2014年1月21日火曜日

小売企業も雇い主もあなたの秘密を推測している


このタイトルは、ひとつ前の記事『ストーカーのような広告は、嫌われる? 嫌われない?』の中で紹介している書籍、「ヤバい予測学」の第二章のサブタイトルを引用しました。


小売業は、もちろん売れ筋・トレンドを予測してます。そして個人が何を買いそうかも、データマイニングして、おすすめしようとしています。
雇い主が推測しているというのは、離職する確率。ヒューレットパッカード社は、社員の離職確率を算出して対応しているそうです。
そこまでになると、まるで映画「マイノリティ・リポート」の、犯罪を犯す確率を予測をして犯行前に逮捕してしまうという世界を連想してしまって、ちょっとゾッとしますが。
もちろんヒューレットパッカード社のケースでは、退職に至らないようにするために、様々な待遇面を見直すというポジティブな面が少なくないようです。





「ヤバい予測学」を読んで、さあ小売業の予測はこれからどう進化していくんだろと思っていたら、昨日ウォールストリートジャーナルに、驚くようなニュースが出ていました。


アマゾン、消費者の注文前に発送する特許を取得


なんだそれは!? ですよね。送りつける詐欺商法か!? と思ったり(笑)


アマゾンといえば、昨年末に「ドローン(小型無人飛行機)による注文後30分以内の配達を、2015年実現化を目指す」と発表したばかり。その動画がまたSF映画のようで。飛んで配達するのですから、実現はかなり難しい気がします。

画像:Amazon Prime Air
Amazon Prime Air -Youtube


ウォールストリートジャーナルの記事を抜粋すると

米インターネット通販最大手のアマゾンは昨年12月、いわゆる「予期的な配送」で特許を取得した。これは顧客が「購入」をクリックする前でさえ品物を配送し始める手法だ。(中略) 
アマゾンは、何を出荷するか判断する際に、これまでの注文実績、商品検索、希望リスト、ショッピングカートの内容物、返品実績を検討するほか、ある品物にネットユーザーのカーソルがどれほど長くとどまるかさえ検討するかもしれないとしている。

ということだそうです。 これを読むと、できる確率は高そうだと思いました。どうして特許を取れたのかは理解できませんが「予期的な配送」ということですから、主にコンセプトに対する特許ということなんでしょうか。

ただアマゾンのリコメンドは進んでいると言われても、個人的には実感がありません。こうやって記事に貼付けるアフィリエイトのために検索したものを参考にしているケースが多いですが、それはすでに持っているいる書籍などですから、的外れです。本を多く読む人は、アマゾンだけで買っているわけがないですから、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」もあまり役に立ったことがありません。



でも確実に言えるのは、ほぼ定期的に買っているものなら、「予期的な配送」をしてくれると嬉しいです。購入履歴からすれば、受け取りに都合のいい日時も合わせてくれるでしょうし。
私の場合、炭酸水をネット通販でケース買いしていますが、切らしてしまうことが多々あります。夏と冬で消費するスピードはちがいますが、帰宅してから気づいて、でも炭酸水のために深夜クルマに乗ってコンビニに行くのはバカだしと思いとどまったり。アマゾンで買っているのではありませんが、アマゾンが予期してくれて、もしタイミングの精度が高いなら、間違いなくアマゾンに乗り換えます。

たとえばコミックや小説などでも、ずっと買っているシリーズや作家のものなら、送りつけてくれたの方が嬉しいかもしれません。村上春樹ファンなら、予約しなくても新作の発売日にアマゾンから届くような仕組みになれば、驚喜するかもしれませんね。



ビッグデータじゃなくても、先読みすることが出来そう


再度、ウォールストリートジャーナルの記事から抜粋します。

今回の特許は、IT・消費者関連業界の間で顧客のニーズを予期するというトレンドが強まっていることを浮き彫りにしている。いまや牛乳を購入する時だと教える冷蔵庫、どの番組を録画すべきか予想するスマートテレビがある。またグーグルのソフトウエア「Now」もあって、ユーザーが日々欲しがっていると予測する情報を配信している。

それはもう、間違いなく予期・予測することが流行していますよね。ビッグデータはとても注目されていますが、それほど精度が高くないのでしょうか。
アマゾンの「予期的な配送」は、私が上に書いたようなことなら、ビッグデータじゃなくても、購買履歴だけで精度の高い推測ができそうです。



そういえば、「ヤバい予測学」の帯には「ビッグデータのその先へ」と書かれています。しかも

ビッグデータの専門家の多くは、データを使って魅力的な視覚分析を作り出すだけで満足している。ただし、その価値は、予測モデルをつくることの足元にも及ばない。

と断言されています。予測モデルとはなんでしょう。データ分析の一つの方法で、現在あるデータの中に一定の法則を見つけることで、将来を予測しようとするものです。
因果関係、つまり理由はわからなくても、相関関係が見つけられればいいというものですから、そんなに大きなデータは必要ないでしょうし、機械的にツールで作業できそうです。



また「未来の売れ筋発掘学」という東大工学部の研究室が書かれた本では、「データマイニングを超えた価値センシングの技術」のサブタイトルで、“顧客の声を聞いても売れる商品を生まれない。本当のニーズは、顧客の声にならない声をすくいとらなければならない。このようなニーズを汲み取るのは、人間の感性であり、それを支えるのがITの技術である”なんていう工学部らしからぬことを書かれています。
解析ツールの使い方を含めて、自前でロジックを作らないと意味がないという趣旨のことが書いてあったと思います。




加熱する予測競争の中で、どれが有効なのか
私にはわかりませんが、ご参考までに。



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