2015年8月6日木曜日

フード関連では、もうInstagramが必須ですね


画像:インスタグラムイメージ

4月に書いたこの記事では、気になるキャンペーン4本のうち、2本がインスタグラムを使ったものでした。
[ソーシャルメディアで投稿してくださいキャンペーン]をやったら、どうなるか


中目黒のピッツア店では「写真をおしゃれに撮って、シェアしよう」と呼びかけているだけでメリットは何もないのに、ユーザーが嬉々として投稿をしています。
中目で遊ぶおしゃれな人たちだから、アリなのかと思っていたら、なんと丸亀製麺が同じことをやっています。

そう、今回書きたいのは、インスタグラムは「おしゃれな写真好きの若い女性が中心」というところから、急速にユーザーが拡大しているようです。そして、フード関連では不可欠なソーシャルメディアになっていますよという2点。



鬼おろしと肉を高く盛れという丸亀製麺


画像:丸亀製麺「鬼おろしと肉を高く盛れ!」pop

テレビCMもやっていた[鬼おろし肉ぶっかけ]で、「あなたがつくった鬼おろし肉タワーをInstagramに今すぐアップ」と呼びかけています。ラーメン二郎じゃないし、丸亀製麺で盛った写真を撮って、おしゃれなインスタグラムにアップするかなと疑問でした。
しかも、投稿した人にメリットないし、大企業が厚かましいなぁと思っていました。
ところが調べてみると、けっこう投稿されているのです。


[鬼おろし肉ぶっかけ]はそれほど多くないものの、タワーにした投稿で一番人気は141件のいいね!を集めています。
投稿しているのは食べ物の写真は多いですが、普通の人。丸亀製麺は自ら投稿していないようですし、インスタグラム内でしか展開していないようです。

もう1店、おしゃれでもなんでもない例をご紹介します。



豚野郎のキャッチが強烈な、野郎ラーメンのインスタ


渋谷センター街の野郎ラーメンには、こんなボードがあります。

画像:野郎ラーメン店頭

ここから顔出して撮る人いる? 
観光客ならやりそうだと思っていたら、少数ですが投稿されています。





ラーメンの投稿が圧倒的ですが、野郎ラーメンは遊び心満点の店なんですね。センター街や道玄坂は、ファストフード以上にラーメン激戦区ですが、店舗の内外感や遊び心のある施策で、他店とは見事に差別化されています。
#野郎ラーメンで検索すると2514件投稿されています。なにもキャラクターのボードから顔を出した投稿をされなくても、野郎ラーメンがインスタグラムに存在していることが伝われば、目的は達しているのはないでしょうか。



丸亀製麺や野郎ラーメンが、POPやボードを作って投稿を促しているだけで、これだけ参加する人がいるのですから、インスタグラムは「おしゃれな写真好きの若い女性が中心」というところから、急速に利用者層が広がっていると考えた方が良さそうですよね。



インスタグラムは拡散性の低いSNS。投稿してもらわないと始まらない


インスタグラムで撮影した写真は、簡単に加工できるということと、そのままFacebookやTwitterに共有しやすい点がウケ、じわじわとユーザーが増えていました。
ところがチェックして行くと、インスタグラムだけで使っている人はとても多いように思えます。

また友だちがいいね!やコメントをしても、フィールドには表示されません。検索は#(ハッシュタグ)を正確に入力しないと、目的の投稿には辿り着きません。
それらの理由から、Twitterよりも拡散性ではかなり劣り、友だちの間での広がりもFacebookより低く思えます。
基本はハッシュタグで検索するので、目的が明確で、偶然性が少ない。その分、見てくれた人には、他のソーシャルメディアよりも強く伝わっていると考えられるのではないでしょうか。
また検索することが当たり前だから、他のソーシャルメディアのようにフローではなく、ストックの効果もかなり期待できます。

企業の利用もハッシュタグを付けて投稿してもらわないと、接点すらできません。
もっとも古着屋などでは、入荷したアイテムをおしゃれに撮り、インスタをアルバムとして見せるような使われ方が定番化しています。いずれにせよ、ユーザーが目的性を持って使っている珍しい大手ソーシャルメディアだと言えそうです。



海外の「シェフたちはInstagramを実にうまく利用している」というWIRED


WIREDが6月に公開したインスタとシェフたちの「複雑」な関係という記事には、こう書かれています。
新作料理の1枚を自分やレストランのInstagramアカウントに投稿すれば、たちまち予約が殺到する。素晴らしい出来栄えの料理、大胆な食材、意匠を凝らした演出が多くの人の目に触れて、誰もがますます自分のソーシャルメディアのアカウントに写真を投稿し続けるようになる。

ほんとにそこまでなんだろうかと思いつつも、実在のシェフたちの声が掲載されているので説得力があります。
せっかく出した料理に、まるで写真撮影会のように向き合って名シーンを撮ろうとしているお客の姿を、多くのシェフが嫌がっているとしながらも、こういう意見が。

「悪い意見には影響を受けます」 と、バンクーバーのフォーシーズンズホテルのシェフ、ネッド・ベルは言う。「わたしの料理を撮った写真があまりに下手だと腹が立ちます。だから、ソーシャルメディア上での写真映りをつい、考えてしまうのです」
「料理は芸術です。シェフはお皿の上に、料理をできる限り美しくつくり上げるのです」 とベルは言う。「料理をつくっている間、カメラのことが気になるか? いいえ。もし出来栄えが良かったなら、わたしがカメラで撮りたいくらいですよ」

著名人や企業がTwitterをやっていないと、なりすましのアカウントが作られてしまうジレンマと似ているなあと読んでいて思いました。それなら自分が、あるいはレストランがインスタを始めた方がいいというシェフが増えても不思議じゃありません。

Instagramはマーケティングに役立つが、また調査用のツールにもなる。著名なシェフ、ボビー・フレイをはじめ、多くのシェフがアカウントをもっており、ジェイミー・オリヴァーに至っては、なんと2,800万ユーザーにも上る。
ということだそうです。



プロとかアマチュアとか分けられないカメラマンの増殖


シェフたちが感じているように、ソーシャルメディアに投稿する多くの人が、食事・料理写真を撮ってアップしています。

それでも、いくら加工が簡単だとはいえ、インスタグラマーだって、みんなが上手に撮れるわけじゃないし。照明やアングル、食器やテーブル、カトラリーだって計算しないとね。知識だってセンスだって、楽にものにできないって。そんな風に、私は最近まで思っていました。
ところが、です。いったいどうなってるんだという写真の数々に、あるコンテストで遭遇しました。
InstagramersJapanという日本最大最古のinstagramers.com公認ユーザーグループと、Prime Chefというシェフの出張料理サービスがタイアップした、「わたしのスペシャリテ」とっておきの美味しい写真を大募集!という企画です。
そこに応募された数々の料理写真は、ちょっとした驚きでした。

最優秀作は、こちら



まずテーブルセッティング。食器やテーブル、小物などの充実度に驚きました。これは素人じゃないでしょと思うところからチェックして行くと、フードコーディネーターや写真集をネットで売っている人など、食が仕事になっている人がほとんどでした。
でも、専業主婦らしき人たちもいらっしゃいます。撮影してインスタグラムに投稿することに、これだけ凝ることの出来る人たちの数に圧倒されます。

他のソーシャルメディアだと、投稿にそこまで手間と時間と情熱をかける人たちは少ないでしょう。

料理を撮る人、撮ることや仕上げることに凝る人たちが増えてくれば、インスタグラムが食のトレンドを作るという海外のような状況がすぐ来てしまいそうですよ。



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