24日金曜日の夜は、10時頃にタワーレコードに入って、11時の閉店のアナウンスを聞くまで、いろんなのを視聴してた。こんな時間の使い方は、さすがに金曜日にしかできない。
どうして1時間も視聴してたかというと、ダフトパンク以外になにかいいのはないかと探してたんです。売れ筋の新譜よりも、タワレコのレコメンドをちょこちょことチェックしたいという欲求。
2年ほど前までは、毎月2、3枚のCDを買っていた私。でももう、ぱったりと買わなくなった。昨年買ったのは、年間で4枚ほど。今年は3月に、デヴィッド・ボウイの10年ぶりの新作『ザ・ネクスト・デイ』を買っただけ。その理由はなんだと考えると、もう新しい音楽はないよなぁと思っているのと、買うのはファンであるアーティストのものだけ、応援消費的なこと以外ではお金を使いたくないという気持ち。
『応援消費というモチベーション』
いや、そう言い切るのはウソだわ(笑) 実際のところ、新しい音楽の情報を知らないんです。友だちはといえば、学生のころから好きだったのばかり聴いている。ストーンズとかジェフ・ベックとか。私もストーンズはずっと聴いてるけど、せめてベックぐらいは聴けよなと思うぐらいで、友だちルートから新しい情報が入って来ることは、皆無。
FMは日常的に聴いてるけど、そこから入って来るのも、そんなに多くない。だから2〜3ヵ月に1度ほど、タワレコで視聴するのがこのところのパターンだ。
2年ほど前に、5年ぐらいやっていたmixiをやめた。理由は足あと機能がなくなったから。
mixiではリアルなつながりではない人とつながれるから、とても良かった。タワーレコードでバイヤーをしていた人とマイミクになって、音楽関連の新しい情報は、かなりの部分、彼から入ってきてた。その人と仲良くなったのは、The Teddy Bearsというグループのデビューアルバムを私が持っていたこと。当時、日本での発売はなく、輸入版のみだった。
だいたい1週間に1度ほど日記を更新してて、日本未発売の曲のYoutube動画も貼付けられてた。オーストラリアの「CUT COPY」というバンドは、日記で教えてもらった。クラフトワークのツールドフランスという曲を「Hot Chip」がカバーしたシングルが出てるとか、「Simian Mobile Disco」の新譜が出たとか、もういろいろと。
クラブ/テクノ系の音楽が中心で、どれも知ってる人は多くない。マイナーなのばかりです。
ダフトパンクの話に戻します。
ダフトパンクもクラブ/テクノ系だけど、かなりメジャーな存在。メジャーな曲って、FMやYoutubeで見てればいいというのが、このところの私の発想だし、ファンでもない。ファンでもないのに、CDを買って持っておくという気持ちには、なかなかなれない。
それなのに、どうして私が『Random Access Memories』を買ったんでしょうか。
◯1stシングルの公開
4月中旬に、1stシングル「ゲット・ラッキー」を全世界で電撃公開。それ以降、FMでもガンガン流れてて驚いた。PVは複数あるけど、その1本。
この曲、ファンクじゃないか。ディスコと言ってもいいと思うけど、ダフトパンクが、どうして!? という意外性。しかもこの曲は、ナイル・ロジャースが参加してるということだけど、ギターを本人が弾いてるじゃないの! 普通、この手のバンドが昔の音のニュアンスを求めた場合は、サンプリングするでしょう。
それに通常はリズム隊を打ち込みでやらない? デジタルビートじゃなくて、ドラムを叩いてるし、ナイル・ロジャースがカッティングギターやってるし。曲自体もとても好きですけど、そういう様々なオドロキ。
でも、でもこの段階では、CD買う気は0%(笑) この曲だけなら、Youtubeでいいし、iTunesで買うにしろ1曲だけでいい。
この記事を書くのに検索してたら、こんなのもあった。この「日本ダフト・パンク化計画」を知ってたら、買う気マイナス20%ですね(笑)
ダフト・パンク、最新シングルの日本独自ミュージック・ビデオが完成!/ Qetic.jp
◯Twitterでの発見とGoogle+へのシェア
5月14日、偶然、爆笑ツイートを発見。ぜったいにネタだろうと思って私もやってみたら、本当だった(笑)
そしたら以前から「ダフトパンク状態のおばさん」と表現していたとコメントをくれた人も。しかもこの投稿に影響され、すぐに「東京ダフトパンクス」を結成したという人があらわれた。なんだなんだ、それは。
◯Google+からの拡散 →ブログやYoutubeへ
ブログにリンクされ「祝・新作リリース!ワンコインでキミも今日からダフトパンク!」というタイトル。
なんとこの「東京ダフトパンクス」、1コイン(500円以内)で入会可能、入会基準なしの誰でもすぐその場の気分でダフトパンクスの仲間入りができるという便利なパンクだ。
と書いてある。しかも動画までアップされてる。これがもう、おかしくて(笑)
5月19日のアップだから、行動力がありますよね。
ここに至って、私の考えは、かなり変わりました。
ダフトパンクには好きな曲がけっこうあるのに、どうしてダフトパンクを好きじゃないんだろ。と分析してみると、あのビジュアルがたぶんキライなんだ。なんとなくオタクっぽさの漂う仮面が。
ダフトパンクが手がけた映画トロン・レガシーのサントラはカッコイイし、出演したシーンでは、フルフェイスの仮面が、ものすごくハマってたんだけど。
だけど、あのフルフェイスがカッコイイとかカッコ悪いとかじゃなくて、イジれるネタに変わってきて、モヤっていた抵抗感が一気に消えたんです。熟成というか、イジれる。派生して遊べる素材ができて。
ただ、この段階でもCD買う気は30%ぐらい。
