2015年1月16日金曜日

写真の加工や合成は、どこまで許される? どのぐらいが適正なのか?


広告などに使われる写真の合成は、どこまで行くのでしょうか。かつては化粧品の広告に登場するモデルの毛穴がないことが話題になったりしましたが、今ではどんな広告写真に登場する俳優やタレント、お笑い芸人の顔まで、ほぼ毛穴がなくなっています。

先日もクライアントの担当者と打ち合わせしていて、それはあり得ない設定だから技術的には可能だけれども、やらないほうがいいと思いますとお話しして。じゃあ、どこまでが許されるのか、“あり”なのかということになりました。
私自身の中には明確な基準がありますが、でもそれは個人の感覚。職業的な知識もありますし、訓練されているところもあります。一説には色の識別能力は30歳を過ぎると、何もトレーニングしていないとどんどん落ちていくとか。

作りたいイメージ、誰に向かってアピールしたいのかということと、その完成度。そして倫理的な側面があります。
プリクラがありなら、世の中的にはなんでもありになっているとは思います(笑)


写したものがリアリティがあって、合成したものがリアルじゃないとは限らない


写真はライティングでも、大きく変わります。すべてのものが写るとは限りません。良くも悪くも写真が、肉眼で見たときのイメージとは異なっているという経験は、誰しもありますよね。
実際に画像で、順をおって見ていきましょう。
ステーキを焼いている写真です。



A. 焼かれて肉汁が飛び跳ね、煙もけっこう出ています。炎まであがっています。じゅーじゅーという音が聞こえてきそうです。
網焼きで火が出るということは、脂が燃えているんでしょうか。脂を落としたいときに、網焼きにするんじゃなかったでしたっけ。



B. 炎が消えています。ない方が、違和感ないですね。



C. 煙がずいぶん少なくなりました。肉汁なのか脂なのか、跳ねていたり、鉄の上を汚していたのが消えました。



D. 肉の量が減りました。厚みが6割ぐらいになったような…
そうです、D.がオリジナルの写真です。

あなたは、どれが適切な写真だと思いますか?
合成していることがわからなくても、料理に詳しい人なら、ヘンだなと思われたかもしれません。

この場合なら、オリジナル写真以外はありえないと思います。肉を増量させているのは、まるで詐欺ですね。私がやりました(笑)
煙を足したり、少し跳ねや汚れを加えてもいいとは思いますが、網焼きなので、ほんの少しあるぐらいが適切だと思います。おいしそうに感じてもらえるシズル感の演出は、それぐらいでしょう。



ただ跳ねや煙はライティングによって、写らなかったりします。背景が黒っぽくないと、なかなか難しいでしょうね。湯気も同様です。
かつては薬品などが使われていましたが、いまは合成で簡単です。簡単だから、ついやり過ぎてしまっているものを見かけることが多くなりました。


どんなのがリアルな肌なんでしょう


アプリやウェブサービスなどで、驚くほど簡単に写真の加工ができるようになりました。その多くは加工しましたということが一目瞭然ですので、リアルなものなのかどうか紛らわしいということは、まずなくなりました。

最初に書いたように、広告に登場する著名人の顔から毛穴がなくなっています。その多くは加工ですが、そうではない人も増えています。
テレビに出ている人たちは、地上波デジタルになってから高解像度でアップが放送されることへの自衛かもしれませんが、医療機関でスキンケア治療を受けている人が多くなっているそうです。フォトフェイシャルというマシンを使うと、毛穴が小さくなったり、ヒゲが生えてこなくなったりするそうです。

だからテレビで顔のアップになっても、つるんとした顔の人が増えているのかもしれません。あながち写真が美肌なのは、加工ばかりではないようです。
アナウンサーから俳優、政治家から芸人まで、ヒゲのないのは不自然だと思うのですが、このへんの感覚は、日々見ていると、どんどん変わってくるのかもしれません。


