2012年9月13日木曜日

見えているところ。見ていること。

私は近視なんですが、メガネやコンタクトをつけていると困ったことがおきます。老眼が始まっているから、近いところが見づらい。
裸眼でなら楽に読めるものに、ピントが合わなかったりします。ピントが無段階で合うんじゃなくて、合う範囲が飛び飛びに存在してるんですね(笑)

この前も、撮影の準備で手が汚れる作業をしていました。終わって、手を念入りに洗いました。ところが家に帰って、コンタクトを外してビックリ。爪の間に、汚れがけっこうあったんです。こんなに汚れがあるまま、コーヒーを飲んだり、いろいろしていたなんて。ピントの合う距離で見え方が、まったく違うんですね。自分の実感では、ピントというより解像度が違うような印象で。


ある上場企業では、投資家向けのパンフレットの文字が異様に大きい。なぜかというと、社長が監修されているから。ご自分の読める大きさが基準になっているんでしょう。でも世の中に、そんな文字の大きさ印刷物は、ちょっと見当たりません。

またある会社の社長からは、うちの出したデザインの文字が「小さ過ぎる。優しくない」と言われてしまいました。でも、あんまり文字を大きくすると、文字ばっかりの印象になってしまうんですが。それだったら、文章を簡潔にして、文章量を減らした方がいいんですよね。このへんの本 脳が人間の行動を支配する? にも書かれていますが、ギッシリ詰まってると、読む気を削いでしまう。あ、それはこのブログも一緒ですが(笑)

文字が大きいから読みやすい、読んでくれる、ということではないんですよね。小説を考えればそうですけど読もうと思っている人なら、どれだけ文字がぎっしりと詰まっていても読んでくれる。だけど積極的な興味がなく、なんとなく眺めているだけなら、どれだけ文字が大きくても目に入って来ない、はず。
考え方としては、どういう目的で、どういうイメージにしたいかを優先すべきで。女性誌が写真や文字でぎっしり詰まったものが多いのは、その方がお得感や勢いを感じさせることが出来るから。ではないでしょうか。



東洋経済Onlineに、興味深い記事が出ていました。こういうサービスの告知でした。

多くの情報に埋没してはいないか。注目してほしいところは見られているのか。デザインの狙いは届いているのか――。経験則に照らし合わせた仮説はあっても、実際に検証するのはなかなか骨が折れる。
これをネット上で簡単に測定・可視化できるというのが、住友スリーエムの「3M視線予測サービス」。人があるものを見たときに、最初の数秒間の視線の動きを瞬時に予測してレポートを提供する。

『デザインの見え方を可視化、住友3Mの新サービスに熱視線』


紹介するYoutube動画もあります。



人間は人種や性別、年齢などに関係なく、色や文字、顔、カタチ、明暗といった要素から、パッと見たデザインのどこに注目するか、どういう順番で目を移らせていくかなど、だいたい同じような傾向を示す。
これを人間工学と認知心理学の観点から分析するのが「ビジョン・サイエンス」と呼ぶ考え方。



同じような傾向って、本当でしょうか。人間や動物の目とか視線に反応すると言われたりしますが、それはプリミティブなサインを読むという本能的なものがあるでしょうから、納得度は高いです。ただ、それ以外になると、あくまで視線が行くとか注視するというのは、相対的なもの。
そもそも印刷物なり、パッケージなり、ウェブサイトなりを見ている見られているという前提で、分析されているわけですが、見てもらえるところまで行くのが、まず大変なわけです。見てもらえても、一瞬で「興味がない」と判断され、離れられてしまうケースの方が多いでしょうし。


似たような手法で、長年、アイトラッキング調査が活用されていますが、これも、例えばチラシをモニターで見せるという不自然な状況で実施されたりします。ウェブサイトでは、ほとんどの視線の移動や集中がファーストビューで起こるという、計測しなくても誰だって予想できる結果だったりします。
だからといって、アイトラッキングが意味のないものかというと、そんなことはありません。むしろ、見せたいところなのに見られていない箇所を明らかにして改善するとか、視線が集中しているのにクリックされないバナーなど改善することに役立っているのだと思います。

もしかすると、ビジョン・サイエンスもそういう使い方が有効なのかもしれないですね。

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