出勤時で、誰も立ち止まる人はいないのに、あれはいったい何?
あとから考えると、リハーサルだったみたい。
ところが、それだけじゃなかったんです。
Q-Frontや109 MENの壁面にもマクドナルドの広告。出勤時に目撃して驚いた会社のデザイナーが、写真を撮ってきていました。とても強いグラフィックで、スケールの大きな展開です。
渋谷店は黒に塗られ、[ハバネロトマト]だけを販売するらしい。渋谷センター街店は、呼び込みをしてる。渋谷丸井店は[BLT]だけを販売するのか、とにかく赤に塗られてる。
こうなると、新南口のマクドナルドも気になるところですけど、さすがにそんな時間かけてチェックしに行くのもね。ということで、やめておきました。
ところがお店で終わりじゃなかったんです。あとで気がついたら、半蔵門線/田園都市線の渋谷駅からスクランブル交差点方面の改札付近の円柱の柱は、すべてこのビジュアルの広告。
そこから地上に出る階段の広告も、この広告。地下地上、渋谷駅周辺は、マクドナルドがジャックしてた。
しつこいですけど、さらにやってました。駅周辺の道路では、ビルボードカーというか広告がペイントされたトラックが二台、走っていました。
さらに帰りには、やはり広告がペイントされたデリバリーのジャイロ(三輪のバイク)が四台、連なって走っていました。夜の9時ごろです。
少なくとも渋谷駅周辺で、ここまで徹底した面でのプロモーションを見たのは、初めてです。朝から晩まで、たぶん12時間以上。
このブログではソーシャルメディアのことばかり書いていますが、ソーシャルをまったくやらなくても、ここまでやれば、渋谷という街での認知率は100%近いかもしれません。JRの自動改札には、宣伝のステッカーも貼られていました。
今週、全国発売になってからは、TVCMもばんばん打ってますし、Twitterでのプロモーション(広告)や、Yahoo!TOPページでのプロモーションなど、あらゆるメディアを駆使した絨毯爆撃をやっているようです。
もしかしたら、費用対効果を度外視したイメージチェンジ、リポジショニングかもしれません。マクドナルドさんの、ネット上での評判は、すこぶる悪い。評判の悪さをものともしないための、絨毯爆撃なのかもしれません。ひさびさに見る徹底的なマスマーケティングです。
渋谷という街を中心としたプロモーションとして考えると、新型クラウンのピンクが同じぐらいの規模だったのかもしれませんが、私の知る限り、まったく話題にもなっていません(笑)
見える要素は、ないですし。
マクドナルド クオーターパウンダーの渋谷先行発売に関しては、「行列までして、買ってくれる理由 -3」として書いているぐらいですから、ハッキリと見える要素がありました。
6月20日の12時から、渋谷東映プラザ店では先着1000名に、クォーターパウンダーTシャツ プレゼントをやっていました。たぶん上の方の写真で、スタッフが着ているものでしょう。それ以外では、この日はセットで500円ということです。通常は、単品価格で『クォーターパウンダー BLT』が520円~570円、『クォーターパウンダー ハバネロトマト』が480円~520円だそうです。
写真を撮ってきたデザイナーが、欲しいと言っていたので「大丈夫じゃない。雨降ってきたし、1000人も来ないよ」と、私は無責任な返事をしていました。そしたら、このデザイナーが、時間的にぜんぜん無理だと帰ってきました。行った時に渡された整理券は700番台。その行列を見て、何時間かかるかわからないと判断したそうです。
その時の写真がこちらです。私はこれを見て、え、こんなところまで?と驚きました。
宮益坂の交差点にある渋谷東映プラザ店から、明治通りをずーっとまっすぐ、宮下公園下の駐車場の入口を越えて、タワーレコード側に曲がらず、信号を渡って、次の信号近くまで来ちゃってるのと。
そしたらなんと、電力館前の交差点近く、山手線のガード下あたりまで続いていたそうです。この写真の場所が700番ですから、電力館前だとちょうど1000人ぐらいかもしれません。
こんなことを書いても、よほど渋谷に詳しい人しかわからないですよね。
地図を作ってみました。
赤い点線が行列。赤いマルにMが、マクドナルドの店舗。勝手にロゴマークを使うと、クレームが来るかもしれないので、適当なMにしました。イベントをやっていたのが、109のところです。
地図を作ったのに、それを無駄にするような動画を「ガジェット通信」さんが公開されていました(笑)
木曜日は、コンフェデレーションズ杯日本 vs イタリア戦で、「本田圭佑 PKで先制」というニュースが朝から流れていました。マクドナルドさんにとっては、天気の悪さを打ち消すような追い風だったのかもしれません。それにしても、Tシャツで、です。
調べてみたら、このTシャツだけではありませんでした。先着1000名の他に、スタンプラリーをやっていました。
クォーターパウンダーのセットを購入すると、1セットに1個、スタンプが押される。スタンプを4つ集めると、クォーターパウンダー Tシャツがもらえる。さらにスタンプが1個でも3個でも、抽選で「クォーターパウンダー × 本田圭佑」オリジナルマックカードやクリアファイルが当たるスタンプライリーです。この抽選会場が、109のイベントスペースとなっていました。20、21、22、23日の4日間連続で、やっていたようです。
なるほど、これで109前のイベントもつながりました。クリアファイルは3種類。本田選手のファンなら、3種類揃えたいし、早く食べて、抽選会場に行って、当てたいということでしょう。
3種類GETした人が、それだけを写した動画をYoutubeにアップしていました。
「クオーターパウンダー × 本田圭佑」オリジナルマックカードは、きっとコレクターズアイテム。
オリジナルマックカードは、他にも使われていました。Twitterキャンペーンとして、“「クォーターパウンダー BLT」「クォーターパウンダー ハバネロトマト」を食べた感想をツイートして、オリジナルマックカードをGETしよう!”というもの。@Love_McDをフローし、ハッシュタグを付けて感想をツイートすると、抽選で100名様にプレゼントだそうです。このツイートは、ウェブサイトのキャンペーンページでも転載されていますし、かなりのツイートが飛び交っています。
先行発売を渋谷で実施。行列を作って、抽選会場で盛り上げて、それを全国にどう広めていくのかというところが、私の一番の関心事だったんです。ここまで仕掛ければ、全国に波及しそうですね。
ソーシャルメディアを使って拡散しているけれども、双方向のコミュニケーションをしているわけじゃない。マスマーケティングに徹しているようです。飲食関連では、他に類を見ない規模と手法ですし、他業種でも、たぶんないでしょう。
クォーターパウンダーがどれぐらい売れるのかも興味ありますし、今回のキャンペーンによって、マクドナルドのポジションが変わったのかも、要注目です。
CMのコピーも、そんなメッセージに思えてきます。