詳しい人は敏感にチェックし、チェックする人は増え続ける


以前は整形していると、造りもの。と言われたりしましたが、基準をどこに置けばいいのでしょう。

整形に詳しい人たちは、芸能人ばかりではなく、友だち同士でも「やってる」「やっていない」というチェックが、会話の中で飛び交うと言います。同様に、写真の合成や加工に関しても、詳しい人たちはチェックしているのです。
チェックできるほど詳しい人が多いかどうかですが、ふたつの理由で増え続けると考えています。
インターネット、特にSNS人口が増えてきて、写真を投稿する人が増えています。写真がメインのSNSも増え、アプリやウェブサービスなどで加工する人だって増え続けています。合成しようとすれば高価なPhotoshopなどが必要でしたが、ソーシャルメディアに投稿する程度のハメコミ合成ぐらいならアプリで出来てしまいます。
少なくともそういう合成のプロセスを知っている人が増えているのが、今。この先どんな高度なことができるサービスが無料、あるいは安価な手段で出来るかもしれません。たぶん、できるでしょう。

そして失敗作、リアリティのない合成を見つけると、ソーシャルメディアで共有される。プロだって、発信してしまう時代になっていますよね。
YouTubeには世界のPhotoshop職人の「やっちゃった」画像を集めた動画が、数多くアップロードされています。

だから私は、詳しい人目線を基準にして、合成や加工をすることが当然だと思っています。さらに言えば、触らなくてすむ写真を撮るのがベストですね。


※写真に関する投稿
SNSで使える生写真の撮り方

※光と影に関する投稿
平たい顔族の、『陰翳礼賛』の行方


※ステーキの写真は、こちらのものを使用しました。





バナー:ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です


2015年1月6日火曜日

【Twitter】年末年始は逆張りというよりも、スイートスポットなのに


今までにも『年末年始にSNSをやったら、こうだった』『ゴールデンウィークにSNSをやったら、こうだった』『お盆にSNSをやったら、こうだった』と、1年間の大きな休日のタイミングについて書いています。だけど読み返してみると、なんかややこしい。
今回は、年末年始にソーシャルメディアを運用するのは楽に成果を上げられてお得ですよというところをポイントに、そしてツイッターを中心に書いてみます。


12月29日からは、ほとんどの企業アカウントが沈黙


私の知る限り、ソーシャルメディアの運用に熱心な企業でも、27日から激減し30日以降はほぼゼロになっていたようでした。投稿が続いているのはECモールぐらい。それもただ投稿されているだけでしたので、予約投稿かと思います。
年末年始の投稿は、ほぼ予約投稿だと考えられます。というもの、友達やフォロワーからのコメントに対して無反応ですから。


キャリアは「あけおめことよろ」ピーク時の通信規制


通信キャリア各社は、元旦午前0時から1時間から2時間程度「なるべくお控えください」とのお願いをお知らせという形で出していました。LINEも通信キャリアの負担を軽減するため、「なるべくWi-Fi接続でご利用いただくようお願い致します」との【ご協力のお願い】を出していました。

企業アカウントは、なかなかそのタイミングで予約ツイートするわけにはいきません。見ていると、Facebookでも元旦朝8時やお昼頃が多かったように思います。
午前0時からの次は、朝から午前中が多くの人々がアクティブになっていると考えたのでしょうか。私は予想してもしょうがないと思っていましたし、何度か書いているように予約投稿は意味がないし危険だと考えていますので、自分がしばらく集中してやれるタイミングでツイートしました。通信キャリアの制限がかからない時間帯になって、すぐでした。

それが、こちら。【Twitterアナリティクス】の詳細画面です。




深夜で、しかも単純な「あけおめツイート」にもかかわらず、インプレッション、エンゲージメントともにそれなりの成果をあげています。投稿してから1時間を経過しても1,000程度のインプレッションがありますし、午後になっても1時間あたり100程度はあります。

リツイートされているからという理由も大きいですが、どうもそれだけではなさそうです。


クリスマス週と比較すると、インプレッションは約132%に


クリスマス週を12月21日から27日、その後の28日から1月3日までを年末年始の週とするとします。このアカウントでは、年末年始の週に、新製品の発売やキャンペーンなどお得な情報は何もありませんでした。おもしろツイートをしたわけではありませんし、ツイート数はそれほど変わりませんが、若干減っています。
それでも一週間のインプレッションを合計すると、クリスマス週が120,376、年末年始週が158,925と30%以上増えています。

これは、どういうことでしょうか。


アクティブユーザーも減少するが、それ以上に投稿も減少している


あくまでも主観でしかありませんが、年末年始には「あけおめことよろ」以外でログインしているユーザーも激減するが、ツイートする人もツイート数もそれ以上に減少している。そんな中で、変わらずツイートして、コミュニケーションもしているアカウントがあれば、目立っていて当然。
というのが、私の解釈です。


