実際にやってみたことをご紹介する前に、わかりやすい例があります。それはテレビドラマ『孤独のグルメ』です。
『孤独のグルメ』は、元日のスペシャルに特化して発信
テレビ番組はTwitterと親和性が高いといわれますが、その中でも『孤独のグルメ』は夜食テロと呼ばれ、なんども深夜にTwitterのトレンド入りしています。多く人は、テレビ画面を撮った画像をつけてツイートし、深夜の飯テロを拡散しています。
元日深夜に「孤独のグルメ お正月スペシャル~真冬の北海道・旭川出張編」を放送するというので、Twitterをチェックしてみると年明け早々、0時30分ごろに「あけおめ」とスペシャル、プレゼント告知をツイート。そして放送終了後の「ありがとうございました」まで、計5回ツイートされています。
始まりました〜!「孤独のグルメお正月スペシャル〜真冬の北海道・旭川出張編」寒〜い旭川で、あったか〜いグルメたちに出会います。北海道でも食べまくりますよ〜元日おごちそうの締めはこれで決まり!#tx_kodokunogurume pic.twitter.com/AgW9TA8DV5
— 「孤独のグルメ」 TVドラマ公式 (@tx_kodokugurume) 2016, 1月 1
これは放送が始まったときのツイートですが、リツイート1,360、いいねが820。そして30ほどのリプライがありますし、リプライをきっかけにユーザー同士の会話も発生しています。かなり凄いと思います。Facebookではどうだったでしょう。Facebookでは制作裏話もあり、計6回投稿。ツイートとほぼ同内容です。
新年明けましておめでとうございますm(_ _)m昨年秋〜末もSeason5ご視聴ご声援頂きまして、誠にありがとうございました。今年も新年早々、今夜!元日夜11:15からテレビ東京ほかにて「孤独のグルメお正月スペシャル〜真冬の北海...
Posted by 孤独のグルメ on 2015年12月31日
この投稿だけで、いいね!が21,126、シェアが342件。拡散の大きさならTwitterが桁違いですが、こちらもかなり凄い。
元日に「孤独のグルメ」が ソーシャルメディアで拡散した理由
ビデオリサーチによると、1月1日の高視聴率番組にドラマでは「相棒元日スペシャル」が16.7%で入っているぐらい。バラエティでは「芸能人格付けチェック!お正月SP」が18.7%、「元日はTOKIO×嵐ウルトラマンDASH・第2部」が18.3%と、どれもこれでもかと人気俳優やタレントを投入しています。
「孤独のグルメ」は実在の店で、松重豊さんが淡々と食べ、表情と心の声でおいしさを語るだけの、どう考えても低予算番組です。旭川に出張するとはいえ、こんな地味な番組を元日に投入する地上波は、テレビ東京以外には考えられません(笑)
お正月スペシャルの視聴率は、根拠が探せませんでしたが、4.8%という情報があります。正しいとすれば、深夜3時からの日本テレビ「深夜のスター・ウォーズ祭り・スター・ウォーズエピソード3/シスの復讐」が1.7%ですから、見事な数字です。
紅白歌合戦もそうですが、コンテンツの内容以前に、大量の資金を投入して他を圧倒できる王道路線が三が日には多くなります。でもソーシャルメディアの時代には、王道路線もそれほど圧倒的ではありません。
少なくともソーシャルメディア的には大成功だと思います。『孤独のグルメ』のアカウントは、写真のセレクトもハッシュタグの使い方も、それほど上手だとは思えないのですが(笑)
しかしTwitterで夜の飯テロは、鉄板の盛り上がるツイート。企業アカウントがやるわけにはいかないですが、個人アカウントなら仲間内で好きにできますし、その素材が『孤独のグルメ』ならTwitterの中で知らない人たちとも一体感を持てます。それが続いてきた安定感があってのお正月スペシャルですから、過疎っているときに、盛り上がらないわけがありません。
テレビを見ながらTwitterをする人が多いのは知られていますが、Facebookではテレビの話題すら、少ないように思えます。でも『孤独のグルメ』は比較的年齢が高い層で、熱心なファンが多いのかもしれません。1日に6回投稿して、これだけ反応があるのは、まずニュースフィールドに表示されている必要がありますが、元日午後からの、特に企業アカウントの沈黙があるからでしょう。
