2016年4月15日金曜日

熊本地震が発生してから、中の人たちは何をツイートしたか


今回の地震で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
この文章は4月15日夜に公開したものです。14日夜の地震発生時から翌15日午前中までの様子を書いています。








4月14日21時26分ごろ、熊本県で震度7という強い地震が発生。余震も15日朝までに116回、正午までに125回に達したそうです。
詳しい情報を知ろうと、テレビをつけ、いち早く状況が出回るTwitterを調べました。3.11のとき、電話はつながらないのに、Twitterは家族や友人知人が連絡を取るライフラインとして役立ったといいます。確かにそうだと思いますが、悪意のないデマが多数出回っていました。

ところが昨日は、かなり様相が違っていました。






ウェブメディアが、緊急時に役立つツイート/リツイートを深夜から


一般の人のツイートは、激減していました。驚きととまどいからでしょうか。ともかく災害発生時のむやみなツイートは、拡散すればするほど、現地で情報を求めている人たちの邪魔になるのです。
私は日付が変わってから九州にいる知り合いがツイートしていたので、邪魔にならないよう、@ユーザー名で始まる返信をして励ましました。これなら両方をフォローしている人じゃないと、タイムラインに表示されません。

驚いたのはいくつものウェブマガジンが、役立つ情報をツイートしはじめたのです。

ギズモード・ジャパンは23時半ごろから1時半過ぎまで、ツイートやリツイートをしていました。
@gizmodojapan




ロケットニュース24も突如0時過ぎから、役立つリツイートを始めます。あまりに意外で驚きました。
@RocketNews24



いち早く地震の発生を伝え、役立つ記事を作ったのはGigazine。21時39分に気象庁|地震情報へのリンクなどや被害の様子を伝えるツイートを紹介しています。その後も情報を追加していますが、ほとんど現地向けの情報ではありませんでした。
@gigazine


東京都が昨年作った東京防災のウェブページを切り取ってツイートしているメディアがいくつかありました。誘導が自社のウェブサイトへの誘導だと、ちょっとなあと思います。
東京防災

Amazonで無料のKindle版もあります。
東京防災Kindle版


LINEは23時過ぎに「LINEから固定電話・携帯電話にかけられる「LINE Out」機能で、日本国内の番号への発信を1通話最大10分まで無料化しました。家の電話やLINEでつながっていない方への安否確認にご活用ください」#拡散希望とツイートし、15万回以上リツイートされました。
ところが「善意でも絶対にやるべきことではなかったサービス」と非難されています。
震災時「LINE Out無料開放」の何が問題だったか

このLINEツイートの拡散には、多くのネットメディアのリツイートも大きく影響しています。



携帯キャリアもいち早く「Wi-Fiスポットの無料開放」をツイート


ソフトバンクは1時24分、NTTドコモは8時22分、auは10時22分に、自社ユーザーに限らず無料でWi-Fi通信できることをツイート。
ソフトバンクは熊本県内を開放し、九州全域に広げる予定。ドコモは熊本県内の一部を解放、順次拡大していく予定。auは熊本県内で無料開放。熊本県内に限定すれば、auは15日になる前に無料開放していたので、一番早かったのです。

ところが各キャリアともツイートには詳しいことを書いていません。自社サイトのニュースリリースに飛んで、はじめて分かるのです。



自動車メーカーは、どう対応したか


災害時、交通機関の情報は気になりますが、日産自動車の対応の早さには驚きました。
22時から高速道路情報や安否確認の災害伝言ダイヤルなどの情報をリツイートしはじめました。
0時27分にはこんなツイートしています。



クルマを作っているなら、日産のツイートが適切で、有益です。無駄もありません。

他のメーカーは止まったままでしたが、ホンダが15日9時58分からツイートを開始。停電などにより発電機を利用する場合の注意事項など、ホンダならではのツイートもされていますが、交通情報ではこちらでしょう。
@HondaJP


インターナビとは「インターナビ装着車の走行情報を集めて交通情報として配信すること」を世界で初めて実用化したため、ホンダだけの膨大な交通情報の蓄積があり、高精度なルートや防災情報を、通信で車載のカーナビに送るホンダ独自の通信型ナビ」で、車載だけではなく、スマホやパソコンからも使うことが出来ます。
なにより感心したのは、ツイートでGoogle クライシスレスポンスのリンクを貼っているところです。
Google クライシスレスポンスとは、自然災害や人道的危機に際して、重要な情報をよりアクセスしやすい形で提供することを目的とした活動のこと。その一環でホンダのインターナビの情報は、Googleマップに提供されています。
Google クライシスレスポンス 災害情報マップ

この二社以外は、国内メーカ−海外メーカ−ともに15日の午前中まで沈黙していました。



素早く反応したキングジムの優しさ


災害時に関連する商品やサービスの企業は少ないですが、関連性の薄い公式アカウントと中ではキングジムが素早く、14日22時過ぎからNHK生活・防災のツイート4本をリツイート。
それだけならウェブメディアと変わりませんが、今日15日午前中からのツイートの始め方を見て、中の人の苦悩を感じました。中の人の経験がないと、これのどこがと思われるかもしれませんが、ダイレクトに役立つことはないのです。
広告的なツイートはしない方がいい。でも、キングジムのキャラクター設定なら、いつも見てくれるファンに応えたい。という気持ちでしょうか。
@kingjim


キン キン キングジムのツイートは、延々とフォロワーとの会話が続いています。いつもの日常を出すことだって必要ですよね。

Twitterのプロモーションツイート(広告)は変化なく表示されていましたし、広告的なツイートもけっこうありました。
せめて甚大な被害をもたらした災害が発生した場合は、しばらくは自粛した方がいい。再開は、こう考えています。以前に大型台風による被害があったときに、書いたものです。

災害時などのソーシャルメディア運用は、こうするべきじゃないのかと


15日夜になっても、まだ余震が続いているようです。
これからも警戒が必要だと思いますが、被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。





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