ひとつのツイートに興味を持つと、遡って見てくれる可能性が高くなる


以前に『【Twitter】最大瞬間風速を記録したのは、ストーリーのある三連投でした』という記事を書きました。短時間の連投ですから、興味を持ってもらえたら、ほぼ確実に見てもらえる。タイムラインを流れていってしまう可能性が低いというものです。


この年末年始の投稿のアナリティクスを見てください。




6時間以上たってもまだ見られていますし、10数時間たっても見られています。それにしても時間が長い。長く保っている。お得な情報でもなんでもないですし、連投するときのような気合いの入った準備もしていません。(もっとも拡散のレベルは、かなり違いますが)

実は【Twitterアナリティクス】を何度か見ていると、三連投をしたときと同じような現象が起こっていたのです。リツイートされて、あとからプロフィールページを見てもらえたのでしょう。複数のツイートのインプレッションの数字が、じわじわと上がってくる。つまりひとつのツイートを見ると、他のツイートも見てもらえたということだと思います。



一様ではないライフスタイルにも届く


また仮説でしかありませんが、アクティブユーザーが激減してる中で、上のツイートでは13回しかリツイートされていないのに、インプレッション数もその時間の長さも通常の展開とは異なっています。(例えば平日の深夜3時にツイートして、アナリティクスをチェックしてみてください)

これに関して、普段あまり届いていない人にも届きやすくなっているのではないだろうかと考えています。
年末年始、これだけ多くの商業施設が営業しているのですから、働いている人だってそれだけ多くなっている。帰省しない人やひとりで過ごす人だって、少なくないはずです。
ソーシャルメディアはマスではなく、多様なライフスタイル、多様なクラスタで考えることが大前提です。もちろん届くだけでは意味ないですが、とりあえず届かなければ何も始まりません。



こんなお得なタイミングは、1年のうちに、そうないと思います。
これこそ手法じゃなくて、タイミングです。




2014年12月18日木曜日

驚くほど[クリスマス]という言葉が使われなくなっています

画像:渋谷東急本店ファサード

昨年の12月、『Happy Holidaysが、海外では一般的なんですか?』という記事を書きました。
ところが今年は、Christmasという言葉がどうしてこんなに使われなくなったのというぐらいに減っているようです。もっとも渋谷や表参道などの大きな店舗で、という条件付きの印象ですが。


渋谷の巨大なシンボルは、あくまでクリスマス


渋谷全体では、一般的にはクリスマスの印象が強いかもしれません。それはなにより東急グループが、クリスマスを全面に打ち出しているから。
最初の画像は東急本店です。ヒカリエも[Hikarie CHRISTMAS WONDERLAND]という打ち出し。109と109 MEN'Sは共通のビジュアルとコピーで大声で叫んでいます(笑)
画像:クリスマスの渋谷109



そして大きなクリスマスツリーで、パルコもクリスマスを打ち出しています。
これらは言うまでもなく日本企業です。
ところがグローバルブランドは、こぞってという言い方もおかしいですが、ほとんどクリスマスという言葉を使っていません。(日本での資本構成はどうであれ、世界中で展開しているという意味でのグローバルブランドです)

昨年書いていないところを中心にご紹介します。


ファストファッションは、まったくクリスマスを使わず


スウェーデンのH&Mは、Holiday Giftsの文字しかありません。レディ・ガガとトニー・ベネットのボードは、きっと世界共通のビジュアルなのでしょう。
画像:渋谷H&Mのショーウィンドウ


このおふたりですから、もちろんYouTube動画もあります。
この動画を見ると、クリスマスイメージにしているけれども、言葉としては使わない。犬にトナカイのツノを付けさせているところに、腐心のあとがうかがえます。


ユニクロ、GAP、FOREVER21も、まったくクリスマスを使っていません。
画像:渋谷ユニクロのファサード





ほぼすべてのハイブランドは、軒並みメッセージもなく


GUCCI、Dior、CHANEL、LouisVuitton、Armaniも先週の時点で店頭には何のメッセージも出していません。

見た中ではオーストラリアのUGGはツリーもあり、思いっきりクリスマスイメージですが、クリスマスという文字はなく、HOLIDAY GIFTでした。
画像:渋谷UGGのファサード

