2015年11月13日金曜日

Facebookが、いろいろヤバイことになってるかもしれない








最近フェイスブックで「知り合いかも」に妹が出てきたので驚きました。妹は結婚して、姓が変わっています。ソーシャルメディアでつながるなんてことはなく、フェイスブックに共通の友だちがいるわけでもありません。
想像すると、その数日前に妹から、大きな画像データを送りたいからパソコンで使っているメールアドレスを教えてくれと言われ、教えて二度ほどやりとりしたことです。それ以前はケータイのキャリアメールでしかやりとりしていません。



実名のFacebookは私にとって、基本的なスタンスは仕事ですから(Facebookページの運用などをしています)、あまり血縁関係や婚姻関係、それに趣味のつながりで友だちになって連絡ツール化しても困ったことになります。

その趣味のつながりでも「知り合いかも」に何度も出てきた人がいるので、ははぁー、私のことを頻繁にチェックしてるなと思い、友だちリクエストを送りました。後日お会いしたときに「見てたでしょ?」と尋ねると、見ていないということでした。
考えてみればGoogle + でつながっているので、わざわざFacebookでチェックする必要はありません。Google + ではいろいろコミュニティに入っています。それでFacebookより断然、投稿している回数が多いのです。
Google +も基本的には仕事ですが、趣味やその中でしか交流していない人も大勢いて、さまざまな役割に使っていますし、完全にオープンです。

ということは、FacebookはFacebookとは関係のないメールのやりとりを読んでる? G-mailじゃあるまいし、まさか、です。

 
ベルギーのデータ保護監視当局がFacebookに対して起こした裁判で、毎日26万8000ドルを払うという判決が出たそうです。
具体的な訴件は、Teckcrunchによるとこう書かれています。

ユーザとFacebookのユーザでない者のインターネット上の活動を追跡するやり方(の違法性)だ。起訴の時点でベルギーのDPAは、ノンユーザの追跡方法と集めたデータをどうしているか、に関する質問にFacebookが答えなかったことを、起訴に踏み切った理由として挙げている。
ノンユーザをクッキーで追跡しているFacebookがベルギーで毎日26万8000ドルを払う罰金刑に直面

これはクッキーの話なのでメールとは関係ありませんが、裁判所でもFacebookが「追跡方法と集めたデータをどうしているか」について答えなかったのだとしたら、ちょっと引っかかりますね。



Facebookがオープンにしている「知り合いかも」の仕組みは


仕事で使っている以上、どういう仕組みなのか調べておく必要があります。ヘルプページの[知り合いかも?]についてには、こう書かれています。



ここに「インポートした連絡先」と書かれていますが、妹はインポートしてないということでした。そもそも登録しただけのようです。

友達、職歴・学歴、所属しているネットワークでも接点はありません。私は、先に書いたような理由でプロフィールに職歴や学歴もまったく書いていません。過去につながりがあったということになると、膨大な知り合いの数になってしまいます。
帰宅する電車の中で、知り合いに遭遇してしまうことが少なからずあるのですが、おちおち寝てもいられません。よだれでも垂らしていたら、大変です(笑)

横道にそれましたが、だから接点はメールのやりとりしか、ないはずなんです。



アドテクを駆使するFacebookのプッシュメール


以前から、例えばアマゾンで見た商品の広告がFacebookに出てくるということはありました。これはアマゾンのリマーケティングで、Facebookに広告を出しているのだと思います。ユーザーからすれば、広告が追いかけてくる仕組みですね。

それ以外のFacebookに出てくる広告はどうでしょうか。アマゾンと同様にクッキーを使ってリマーケティングすることも考えられますが、私は遭遇したことがありません。
でもリマーケティング以上に、他のどこよりFacebookに優位性があるのが、ターゲティング。ユーザーが自ら進んで名前、誕生日、職歴や学歴、電話番号などデモグラフィック以上の個人情報を登録していますし、好きなこと、興味のあることは「いいね!」すればもちろんのこと、他の投稿より長く見ているかどうかの履歴も蓄積されているはずです。
つまりクッキーに頼らない、どこよりも精度の高いターゲティングが可能なはずです。

