でも、そんなアンバサダーをどうやって見つけて、どうやって動いてもらうんでしょう。唖然とするような、簡単なことが書いてありました。

1.直接聞く
「製品やサービスを知人や友人に薦めたいと思いますか」という簡単で、しかも究極の質問をすること。解答は、推奨の強さを「薦めない」から「強く薦める」までの11段階から選ぶ仕組み。最も「強く薦める」とそのひとつ下を選んだ人たちを「アンバサダー」として考える。


この直接聞く方法、世界的なコンサルファーム「ベイン・アンド・カンパニー」が提唱する顧客ロイヤリティを知るための『究極の質問』です。
そう思っていたら、『アンバサダー・マーケティング』の話をマーケティングリサーチ会社の偉い方としていたとき「10数年前からJ.D.パワーは“人に薦めるかどうかを聞け”って言ってるんだよね」と教えてもらいました。
「ベイン・アンド・カンパニー」が先か、「J.D.パワー」のオリジナルなのか。私はとりあえず、どっちでも構いません(笑)
J.D.パワーという会社は、比較的一般にも知られているかもしれません。世界的に有名な顧客満足度調査の会社です。特に自動車の世界では独占状態で、どこかの車が「顧客満足度No1」と表示していると、まず(※20○○年 J.D.パワー調べ)と書いてあります。




実はその究極の質問が私にも連続して、やってきました。


Jimdoが『究極の質問』を聞いてきたということは、私もアンバサダー?


そう、JimdoからHtmlメールが来ました。


究極の質問の、まんまです。しかも、この1問だけのメール。なかなか大胆です(笑)

私が無料でホームページ作ってプロモートもしちゃう方法と、その課題、なんていう記事を書いたからでしょうか。
この中で、JimdoとWixというサービスを薦めています。Jimdoはドイツで創業されたサービスで、いわゆるCMS。日本ではKDDIと協業しているので、日本語に完全対応している。無料でも使えるプランがあります。Wixはほぼ同様の内容でセンスがいいのですが、日本語に未対応ではないのですが、かなり難があります。

またJimdoのサービスは、プライベートでのことですが、私発で6サイト。直接関わっていたり薦めたりして開設されています。アンバサダーかもしれません(笑)

上の画面では10にチェックを入れました。すると、こんな画面になりました。


薦めたいかどうかを10段階で聞いておいて、最高の10にしたら、さらに「どれぐらい?」という見出しで聞いてくるって、なんかおかしい。しかも「どうしてか?」を必須でだなんて。文章的にも、※必須と可能ですか?が両方入っているのは、不可解です。これで送信して、画面を閉じておしまいです。

日本語に完全対応していると書きましたが、日本人に対応していないのかもしれません(笑)
最高の10で薦めたいと答えた人間に対して、「勝手にオススメしてくれる熱いアンバサダーを捜し出す究極の方法」とは思えない素っ気なさです。


聞かれたらJimdoを薦めますが、熱くはないです。絶対的にいいと思っているわけではなく、今あるサービスの中なら相対的にいいと考えているだけです。




自動車メーカーからも『究極の質問』を聞いてきた


今年に入って、車を買い替えました。すると先日、調査会社からアンケートが送られてきました。30数問あります。その真ん中あたりに、「究極の質問」があります。車のことじゃなくて販売店を薦めたいかどうかと聞いてきています。問いはぜんぶ販売店について。最初にサービス向上のためにと書いてありますが、アンケート自体の目的が明確だとは思えません。
そのディーラーとは10年以上のつきあいがありますが、車ですから購入時や点検時ぐらいの関係です。ディーラーについて聞かれても、何の意見もありませんし。
※ちなみに、このアンケートは J.D.パワー社ではありませんでした。



こういう郵送でのアンケート調査は、かつてなら500円1000円ほどの図書カードなどがお礼として送られてきます。そんなことも書いていないので、ただ面倒くさいやと思い、参考のために再度読んでから捨てようとしていました。
翌朝、なぜか外の封筒はなく、アンケート用紙と返信用封筒だけがテーブルの上に置かれていました。

これは早く書けという奥様からの催促か、そんなバカなと思い、聞いてみると自分で書くために用意してるということでした。ええ〜っと驚いて、どうしてそんな面倒くさいことをする。ディーラーについて書けることあるのと、聞いてみました。
すると、なんということでしょう。「セールスマンのために書く」ということでした。これは、要するにセールスマンの査定でしょう。○○さん(セールスの人)のプラスになるんだったら、それぐらい書いてあげないと、ということでした。

私は目から鱗で。セールスマンの査定だけではないでしょうけど、でも結果的には、そうなるでしょう。うちの奥様が、熱いアンバサダーでした(笑)

このディーラーとのつきあいは、そのままセールスマンとのつきあい。とにかく仕事のデキる人という対応で、なんでも素早い。私は車を買い替えるときでも、ディーラーにいるのは試乗を除くと、たぶん15分程度。セールスマンにアポを取って、その時には試乗したい車種を指定。ほとんど乗ってみてどうかという確認のために行く。セールスマンとしゃべっているのは、本当に短い。あとは電話とメールだけで終わってしまう。だって休日も、いろいろと忙しいですから。
そういうスピードに対応してくれますし、交渉も短くてすむ。こちらが忘れていることにも、まとめて聞いてきてくれます。私にとっても、メーカーや販売店よりも、この人だから選んでいるという比重が高いです。


ディーラーを薦めるかと聞かれたら、私なら10段階の6ぐらい。ところがこの人を薦めるかとなると、10になりますね。




こんな風に「究極の質問」が私のところにも来るということは、かなり一般化しているのかもしれません。
でも、その聞き方には、かなり疑問があります。アンバサダーを見つけだすところまではいいとして、どうやって動いてもらうのか、動いてもらえるのか。かなり工夫の余地がありそうですね。