画像:表参道GUCCIのファサード




DiorやCHANELはプレゼントを意識した香水のテレビCMを打っていますが、ChristmasもHolidayという言葉も使っていません。ギフトのイメージだけです。



混在させているブランドもあり


イタリアのDIESELは、[HAVE A HARDCORE HOLIDAY]。でも小さくXMAS GIFTという表記もありますし、スタッズ付きの皮のライダースを着たサンタクロースのビジュアルもあります。
画像渋谷DIESELのファサード



不思議なのは、アメリカのディズニーストア。旗など目立つところではHappy Holidayなのですが、この窓にだけMerry Christmasと書いてあります。これはなにか、目立たせたくないけれども入れる必要が出てきたデザインのように思えます。
画像:渋谷ディスニーストアのファサード






ストレートにクリスマスを打ち出しているのは


私が見つけた中では、イギリスのLUSHだけでした。
画像:渋谷LUSHのファサード

同じくイギリスのコスメブランドTHE BODY SHOPにもクリスマスギフトという表記はありましたが、ギフトのコーナーだけで、外からは目立ちません。
アメリカでは宗教上の配慮からHappy Holidaysが使われだしたということですが、さまざまな人種が働いているグローバル企業では当たり前の流れなのかもしれません。
日本でもさまざまな国の人が働いているのがありふれた状況になってきていますし、海外からの観光客の多さを考えれば、それに東京オリンピックのことを考えると、この先クリスマスという言葉はさらに使われなくなりそうです。
昨年より顕著になってきているようですから、2014年がその転換期なのかも。


ところで当社にも先月、キラキライメージでHappy Holidaysを使う仕事がきました。グローバルブランドですが昨年はChristmasだったので、いよいよ変わったんだな。
そう思って、Happy Holidaysを使う理由を聞いてみました。
すると答えは「年明けも、そのまま使えるから」。

現実的です(笑)



バナー:ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です


2014年12月9日火曜日

【Twitter】最大瞬間風速を記録したのは、ストーリーのある三連投でした




ソーシャルメディアの運用をする中で、どういう投稿内容や投稿の仕方が有効なのか、日々トライ&エラーを繰り返しています。
もちろん日々環境は変わっていきますし、普遍的な手法なんてないと思っています。その一方で確実だろうなと、自分なりの確信のある手法もいくつかあります。

目的によっても違いますが、ツイッターでトルネードのようにインプレッションを稼ぐなら、[ストーリー性のある三連投]だと考えています。
インプレッションとは、ツイッターによれば「ユーザーがTwitterでツイートを見た回数」です。単純に届いたかどうか、だけです。


連投するのは、基本的にNG


ツイッターで著名な方々からは、なんども繰り返しつぶやけという意見が主流のようです。でも前にも書きましたが、フォロワーのタイムラインを埋めてしまうような運用は、少なくとも企業アカウントでは間違っていると思います。
誰でも使える[Twitterアナリティクス]は、実践的に活用できる優れもの

かつて津田大介さんは、朝から公式RTしまくった結果、一気にフォロワーが500人も減り「そういう人は何を求めているのかね」とつぶやいていましたが、いくらファンでもタイムラインを完全に埋めてしまえばウザくて耐えられないと思う人が、それだけいるということでしょう。もちろん投稿方法な中身を参考にするために観察しているなんて人を排除し、熱心なファンだけを残すために連投するのはアリかもしれません。

そう思っている私が、なぜ三連投をいいと考えているのでしょう。
まず、実際にやった例をご紹介しましょう。


数分間で三連投し、4万インプレッションを超えました


ひとつ目の投稿は、新商品発売の告知。インプレッションは、最終的に3,491でした。このアカウントでは平均よりも2割ほどインプレッションです。


2つ目の投稿は、その商品の使い方シチュエーションみたいなことです。インプレッションは、15,837でした。急に跳ね上がりました。



3つ目の投稿は、意外な使い方。一般的には予想外になるような切り口です。インプレッションは、19,991でした。


3つの投稿の合計インプレッションは、39,319。返信への返信もしていて、トータルで43,188でした。返信への返信は、両者をフォローしているか、こちらのプロフィールページを見て読むしかないのですが、どうであれ、三連投から派生したものです。