そうは言っても、個人的にはこれはという広告が現れたことがありません。しかし先日Facebookから来たメールを見て、本当に驚きました。
こういうものです。



どう考えても森美術館の投稿に「いいね!」した記憶がない。もし森美術館の投稿が私のタイムラインに現れたのだとすれば、それは広告。Facebook広告のターゲティングからすれば、私のニュースフィールドに森美術館の投稿が出てきても不思議ではないですが、仮にそうだとしても、投稿に「いいね!」したからって、Facebookページへの「いいね!」を促す仕組みがある。そうなら、Facebook広告のオプションということなのでしょう。


でも私の記憶では違うのです。ボケいたりする可能性もなくはないのですが(笑)
私はタイムラインに現れたあるウェブメディアの「村上隆の五百羅漢図展」を紹介する記事の投稿に「いいね!」しました。「村上隆の五百羅漢図展」を開催しているのが森美術館なのです。
私の記憶が正しければ、この仕組みはちょっとなぁです。美術展のことだから、ぼんやりとしているかもしれません。

仮に私のタイムラインに現れたウェブメディアの記事が、パナソニックの最新の洗濯機だったとします。その投稿に「いいね!」しました。すると後日、Facebookからメールが来て「パナソニックの投稿にいいね!しました。私たちのページにいいね!して、つながりませんか? よろしくお願いします。パナソニック」と書かれていたら。

あるいはパナソニックではなく、ビックカメラだったら。「ビックカメラの投稿にいいね!しました。私たちのページにいいね!して、つながりませんか? よろしくお願いします。ビックカメラ」という内容で、ビックカメラのFacebookページに行ってみると、「パナソニックの最新洗濯機が、今度の土日まで大特価!」という投稿があり、[購入]ボタンが設置されていたとしたら。

限りなくステマだし、先日も書いている錯誤を狙ったネイティブアドだということになるでしょう。それだけではなく、他のウェブサイトからのリターゲティングではなく、Facebookの内だけでターゲティングから広告、販売まで、かなりのことが完結してしまうということになりかねません。投資家なら、確実に喜ぶところでしょう。



巨大なプラットフォームとなったFacebookは、外にユーザーを出したくない?


ニューズウィーク日本版は、2015年、フェイスブックから主要サイトへのトラフィックが激減したと書いています。
ハフィントンポストへのフェイスブックからのトラフィックは、今年第1四半期~第3四半期に60%も落ち込んだ。Foxニュース、バズフィードも同様で、いずれも同期間に40%以上落ちている。なお、最も落ち込みが急激だったのは今年の初めだ。
フェイスブック社はDigidayに対し、「ウェブメディア全体へのトラフィックを減らしている」ことを否定している。ただし、具体的な数字を挙げて反論したわけではない。
これは一体、何を意味するのだろうか。

Facebookが方針を変更したということでしょう。今年、Facebookに投稿されたリンクからどれぐらいの時間でユーザーが戻ってくるか。リンク先が投稿と関係のない偽のものだったりすると、すぐに戻ってくるはずだ。そういう時間によって、どうタイムラインに表示させるかということをやっていたはずですが、どうもニューズウィークの記事を読んでいると、質に関係なさそうな気がします。


企業が使うFacebookページのリーチが激減しているという話も、あちこちで聞きます。その理由は、なによりエッジランクの導入と、Facebook広告の増加。私の解釈は、こうです。
【Facebook】のインサイトは、まず競合をチェックすることから

しかしそれだけではなく、Facebookの仕組みが今回書いたように変化しているとしたら、どうもユーザーも広告も販売も、Facebook内に取り込んでしまえという動きが急加速しているのかもしれません。



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