2015年7月24日金曜日

採用活動の始まりは、最高のティーザーなのに



先日、ある企業のトップの方と打ち合わせをしていて、「Twitterではすでに、アルバイトの募集ポスターを撮ったツイートが複数出回っていますよ。応募しようというのではないですけど、概ね歓迎されていて拡散しています」というお話をした。
私がiPhoneでそれらのツイートをお見せすると、「それはうれしいですね」と喜ばれた。

なにか仕掛けたわけではなくて、いわばファンが喜んで、勝手に宣伝してくれている。
アンバサダーということに近い。

しかし正式には、大人の事情でまだ発表前。だからTwitterで拡散されはじめたのに合わせて、何かを仕掛けるということができない。
あー、もったいない。相乗効果はもちろん、採用という点でもファンや関心を持ってくれる人が働いてくれるのが一番いいはずなのに。

ふと、私は30年近く、同じことを言ってる。でも採用されたことは一度もないことを思い出し、笑えた。
なんか悔しいので、ブログに書いておくことにします。


どんな新規事業だって、採用活動から漏れる


ごく少数の専門職等の採用など、シークレットにされた情報で、ヘッドハンティング型の採用活動なら、なかなか外に出てくることはないでしょう。
でもほとんどの採用活動は、募集内容から、新規事業の内容を推測できる場合が多いのではないでしょうか。

また新しい商業施設を建てる、新店を出すなどの場合は、その場所の周囲にいる人たちには、だいたい知られているもの。

私は3月に、G+でこんな投稿をしました。
「タコベルの再上陸一号店は渋谷。どうも、ここらしい。だとしたら絶妙の立地かも。」
それ以前からアルバイトの募集が出ていましたが、「渋谷駅徒歩3分」としか書かれていませんでした。それでも徒歩3分といえば、かなり限定されます。


広報活動としての第一弾として、募集活動を位置づける


かつて、ある大手流通が新しいコンセプトの新店を造る。その採用活動をどうすればいいかという相談を受けたことがあります。
それなら、従来の経験者の大量採用をするというスタンスではなく、新しいコンセプトに賛同してくれる人たちを採る必要がある。コンセプト自体、お客さまに向けたものだから、広報活動としての第一弾として、募集活動を位置づけたらいかがでしょうと提案しました。

ところがかつてのことですし、大手ですから、人事は人事、広報は広報、宣伝は宣伝と部署も予算も分かれています。
そうすると採用活動は、採用メディアが中心になってしまいますが、結局のところ、業界経験者にどれだけ届くかの勝負になってしまいます。経験者が悪いわけではないですが、応募前にどれだけ理念やコンセプトの理解が進んだでしょうか。できれば面白い!やりたい!と燃えて応募してくれる人の方がいいですよね。

きっと採用活動の建前だけじゃなく、企業が「好きなところで働く」を実現して行かないと、どんどん採れなくなっているのではないでしょうか。


カテゴリー別に考えるのは時代遅れかも


広告やPR、IR、販促、採用など、企業のマーケティングやコミュニケーション活動は、さまざまなカテゴリーに分けられ、部署も細分化されてきました。
ところがネットの時代になって、細分化された役割は意味をなさなくなってきたのではないでしょうか。IRだって、個人投資家を惹きつけたいはずです。先進国の中で、日本は機関投資家が多く、個人投資家が極めて少ない。本来は、個人が応援したい企業の株を持ち、ファンとして長期に保有してくれるのが健全だと、国や東京証券取引所が何十年も言い続けています。

さらにソーシャルメディアの時代になって、世界に流れる情報量はゼタバイトに突入。それだけではなく、私たちが情報に接する接点も激増しています。

企業のコミュニケーション活動は、「話題」と「評判」に向けて統合して行かないと、とてもとても追いつかないのではないでしょうか。

これからの時代には、外部と内部を明確に分けることさえ、あまり意味がないかもしれなせん。レピュテーション・マネジメントという概念がありますが、「評判」はけっこう社内の人の発信が鍵になることも少なくないでしょう。





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