3つ目がいちばんインパクトがあるように考えて、投稿をしています。この日の投稿はいわば、起・承・転。リアルタイムでTwitterアナリティクスをチェックしていると、やはり3つ目が最も拡散してから、2つ目、ひとつ目へと遡って見てくれているようです。それが狙いなのです。
ところが2つ目に遡って見てくれた人は1万人以上いそうですが、ひとつ目まではほとんど行ってくれていないようです。計画通りには、なかなか行きません。総合的には、狙ったぐらいのインプレッション回数以上でしたので成功ではあります。


あっという間に、タイムラインを流れていってしまうTwitterの投稿


もっとも拡散しやすく、すでにフォロワーになってくれている人以外にも広く届くSNSはTwitterだと思いますが、欠点はあっという間にタイムライン上から消えていってしまうこと。

Twitterの広告は常に上位に表示されますが、これはテレビCMと同じ考え方。費用をかければかけるほど、広く届きますし、認知も強化されます。でもノイズになっていてマイナスイメージになっていても、それを知ることは出来ません。悪印象を強化していることだって、あるでしょう。
ところが投稿なら、エンゲージメントで知ることができます。悪印象なら遡ってツイートを見てくれるのは少ないでしょうし、最初に書いたようにフォロワーが激減するかもしれません。

興味を持ってもらえて、しかもウザいと思われず、遡ってツイートを見てくれる。読んでくれる。そして一気にインプレッションを最大化する方法が、三連投です。
もちろん個人的な経験則ですし、普遍性があるとは思えません。四連投五連投ならもっと効果が上がるんじゃないかという意見だってあるでしょう。

連投して効果が上がる大原則は、面白いと興味を持ってもらえるストーリーになっているかどうか。フォロワーから見て、有意義で遡ってツイートを見たいと感じてもらえる内容かどうかと思うこと。
意味があるなら十連投だっていいかもしれませんが、10ツイートにストーリーも持たせることは著名な脚本家が挑んでも、よほどの費用をかけない限り、なかなか難しいでしょう。


三連投を使っていいタイミングは


上に貼付けた3番目の画像の、棒グラフを見てください。一時間単位のインプレッションの推移が表示されていますが、このツイートによるインプレッション数は19,991。
オンマウスしたところが濃いブルーになっていますが、最初の一時間のインプレッションは18,194。ほとんどのインプレッションが、最初の一時間で起こっています。悪く言えば、その後は消えてしまっている。
今まで何度も三連投を使っていますが、似たような傾向で、それでいいという最初からの狙いです。

つまり三連投をしているのは、店頭やその他のSNSやメディアとも連動したタイミングで、一気に認知を上げようという目的です。

下の画像では、28日間のインプレッションの推移を見ることができます。三連投したのは濃いブルーになっているところです。




この日の前後インプレッションが低いのは、ツイート数を少なくし、Twitterフォロワーに対して情報飢餓じゃないですけれども「大人しいな」という状態にしているからです。なによりメリハリをつけることが大切です。

Twitterだけで完結するわけではありませんし、例えばパブリシティは同タイミングで発信したとしても、ウェブメディアでさえ1日以上のタイムラグがあります。
(事前にパブリシティを行うようなキャンペーンであれば、連投の役割はあまりないと思います)


他の手法と比較すると


三連投をして、その後をどうするか。一時間程度の拡散で、ほとんどのフォロワーに届くわけがありません。見なかったフォロワーに向けて、その後も地道なツイートが必要です。
三連投のようなウザいと思われるかもしれない手法を、何度も使うわけにはいきません。これまでの経験上、拡散したツイートとまったく同じものでも1ヶ月経てば、ほぼ同じぐらいの拡散が期待できます。

[Twitterアナリティクス]のツイートの詳細では、インプレッションではなくエンゲージメントで、「これだけ反応してくれたツイートを、もっと多くの人に見せよう」というニュアンスでTwitter広告に誘導しています。
でも同じツイートを何度も何度も広告として出すのは、どうなのでしょう。確かにアクティブな全フォロワーに届くかもしれないですが。

それよりは多少内容を変えて、ツイートする方が効果的です。それにはフォロワーが反応してくれたポイントを想像して、ポイントは外さず、形容したり装飾する部分を変えます。
そうやって構成したのが、矢印で示した二日間のツイートです。