よほどの偶然がないとスルーするレベル。世界中で、予約だけで初登場一位とかってことだから、そんなメジャーな音楽を買う気にはなかなかなれないんです。だって、FMでも流れますし、所有したいという欲求はあんまり。
◯Facebookからの展開
STUDIO VOICEという雑誌のフェイスブックページにいいね!をしてて、ページフィールドに、こんな投稿が流れてきました。5月22日のことです。
「オマージュ、またはリスペクトした思いが反映したような」と書いてある。なんだろと思って、STUDIO VOICEへのリンクをクリックしました。
そしたら、このアルバムはさまざまなコラボレーターを起用しながら、進んで行く。辛うじてボコーダーの音だけが、彼らの仕事の痕跡を感じさせるような、そんな楽曲もある。と書いてあった。「ゲット・ラッキー」も最後の方のビートやボコーダーが、ダフトパンク感を出しているだけなのでで、ナイル・ロジャースの新譜と言われても信じてしまう。
しかしファレル・ウィリアムスやナイル・ロジャース以外に誰が参加しているんだろう。そしたら、ポール・ウィリアムズ(!)、ジョルジオ・モロダー(!!!)。
な、なんとジョルジオ・モロダーだと!? ブロンディやマドンナ、デビッド・ボウイをプロデュースしてきたナイル・ロジャースも凄いけど、私にとってはジョルジオ・モロダーは別格だ。現代音楽・実験音楽からの流れの電子音楽。かろうじてクラフトワークがイギリスやアメリカでヒットしたりしていても、小難しい風変わりなジャンルでしかなかった。それをジョルジオ・モロダーは、ドナ・サマーに提供した「I FEEL LOVE」で一躍ダンスミュージックにしてしまった。
ジョルジオ・モロダーまで参加してるなら、買うしかないじゃない。いったいダフトパンクは何をしようとしてるんだ! ともう、買う気まんまん。この段階で、一気に100%を突破した。
それ以外にも、ほぼ毎日タワーレコードの前を通っているから『Random Access Memories』の広告を見てたり、発売前後の1週間ほどはビルボードカーも見ました。
ただ広告は、ほとんど関係なく。どのSNSだからどうなったというのも、そんなに関係なくて、それぞれの展開がないと買わなかった気がします。
認知とか検索とか共有とかクロージングということじゃなくて、コンテンツの良さはもちろんですけど、サンバイザーの「おばさん ダフトパンク」が買わない壁を崩してくれました。冗談みたいですけど(笑)
遊べるネタが、送り手側の仕掛けじゃなくて広がってる。世界中で大ヒットしているそうですから、私のような買い方や動機は、少数派だと思いますけど、だけど面白いなと思ったのは、ファンではない人に、どうやったら買ってもらえるかという仕組み。そこを考えるには、参考になるんじゃないかと感じました。
もちろん世界各国でNo.1になるには、ファンだけじゃ届かないわけで。今回の『Random Access Memories』は、ナイル・ロジャースやジョルジオ・モロダーが参加しているんだから、当然おっさん世代も取り込めるわけです。狙ってもらっては、いないのですが(笑)
そしたら、このアルバムはさまざまなコラボレーターを起用しながら、進んで行く。辛うじてボコーダーの音だけが、彼らの仕事の痕跡を感じさせるような、そんな楽曲もある。と書いてあった。「ゲット・ラッキー」も最後の方のビートやボコーダーが、ダフトパンク感を出しているだけなのでで、ナイル・ロジャースの新譜と言われても信じてしまう。
しかしファレル・ウィリアムスやナイル・ロジャース以外に誰が参加しているんだろう。そしたら、ポール・ウィリアムズ(!)、ジョルジオ・モロダー(!!!)。
な、なんとジョルジオ・モロダーだと!? ブロンディやマドンナ、デビッド・ボウイをプロデュースしてきたナイル・ロジャースも凄いけど、私にとってはジョルジオ・モロダーは別格だ。現代音楽・実験音楽からの流れの電子音楽。かろうじてクラフトワークがイギリスやアメリカでヒットしたりしていても、小難しい風変わりなジャンルでしかなかった。それをジョルジオ・モロダーは、ドナ・サマーに提供した「I FEEL LOVE」で一躍ダンスミュージックにしてしまった。
ジョルジオ・モロダーまで参加してるなら、買うしかないじゃない。いったいダフトパンクは何をしようとしてるんだ! ともう、買う気まんまん。この段階で、一気に100%を突破した。
それ以外にも、ほぼ毎日タワーレコードの前を通っているから『Random Access Memories』の広告を見てたり、発売前後の1週間ほどはビルボードカーも見ました。
ただ広告は、ほとんど関係なく。どのSNSだからどうなったというのも、そんなに関係なくて、それぞれの展開がないと買わなかった気がします。
認知とか検索とか共有とかクロージングということじゃなくて、コンテンツの良さはもちろんですけど、サンバイザーの「おばさん ダフトパンク」が買わない壁を崩してくれました。冗談みたいですけど(笑)
遊べるネタが、送り手側の仕掛けじゃなくて広がってる。世界中で大ヒットしているそうですから、私のような買い方や動機は、少数派だと思いますけど、だけど面白いなと思ったのは、ファンではない人に、どうやったら買ってもらえるかという仕組み。そこを考えるには、参考になるんじゃないかと感じました。
もちろん世界各国でNo.1になるには、ファンだけじゃ届かないわけで。今回の『Random Access Memories』は、ナイル・ロジャースやジョルジオ・モロダーが参加しているんだから、当然おっさん世代も取り込めるわけです。狙ってもらっては、いないのですが(笑)