もちろんこれらは『孤独のグルメ』の知名度やテレビ放送の力、熱心なファンの共感など、前提になるものがあってのこと。
それでは一般的な企業アカウントでは、どうでしょう。
「あけおめ」投稿は、どのタイミングが適切か
運用をさせていただいてい中で、もっとも知名度・認知度の高いアカウントです。でも同業種の中では上位ではありません。
Twitterでは昨年、キャリアの「なるべくお控えください」という午前0時から2時間を外してツイートしました。インプレッションが6,685なので、いいことはいいのですが、平日のなんということのない投稿の1.4倍程度。
あけおめツイートは、お祭り騒ぎで拡散しています。多くの予約投稿する企業アカウントが集中したのも、午前0時過ぎでした。
私の持論は、過疎っているときほどチャンスですから、その時間帯を外してみることにしました。クライアントは投稿時間に関して無関心ですが、より効果をあげたいです。
チェックしながら、企業アカウントが動いていないタイミングを見計らって午前中に「あけおめ」ツイートしました。その結果がこちらです。
驚くほどではないですが、昨年の5倍のインプレッションです。リツイートは1.4倍ほど、いいねは以前のお気に入りと比較すると3倍ほどになりました。そしてなりよりも、プロフィールのクリック数が4.5倍になっています。プロフィールに来てくれるということは、ほぼ過去のツイートを見に来てくれているのですから大きいです。 それに今まではTwitterで届かなかった人たちにも届いた可能性が大ですから、重要な指標だと私は考えています。
Facebookではどうでしょうか。昨年までの経験でも、元日はずっと過疎っています。アクセスしたりあけおめ投稿する人も、長居しないのではないでしょうか。
企業アカウントの多くは元日にあけおめを予約投稿していますが、ほぼ完全に沈黙するタイミングがあります。
Facebookは、2日3日が狙い目
三が日はどのsnsもアクティブユーザーが少なくなりますが、2日3日に投稿する企業アカウントは極端に少なくなります。
絶対的なユーザー数が少なく、投稿数も少ないのですから、ニュースフィールドに表示される確率は飛躍的に高くなるはずです。いまや確実にファンのニュースフィールドに表示させたいなら、広告を使えと言われるFacebookで貴重なタイミングです。
もちろん、あけましておめでとうございますの投稿もするのですが、2日3日に重点を置いて投稿しました。
タイミングだけのことで書くと、まったく予想通りでした。
リアクション、リーチ共にほとんど同じカーブ。大晦日-元日と落ち込み、2日に急上昇します。Facebookのリアクションとは[いいね!、コメント、シェア]の合計です。
もっとも拡散した投稿はこちらです。
その他のクリックが53件あるのは、新年に初めて投稿を見てくれて、遡ってくれているファン。そしてシェアされた先から興味を持って見てくれた人たちではないでしょうか。
Facebookは比較的高い年齢層に偏りますので、3日日曜日の翌日4日から、あるいは5日からの仕事始めが多そうですので、4日5日はアクティブユーザーが再度減るはずです。
仕事はじめの落ち込みは、Twitterで拡散を狙う
Twitterも4日5日は落ち込むと予想されますが、Facebookほどではありません。より多種多様な人たちがいるので、アピールできるツイートがあれば大きく拡散することが可能です。それに企業アカウントはまだまだ本格的に稼動していません。
上のアカウントではありませんが、それなりにヒットしたツイートがあります。
これで従来のフォロワー以外にも届いたかどうかは定かではありませんが、リツイートされなければフォロワー外には届きません。いずれにせよ、プロフィールのクリックしてくれた人は遡ってツイートを見てくれています。
絶対的なアクティブユーザー数が減るのですから、Twitterでは絶対的なインプレッションが、Facebookではリーチが減りますが、そこは数でカバーするのも方法だと思います。
反応を見ながら、あまり近い時間では行わないようにする。
Facebookでは多くても1日に3投稿にしておけば、普段より届きやすくなるのが年末年始です。
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