オンマウスで濃いブルーになっている日には、2〜3時間の間隔を空けて単独で5ツイートしています。翌日は同様に間隔を空けて単独だと3ツイートだけです。これで6万インプレッションに迫っています。
もちろん様々な返信もしていますので、ほぼツイッターに貼り付いた状態。他の仕事が出来ません。かなり面倒くさいですが、まっとうなやり方だと思います。インプレッションだけではなく、エンゲージメントも稼げる。トータルでは三連投より、ずっといい効果です。


三連投のメリット・デメリットをまとめると


投稿方法がどうあれ、いずれにせよフォロワーにとって有益だ、素敵、面白いと思ってもらえるツイートじゃなければ、投稿する意味がないという前提ですが、簡単にまとめると


三連投のメリット
  • 短時間でインプレッションが稼げる
  • どれかを見た人には、他のツイートも見てもらえやすい
  • 他のプロモーション手段と連動した設計がしやすい
  • 事前の準備以外には、あまり時間を取られない


三連投のデメリット
  • (ファンである)フォロワーのフォロワーには、マイナスイメージになる危険性も
  • その時に届かなかったフォロワーには、しばらくTwitter上で届けにくい


もっと簡単に言うなら、新商品の投入時などには試してみるべき手法です。




2014年12月4日木曜日

【スターウォーズ エピソード7】を見ていると、本当にディズニーは変わったんだなと



11月28日、【スターウォーズ エピソード7】の予告編が公開されました。
2012年にルーカスフィルムはウォルトディズニーに買収され、ルーカスの手を離れた初めてのスターウォーズです。

ご覧になっていない方は、こちら。公式の予告編です。




すぐさまパロディ動画が続々と公開されました


11月29日の公開です。


面白いですね〜 これってディズニーが作ったのかなと思い調べてみると、Darren Wallaceというオーストラリアのデジタルアーティストでした。フリーランスということですが、なにも関係がなければディズニーがすぐさま削除要請を出しそうです。


こちらも11月29日の公開。
ルーカスが監督していたら、という設定のようです。

マニアックなファン向けですね。


これはなんと11月28日公開。


私は爆笑しましたけど、さらに複雑なマニアックさです。もしメル・ブルックスが監督していたらという設定で、メル・ブルックス制作の『スペースボール』というそもそもスターウォーズのパロディ映画の映像を切り貼りし、音声は公式の予告編から取ったものを使っています。パロディのパロディ、そのまたパロディでしょうか(笑)


ディズニーが削除要請をしないのは、どうして?


他にもいろいろ作られていますが、今のところディズニーは削除要請をしていないようです。
今まで何度か書いていますが、ディズニーは著作権に関してそんなに甘い会社じゃなかったはずです。というか最も厳しいはず。長い間仕事をさせていただいていたので、けっこう詳しく知っています。
ところがどうも、アナと雪の女王あたりからですよね。大きく戦略が変わったように思えるのは。
YouTubeと音楽プロモーションのトレンドと著作権


実はその前にもこんな動画があります。ルーカスフィルムを買収した後の、2013年4月11日に公開されています。
ディズニーランドでも撮影してるし、いったいどういうことなんでしょう。


ルーカスフィルムは、マッシュアップの素材を提供していた


THE WALL STREET JOURNALアメリカ版、2007年5月の記事です。
Make-It-Yourself 'Star Wars'というタイトルで、ルーカスフィルムが30周年を記念して、スターウォーズのクリップを公式サイトで公開すると書いています。
ファンはカットを追加したり、マッシュアップしていいですよ。ブログやSNSに自分の作品を投稿することもできます。ということのようです。
英語ですので、正確にはこちらを読んでください。
Make-It-Yourself 'Star Wars'

どうもネット上では規制するより、マッシュアップを公式にバックアップした方が得策だと考えたようです。公式サイトへも集客できますし。
http://www.starwars.com/



2007年にこんなオープン戦略を採用していたなんて、かなり素晴らしいことだと思います。禁じたところで、いくらでも出てくる。それならちゃんと自由なクリエイティビティを支援した方が、ブランド管理上も広報上もいいですよね。


アメリカではルーカスフィルムがディズニー傘下になって、スターウォーズはどうなると心配しているファンが多いそうですが、どうやらポリシーを受け継いでいるようですよ。
ディズニーは、ソーシャルメディア時代も先端を走っているみたいです。




ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です